喪失感と孤独にさいなまれる少年少女3人のひと夏の出来事 「メイデン」公開決定
第79回ヴェネチア国際映画祭のヴェニス・デイズ部門で“未来の映画賞”受賞した映画「メイデン」が、2025年4月19日より劇場公開されることが決まった。
「メイデン」は、喪失感と孤独にさいなまれる少年少女3人のひと夏の出来事を、16ミリフィルムの質感を生かした映像美で描き出した作品。カイルとコルトンは、カルガリーの郊外に住む高校生。夏休みが終わりに近づいたある夜、カイルにむごたらしい出来事が降りかかる。新学期が始まってもその事実を受けとめきれないコルトンは、深い喪失感に打ちひしがれながら、かつてカイルと一緒に戯れた渓谷に足を向けるようになる。その頃、同じ高校に通う少女ホイットニーが行方不明になる。コルトンが渓谷の岩場で拾ったホイットニーの日記帳には、学校での人間関係に悩む彼女の切実な心情がつづられていた。
映画はふたつのパートで構成され、前半では気が置けない親友同士であるカイルとコルトンのひと夏の日常が、詩的な美しさに満ちたショットで点描される。中盤のある重大な悲劇がターニングポイントとなって、後半はもうひとりの主人公ホイットニーの視点に切り替わり、静寂に包まれた森や草原を舞台にした幻想的なストーリーが繰り広げられる。変奏的な“ボーイ・ミーツ・ガール”物語として展開し、見る者は生と死のはざ間というべきスーパーナチュラルな領域へと誘われ、いつしか夢と現実の境目さえも溶けた映像を目撃することとなる。
監督は1987年生まれのグラハム・フォイ。自身が育ったカナダ西部のアルバータ州カルガリーで撮影を行った本作で、第79回ヴェネチア国際映画祭のヴェニス・デイズ部門で“未来の映画賞”を受賞。第75回カンヌ国際映画祭の批評家週間「Next Step」のプログラムにも招待された。
【作品情報】
メイデン
2025年4月19日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:クレプスキュール フィルム
(C) 2022 FF Films and Medium Density Fibreboard Films.
記事提供元:映画スクエア
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