米シニア参戦中の藤田寛之が、まさかの“レディース”クラブを投入「スピンが入って止まる」
今季は米シニアツアーに参戦している藤田寛之。ここまで6試合の出場で、賞金ランキング46位につけている。そんな藤田のキャディバッグをのぞくと、女性用のフェアウェイウッドが入っていた。
昨年12月、米シニアに向けて「ちょっとボールを上げたいし、9番ウッドでも良いのかなと思い始めている」と語っていた藤田。その言葉の通り、昨年まで入れていた4番ユーティリティの代わりに9番ウッドを入れている。7番ウッドと同じモデルのそれは、ヤマハ『INPRES DRIVESTAR(インプレス・ドライブスター) レディース』。そう、女性用のヘッドなのだ。
実際は5番と7番と表記されたヘッドだが、ロフトはそれぞれ20度と23度で、男性用のフェアウェイウッドに置き換えると、7番と9番にあたる。だから藤田は番手ズラしで7W・9Wとして使う。もともと入っていた「5」と「7」の刻印は黒く塗りつぶされ、その下にペンで「7」と「9」と修正。ヘッドは女性用でも、シャフトは80グラム台の『ディアマナ WB 83S』でしっかりしている。
「ヤマハのヘッドでいろいろ作っていただいているんですけど、その中でインプレスのレディースヘッドが一番自分の打ちたい球が打てて、気になるところがなかった」と、藤田は女性用クラブを採用したきっかけを語る。続けて、「スピンが入って止まるし、ユーティリティの選択もありますけど、(ショート)ウッドにしたら一気に楽になると思います。スイートエリアも広いしね」とメリットを挙げる。
レギュラーツアー時代は、日本刀のようなアスリートらしい顔や打感にこだわってヤマハとのクラブ開発に携わってきた藤田だが、50歳を超えてシニア入りしてからは、ストロングロフトのアイアンを使うなど、「助けてくれるクラブ」にシフトしてきた。だから、男子ツアープロが敬遠しがちな刃が大きく前に出て見えるショートウッドも気にならないという。
「気にし始めたらキリがないですからね(笑)。クラブの見え方とかではなく、リアルにその状況をクリアするクラブが欲しいという感じ。顔がどうとか、レディースクラブがどうとかは関係ないんです」
米シニアの試合がなかった前週は帰国して「ノジマチャンピオンカップ箱根 シニアプロゴルフトーナメント」に出場。そこでヤマハの未発表アイアン『RMX(リミックス)プロトタイプ』を投入している。今まで使っていた『RMX VD/M』にも似た形状で、ストロングロフトでソール幅が広く「やさしいのは一緒です」という。
前作との違いについては「打感が少し柔らかくなった。すごくマイルドでフェースにくっついている時間が非常に長く感じられる。『RMX VD/M』が自分の中ではすごくお気に入りで、それを引き継ぎながら、パーンと弾く感じを抑えられていて、軟鉄の良い感じの打感にけっこう近づいています」と話す。
箱根での試合が終わった20日には、再び渡米した藤田。今週は米シニア「三菱エレクトリッククラシック」(4月25日~27日、ジョージア州・TPCシュガーローフ)に出場する。米国の硬いグリーンに止められるレディースのフェアウェイウッドと、打感が向上した新アイアンで、来年のフルシードが得られる賞金ランキング36位以内を目指して、長いシーズンを戦っていく。
【藤田寛之のクラブセッティング】
1W:ヤマハ RMX 116(2015年発売・10.5度/ディアマナ BB 53S)
5W:ヤマハ RMX(2019年発売・16.5度/ディアマナ WB 63S)
7、9W:ヤマハ INPRES DRIVESTAR レディース(20、23度/ディアマナ WB 83S)
5I:ヤマハ RMX プロトタイプ(ラウネ プロ i105 S)
6I~PW:ヤマハ RMX プロトタイプ(AMT ツアーホワイト S200)
50、54、58.5度:タイトリスト ボーケイ SM10(DG EX ツアーイシュー S200)
PT:スコッティキャメロン ニューポート2 プロトタイプ
BALL:タイトリスト PRO V1
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