衝撃のラスト!松下由樹が語る『ディアマイベイビー』終盤の見どころ「予想をはるかに超えます」
芸能事務所のベテランマネージャー・吉川恵子(松下由樹)が新人俳優・森山拓人(野村康太)に異常なまでの愛を注ぎ、その執着が狂気へと変貌…鬼気迫る狂愛サスペンスをおくる。
【動画】松下由樹演じる恵子の“狂愛”が話題「ディアマイベイビー」最新回

「テレ東プラス」は、主演の松下由樹を取材。貴重な現場エピソードから衝撃のラストシーン、役作りへのストイックな姿勢まで、たっぷりと話を聞いた。
松下由樹が語る“狂愛の衝撃”と“現場の熱気”
――今作で主演を務めるにあたり、「衝撃が大きかった」とのことですが、どのような衝撃だったのでしょう。
「皆さんが、ドラマをご覧になって抱いた感想と同じです。台本を読んだ際、“怖い”“やばい”と……私もそう思いました。それと同時に“ただ単に怖いだけではなく、振り切っただけではない作品をどう作っていくのか”という難しさも感じました。ここまで思い切ったストーリー展開はなかなかない、挑戦的なドラマだと思ったので」
――次第に狂愛が増していく恵子を演じる上で、意識したことは?
「演じている時はあまり“怖い”とは思っていないんですよね。あくまで恵子として演じていますし、彼女自身も、おそらく自分の怖さに気づいていない。
ただこの後、正気と狂愛が交差する瞬間がいくつか出てくるので、演じている時はその間で揺れ動きながら、必死に役を生きていました。
恵子は、拓人と出会った時から少しずれている。狂った愛情のまま一途に進んでいくからこそ、周りから見るとより恐ろしく感じるのかもしれません」
――SNS上では、“松下さんの怪演がすごい!”という感想が飛び交っていますが、ご自身としてはどう受け止めていますか。
「正直どう受け止めていいのか、まだ消化しきれていない部分もあります。
でも、このドラマが狂愛を描くからこそ、そういった言葉が生まれるのかなと思いますし、多くの方に見ていただいている証拠なのかなと。今は褒め言葉として受け止めようと思っています(笑)。
今回初めて“狂愛”という言葉に深く触れ、愛の形というのは本当に多様で、まだ知らない感情があるのだなと感じています」
まるで写真集!?狂愛が渦巻く“秘密の部屋”
――拓人の写真などが飾られている“秘密の部屋”のインパクトも絶大でした。
「バブちゃん(拓人)の部屋とか推し部屋とか、SNSではいろいろな呼ばれ方をしているみたいですよね(笑)。拓人の写真はすごい数で、さまざまな表情をした拓人がいます。あの部屋を作るために、膨大な数の写真を撮影しているんですよ。 “どこかに展示するか写真集にしたらいいのに”というぐらいのクオリティーで。あとよく見ると、部屋が進化しているのも分かると思います」
――貼られている写真が、少しずつマイナーチェンジしているということですか?
「そうです。よく見ると、拓人がこなした仕事とともにちょっとずつ変化しているんですよ。ぜひ、チェックしてみてください」
――あの空間に身を置くと、自然と恵子の“狂気”が湧き上がってくるみたいなところも?
「あの……狂気じゃなくて“愛”です。恵子はすべて“愛”なんです。皆さんが“狂気”と捉えていらっしゃるだけで…(笑)」
――あーっ、そうでした! “恵子の愛”です。狂気ではなく狂愛でした!(笑)
少し話は変わりますが、恵子のような役を演じるのは、とてもエネルギーを要すると思います。怒りをぶつけるシーンや対峙するお芝居も多いですし…。
松下さんはいつも明るくてエネルギッシュなイメージがありますが、どのようにパワーチャージしているのでしょう。
「オフの時に何かをインプットするというよりは、仕事場に来て自分の役を思い切り演じていると、自然と元気やパワーが湧いてくるように感じます。
周りにいるスタッフさんやキャストの皆さんもエネルギッシュな方が多いので、そのエネルギーに触発されているのかもしれません。
今作では、特に野村くんとの芝居で感情のぶつかり合いが激しかったので、そのリカバリーは周りの皆さんのエネルギーに助けられていたのかもしれないと、今話していて気づきました」
――現場では“笑い”が起きることもたくさんあったそうですね。
「ものすごく明るい現場でした。私のお芝居を見て、大笑いしながらやって来るスタッフさんがいたり、恵子のモノマネをする人が現れたり(笑)。
皆さんがリアクションしながら生き生きと現場にいてくださるので、私も自然とエネルギーチャージできて、短期間であんなに濃い作品を作り上げることができたのだと思います。エネルギーの集合体のような現場でした」
――第10話~第12話にかけての展開は、台本を読んだだけで胸のざわつきが止まらないほどでした。最後に、今後の見どころを教えてください。
「第5話で恵子が壊れてしまうという1つ目のピークがあって、そこからさらに第2弾、第3弾と狂っていく様が描かれ、恵子が拓人に刺された後の展開では、もう一つ大きな山がやって来ます。
このドラマは最初から見どころ満載ですが、後半はさらに一筋縄ではいかない展開が待っています。拓人の気持ちの変化はもちろん、それによって周りの人々も大きく動き出していく。そして、恵子がいなくなることで切なさが増し、サブタイトルにある“私があなたを支配するまで”という結末に向かっていきます。
狂愛というものはなかなか報われないかもしれませんが、恵子と拓人が運命的な出会いを果たしたことは間違いなく、そこに切なさを感じます。これまでとは少し違うテイストで2人の関係性が描かれていくので、ぜひ最後まで見届けていただきたいです。最終話まで見てこそ『ディアマイベイビー』の意味が分かると思いますし、私自身、監督の演出を知って“こういうことだったのか!”と大変驚きました。予想をはるかに超え、最後の最後まで“怖い”という感情が押し寄せてくるのが『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』なのだと」
【松下由樹 プロフィール】
1968年7月9日生まれ。愛知県出身。1983年、映画「アイコ十六歳」でデビュー。1987~1988年、NHK「ヤングスタジオ101」にダンサーとしてレギュラー出演。
1989年、ドラマ「オイシーのが好き!」で初主演。「想い出にかわるまで」「クリスマス・イヴ」「週末婚」「29歳のクリスマス」「ナースのお仕事」「臨場」土曜ワイド劇場「おとり捜査官・北見志穂」シリーズ(主演)など、代表作多数。
映画「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(2025年7月4日公開予定)にも出演する。
(取材・文/蓮池由美子)
【第7話】
拓人(野村康太)の実の母・雪乃(山口紗弥加)と対峙の末、ケガを負った恵子(松下由樹)を献身的に看病する拓人。穏やかな日々を送る2人だったが、拓人は裏では美羽(中村ゆりか)と密かに会い続けていた。
何かを隠す様子の拓人に目を光らせる恵子だったが、ある日、拓人は恵子のとんでもない秘密を目撃してしまう。その姿を背後から見ていた恵子は…!?
記事提供元:テレ東プラス
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