草笛光子&寺尾聰 50年ぶり共演シーン いぶし銀のやりとり 「アンジーのBARで逢いましょう」本編映像
2025年4月4日より劇場公開される、2024年10月に91歳を迎えた草笛光子が主演する映画「アンジーのBARで逢いましょう」から、50年ぶりの共演となったアンジー役の草笛光子と、アンジーがBARを開く物件の大家・熊坂役の寺尾聰が共演するシーンの、本編映像が公開された。
BARの開店準備が着々と進み、ジャズが流れる店内で満足そうな表情のアンジー。そこへ大家の熊坂が店にやってくる。笑顔で迎えるアンジーに、「これ、どうかなと思って」と風呂敷を解き、額に入った絵をみせる。「うわあ、いいね、気に入った。あそこに掛けよう。あそこ」と喜ぶアンジーは、さっそく店内に飾られた絵を「あつらえたみたい」としみじみ眺める。すると熊坂は「ここは、いい店でね、不幸な事故だった。私が一言、言っておけば」と、この店の以前の店主に思いをはせる様子に、アンジーは「よかったかもしれないし、そうでないかもしれない」と語り掛ける。その言葉に軽くうなずき「じゃ、また」と店を出る熊坂を優しく見送るアンジー。2人の言葉のやりとりにそれぞれの過去が見え隠れする、いぶし銀の演技が見られるシーンとなっている。
草笛光子と寺尾聰は、1974年に放映されたドラマ「天下のおやじ」で母と息子という役柄で共演して以来、50年ぶりの共演となった。寺尾は本作クランクアップ時にそのことについて、「本当に若いころに草笛さんがお母さん役で、息子に僕と水谷豊でした。まだデビューしてまだ間もないころで、若い俳優ふたりが撮影の帰りに『お前ポケットの中いくらある?』なんて交わしたことを今でもとてもよく覚えているのですが、そんな時期に草笛さんには大変よくしていただきました」と回想している。
さらに、「それ以来僕は共演が全くなかったので、僕ももうだいぶ年をとりましたし、草笛さんもだいぶ大ベテランになられて、最後に一度、共演したいなと思って駆け付けた次第です!」と笑顔で語っていた。草笛も「若い頃私の息子役をなさったご縁でプライベートでもずっと仲良くしていましたが、久しぶりの共演はとても嬉しかったです」と振り返っている。
「アンジーのBARで逢いましょう」は、「風に吹かれた」と突然町にやってきたアンジーを主人公とした映画。いわくつきの物件でBARを開き、「人間まともなもん食わないとだめよ!」「本当に怖いのは人間だけだ」「過去に追いつかれると食い殺されちまうからね」「いくつになっても生きることは簡単じゃないの。面倒だし複雑だし汚いことだらけ」と、心に刺さる名言を厳しくも優しく投げかけながら、悩み多き町の人々をだんだんと変えていく。
謎多き”お尋ね者”のアンジーを演じるのは、1953年の映画初出演から70年に渡りドラマ・映画などに第一線で出演しつづけ、90歳で映画単独初主演となった「九十歳。何がめでたい」がヒットを記録した草笛光子。寺尾聰、松田陽子、青木柚、田中偉登、石田ひかり、ディーン・フジオカが顔をそろえる。大林宣彦監督などの助監督を長年務めた松本動監督がメガホンをとり、「私立探偵 濱マイク」シリーズ、「十三人の刺客」などを手掛けた天願大介が脚本を担当した。

【作品情報】
アンジーのBARで逢いましょう
2025年4月4日(金)新宿ピカデリー/シネスイッチ銀座 ほか全国公開
配給:NAKACHIKA PICTURES
©2025「アンジーのBARで逢いましょう」製作委員会
記事提供元:映画スクエア
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