ドジャース佐々木朗希投手のメジャー初登板がすごすぎた件【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第159回
佐々木朗希のメジャー初登板について語った山本キャスター
東京ドームで行なわれたメジャーリーグ開幕戦は大成功で幕を閉じました。
ある試算によると、今回の東京シリーズでは100億円の収入があったとも言われていますから、メジャーからするとアジアのマーケットはとても魅力的でしょうね。日本人にとっては、海を渡った日本人選手や、世界的なスター選手たちの勇姿が見られるわけですから、まさに"ウィンウィン"の興行だったと言えるでしょう。
特に大谷翔平選手のプレーに注目が集まりましたが、今回のコラムでは、3月19日のドジャースvsカブス戦でメジャーデビューを果たした、ドジャースの佐々木朗希投手を取り上げようと思います。なぜなら、全力で飛ばした初回の投球が圧巻だったからです。
投球の時の表情、投げる球、汗のかき方など、クローザーかと思うほどのギアの入れ方でした。当日、お仕事で一緒に現場いた元ロッテの里崎智也さんも衝撃を受けていたほど。これまでもすごいとは思っていたけど、きっとそれは80パーセントくらいで、今回の試合の初回は120パーセントで投げていると感じました。世界への鮮烈なあいさつとなりましたね。
佐々木投手のすごさは、今さらではありますが、純粋に野球の能力が高いところにあると思います。160キロを超える速球も魅力ですけど、今回は気合が入りすぎて、キャッチボールの時点ですっぽ抜けていたという情報もありますね。
もともと球数の目安は70球とされていましたが、試合でもボールが抜け気味で、四球で球数が増加。ランナーを出してからカウントが不利になると、さらに制球が悪くなる場面もありました。結果も3回56球、1失点と、今シーズンを占うほどの投球ではなかったかもしれません。
ただ、そういったことを差し置いても、初回の立ち上がりは本当にすごかったです。1イニングに限定なら、現時点でメジャーの打者たちも圧倒できる。先発としても楽しみだけど、もしクローザーになっても、メジャー屈指の投手になるだろうと思います。
この先、どんなにたくさんの記録を見届けられても、メジャーデビューはあの瞬間だけなんですよね。
中でも、スプリット(フォーク)が印象的でした。試合前、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が口にした「彼のスプリットの軌道は予測不能。本人もわからないのであれば、打者が打つのは本当に難しい」というコメントも印象に残っています。しっかりとストレートが指にかかるようになり、よりスプリットを生かすことができたら、誰も手をつけられないでしょう。
私がメジャーの数ある投手のなかでも大好きな、ジェイコブ・デグロムという投手がいます。彼の代名詞は打者の手元で伸びる豪速球ですが、積んでいるエンジンが大きすぎるのか、ケガが多い選手としても知られています。
ケガは本人にとってはもちろん、チームも大打撃を受けますから、ケガしないことも才能のひとつです。ロッテ時代、1年を通してローテーションで守った経験がない佐々木投手と、デグロム投手をつい重ねてしまいます。
佐々木投手の今年の活躍のカギは、ケガをせずに実力をどれくらい出し続けられるのかになると思います。ドジャースは選手層が厚いですし、焦らずに慣れていって、長く活躍できる投手になってほしいですね。
今回、東京ドームはマウンドの土をメジャー仕様にしたそうです。メジャーの球場のマウンドの土は硬く、うまく対応しないとケガにつながるとも言われています。佐々木投手もマウンドに慣れ、ケガをせずにローテを守り抜いてくれる日を心待ちにしています。
それにしても、さまざまな面で素晴らしい興行でしたね。私も仕事ではありましたが、現地で試合を観られた経験は得がたいものでした。
それでは、また来週。
構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
記事提供元:週プレNEWS
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