フランシス・フォード・コッポラが理想都市を舞台に描く一大叙事詩「メガロポリス」
巨匠フランシス・フォード・コッポラが構想に40年を費やし、理想都市を舞台に波乱のドラマを紡いだ一大叙事詩「メガロポリス」が、6月20日(金)より全国公開される(IMAX®上映あり)。ポスタービジュアルと予告編が到着した。
舞台はアメリカの大都市ニューローマ。そこでは貧富の格差が社会問題となっていた。天才建築家のカエサル・カティリナは新都市〈メガロポリス〉の開発を推進するが、財政難の中で利権に固執する市長のフランクリン・キケロと対立。さらに一族の策謀に巻き込まれ、絶体絶命の危機を迎える──。
H.G.ウェルズ原作の映画「来るべき世界」に触発されたコッポラは、1980年代より脚本を構想。そして2001年には台本の読み合わせを行うなど撮影の準備を進めていたが、同時多発テロにより中断を余儀なくされ、2007年には支援も途絶え、企画は暗礁に乗り上げる。
それでも諦めなかった理由を「この作品は私の中でまだ孵化し続けていた。というのも、私は作り方を知らない映画を作るのが好きだからだ。作り方を知らなければ、映画が作り方を教えてくれる。それに耳を傾けると、とてもエキサイティングなんだ」とコッポラは説明。約300回も脚本を書き直し、2021年に自身のワイナリーの一部を手放して私財1億2000万ドルを投じ、制作を再開する。そしてキャリアの集大成というべき一作を作り上げた。
建築家カエサル・カティリナ役は「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバー、市長フランクリン・キケロ役は「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」のジャンカルロ・エスポジート、キケロの娘のジュリア役は「ワイルド・スピード」シリーズのナタリー・エマニュエルが担当。そしてオーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンらが脇を固める。
映画は2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、「映画とその無限の可能性に興奮し続ける映画作家の作品」(The New York Times)、「『メガロポリス』は映画である以上に体験であり、体験として忘れがたい」(Detroit News)と称賛された。
現代のアメリカを古代ローマと重ねたことについて、コッポラは「アメリカが共和制ローマの再来であることは明らかだ。ニューヨークに行けば、ローマ時代の建物で埋め尽くされていることに気づかされるだろう。私の意図は、古代ローマを模倣した現代のニューヨークを舞台にしたローマ叙事詩を書くことだった」と語っている。主人公カエサルは未来に希望をもたらせるか? 壮大な物語をスクリーンで堪能したい。
「メガロポリス」
脚本・製作・監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:アダム・ドライバー、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマン
2024年/アメリカ/英語/138分/カラー
原題:Megalopolis
配給:ハーク、松竹 提供:ハーク、松竹
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公式サイト:hark3.com/megalopolis
記事提供元:キネマ旬報WEB
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