「1年半お湯替えてません」で話題になった“マコモ湯”、科学系YouTuberがDNA分析でガチ検証
4月18日、科学系YouTuberの「GENKI LABO」(登録者数106万人)が「マコモ湯1ヶ月入って菌をDNA分析してみた結果が予想外すぎたwww」を更新しました。
マコモ湯で実験
GENKI LABOの市岡元気は「米村でんじろう」(同27万人)のプロダクションでスタッフを務めたのち、数々のサイエンスライブやオンラインでも実験教室を開催してきたサイエンスアクターです。
市岡は今回、昨年話題になった“マコモ湯”について検証します。マコモ湯とは、女性インフルエンサーがインスタグラムに投稿したリール動画から話題となったもので、イネ科の植物であるマコモを発酵させた入浴剤を入れたお風呂のことです。
女性インフルエンサーは「うちのお風呂、1年半お湯替えてません」と話し、マコモが「発酵の力で雑菌を抑えてくれる」ため、お湯が汚れないどころか、替えないほうがお湯の質が良くなり、「アトピーや肌荒れにも良い」と主張していました。
市岡は、マコモ湯に関する説を検証するため、①何もしない水道水、②毎日、足や排水溝の髪の毛を入れた水道水、③何もしないマコモ湯、④毎日、足や排水溝の髪の毛を入れたマコモ湯、の4つの環境を用意し、追い炊きを繰り返して1カ月後にどれほど菌が繁殖しているかを観察します。また、この4つに加えて、ゆっくり風解説YouTuberの「あもとっと」(同11万人)が実際に1カ月間入浴したマコモ湯のお湯も実験に使用します。
意外な結果
1カ月後、スポイトで採取した各サンプルを培養地に塗り広げ、増やした菌を遠心分離やPCRなどの手順を経て、そのDNAを解析します。
実験は以下のような結果になりました。

①の足を入れなかったお湯では全く菌の繁殖は見られず、②の足を入れたものからは菌が検出されました、また、マコモ湯については、③足を入れたものと、④入れなかったものの両方で多くの菌が検出されました。これだと菌の増減が分からないので希釈したものも検査したところ、次のような結果になりました。

なんと③足を入れたほうが、④何もしなかったものよりも菌が減っていました。ただし、その菌の種類までは分からないため、続いてDNA解析の結果を確認します。
解析の結果、②の足を入れたお湯からは皮膚の常在菌のほか、日和見感染症の病原体などが検出されたのに対し、③のマコモ湯からは土壌や動植物に生息する環境菌や枯草菌しか検出されず、④の足を入れたマコモ湯からも、より多くの環境菌が検出されただけで、病原菌は検出されませんでした。
市岡は“マコモ菌”とされている枯草菌の一種である「バチルスサブチルスON-1」が、寒さや熱に強いため、この菌に負けて他の悪い菌がいなかったのではと1度は考えたそう。しかし、あもとっとのサンプルからは、病原性を持つ菌のほか、なぜかブドウに感染する菌が検出されるなど、さらに多くの菌が見られたうえ、マコモ菌であるとされるバチルス属の菌が検出されませんでした。
市岡は「バチルスが強い説もちょっと分からなくなってきましたね」「ということで、(マコモ湯を)信じるか信じないかはあなた次第」と話しました。
市岡は、今回は1つの培地から5つしかサンプルをとることができなかったため、もっと多くのサンプルを調べると分かることが増えるかもしれないとしつつ、今後、数千から数百万種類もの遺伝子やタンパク質を同時に解析できる「マイクロアレイ」という手法を用いて、さらに詳しい分析をしたいと話しました。
コメント欄では
何も入れずにちゃんと湯を張り替えるのが一番やね
2か月の分析。マコモ湯の闇を解く系の動画がひとしきり出終わった頃の先生の動画だった理由が納得できました。さすが本格派!
他のチャンネルだと、マコモ湯を培地に転写して菌が大量だ。 という結果のみで、表現していたが。これほど、専門的な分析までするのは、さすがだなぁ
といった声が多く寄せられています。

記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。