なんで竹ぼうき? 石川遼が開幕戦で“真っ黒”な新アイテムお披露目「重くてキツいのがいい」
<東建ホームメイトカップ 初日◇10日◇東建多度カントリークラブ・名古屋 (三重県)◇7069ヤード・パー71>
昨季2勝を挙げてツアー通算20勝に到達した石川遼。2025年シーズン開幕戦の初日に7バーディ・1ボギーの「65」をマークし、6アンダーの好スタートを切った。
「スコア的には100点ですが、再現性は正直まだまだかな」と一日を振り返った。ウェッジでグリーンを狙ったホールでバーディを取りこぼす場面もあり、内容には納得がいかなかった様子。「きょうまでよりも、さらにいい準備をしないといけない」と言い残し、足早に練習場へ向かった。
そんな石川のキャディバッグに、ひときわ目を引く“黒い竹ぼうき”が差さっていた。これまでも様々な素振り用の練習器具を使用してきた石川だが、今回ほうきを選んだ理由について、その意図を聞いてみた。
「素振りを速くやりすぎると、首や関節などに負荷がかかってしまう。でも、ほうきならスイングをするときに使う筋力を負担なく鍛えられる」と説明。ケガのリスクを抑えつつ、実戦的なトレーニングができるのが大きなメリットだという。
続けて、「(実際のスイングと)同じ筋肉を使うけど、急激な圧や(手首などを)ひねってしまうリスクはないですよ。基本的に、実際のクラブより遅いスピードになる。だから100%の力で振りやすい」と話す。
実際の石川のトレーニングでは、竹ぼうきをトップの位置までゆっくり上げて、下半身の重心移動と体の回転を意識しながらスイング。軽い棒だと手だけでも振れてしまうが、竹ぼうきのように重量のあるものは“手打ち”を防止するドリルとしても効果的だ。
「先の枝のところがすごく空気抵抗を生む。重くてきついですけど、今の僕にはこれがいい負荷だと感じている」。ほうきの枝先が生み出す空気抵抗が、現状の石川の力量やスイングに“マッチ”。これが竹ぼうきを選んだ一番の決め手だという。
素振りを終えると、石川はドライバーを手に取り、バックスイングで左足を上げてから踏み込んで“ブン!”と豪快なスイングを披露。これは、竹ぼうきで得たパワーを実際のクラブに連動させ、飛距離アップへとつなげるための練習だ。部分的な筋力アップもメソッドの一つではあるが、このようにスイングをしながら筋力アップを行うことで、スイング崩れを防ぐことにもつながる。
ちなみに、竹ぼうきを真っ黒に塗った理由については「このほうが見映えがいいかな、って…(笑)」と照れ笑い。ここにも石川らしいこだわりが垣間見えた。
新しいトレーニングとともに臨んだ開幕戦初日で好スタート。このあとも“ブラックほうき”の成果を発揮し、納得のいく結果につなげたい。(文・高木彩音)
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