「タイはグリーンがバミューダ芝で速くて読めない」 QP関雅史がタイシニアプロテストに挑戦
19日、タイのバンコクで、TS(タイシニア)PGA公認のタイシニアプロテストの実技試験初日が開催。レッスンプロのQPこと関雅史(50歳)などが参加した模様をレポートしたい。
50歳以上から参加でき、2日間合わせて12オーバーで合格できるタイシニアプロテスト。日本人が多く参加しており、50歳以上の部門では17名が参加。様々な思いを抱えた人が参加しており、それぞれに直撃取材してみた。
初日は3オーバーの2位につけた関。本人はアンダーで回りたかったらしく、悔しい思いをにじませていた。なぜ、プロがあえてこのテストを受けたのだろうか?「ゴルフネットワークの『ギア猿』という番組でこれを知って、50歳になったらやってみたいなと。昨年シニアツアーの予選会・一次予選に落ちて、どこかツアーでやりたいと思ったのがきっかけです。2月の試合ない時に、実戦の試合がタイでできるのが素晴らしい」。
開催コースのバンコク・レガシーGCの難易度は高く、簡単にはバーディが獲れない。「コースが本当に素晴らしいと思います。池やハザードがあって難しい。グリーンの傾斜が難儀ですね。グリーンはバミューダ芝でコーライ芝に近い。硬くて速いし、芝目があってラインが読めないんです。バミューダ芝のラフは球が潜るし、硬くて本当に難しかったですね」。
また、関はこの大会の意義について指摘する。「シングルクラスでプロになれるのは、アマのセカンドキャリアとしては夢があります。ゴルフは真剣にやる楽しみもあるし、試合の緊張感は楽しい。アンダーで回りたかったけど、今日は緊張もあったのかな……と」。
他に異彩を放ったのが、アマチュアの中村研さん(58)のキャディを務めたプロドラコン選手の安楽拓也。出場した中村さんは「ドラコンなどを一緒にやっていた安楽さんから、やってみないかと誘われてきました。普段はスコア100で、一度真剣勝負をしようと思って参加しています」と語る。それにしても、なぜ安楽がキャディをやっていたのだろうか?
「もともと中村さんはゴルフ仲間で僕がこのプロテストに誘ったのもありますし、ちょうどタイに来ていて日程が空いたので、キャディを務めることになりましたが、やっぱりゴルフは見るよりやる方がいいですね」と安楽は笑う。
安楽自身は一度このプロテストに落ちて2回目で合格した経験を持つ。「今日、他の方のパットを見ましたが、みんな3パットが多いですね。タイだと1mが入らなくなる。バミューダ芝は難しくて、押し込んで打てないし、打ちに行ったらオーバーになるし。僕も1回目の時は初日の後にパターを買い換えました(笑)」。関と同じくやはりタイのグリーンの難しさを感じている。
続けて、タイシニアプロテストの意義について安楽に聞いてみた。「日本のプロテストと違って、敷居が低いのがいいですね。これで飯が食えるわけではないですが、これに受かった知り合いは家族を呼んでシニアツアーに出て応援してもらったりして感激していました。それに楽しくゴルフをやるより競技として法線することは、まさしく『おじさんの甲子園』ですね。必死になることは楽しいと思いますよ」。
最後に、参加した他の選手たちの声を紹介したい。普段レッスンプロとしても活動するという山崎晴敏さん(51歳)は、「普段はほかの仕事もしていますが、レッスンプロの活動もしています。自分の経営するゴルフバーでやったり。番組を見てこれを知って、参加しようと思いました。アイアンのライン取りができなくて悔しかったです」。一風変わった経歴を持つ大徳正仁さん(51歳)は、「主宰の中村映禅さんと後藤修プロの後藤塾で知り合い、プロをあきらめた後は何年も真剣にゴルフをやっていなかったですが、中村さんに誘われて出ました。緊張感のある試合が楽しかったし、これに合わせて久しぶりに練習しましたね」。
今日は残り18ホールの実技テストが行われる。その経過はまた後日レポートしていきたい。
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