幻の花火をめぐる奇跡。四宮義俊監督が日仏共同で制作した「花緑青が明ける日に」
日本画家およびアニメーション作家(新海誠や片渕須直の監督作にも参加)として活動してきた四宮義俊が、自身のオリジナル脚本をもとに、初の長編アニメーション監督作として送り出す「花緑青が明ける日に」が、2025年に全国公開される。ティザービジュアルと特報映像が到着した。
地区開発により立ち退きを迫られた、森の中の花火工場〈帯刀煙火店〉。帯刀敬太郎はそこに4年もこもり、蒸発した父に代わって幻の花火〈シュハリ〉を完成させようと奮闘していた。一方で幼なじみのカオルは、ある事件をきっかけに地元を離れて東京で暮らしていたが、立ち退きの前日に帯刀家を訪問。再会した二人は、シュハリの秘密に迫ろうと驚きの計画を立てる。鍵となるのは、美しい青色の顔料〈花緑青〉だった──。
第77回カンヌ国際映画祭のマルシェ・ドゥ・フィルム〈Animation Day〉アヌシー・アニメーションショーケースで、制作途上にある世界中の作品5本のうちの1本に選ばれ、フランスのスタジオ〈Miyu Productions〉と共同で制作された本作。ボイスキャストは敬太郎役を萩原利久、カオル役を古川琴音が務める。鮮やかな青春物語に期待したい。
〈コメント〉
萩原利久
初めて声優のお仕事をさせていただき、とても新鮮でした。最初一人でアフレコをしていた時にはなかなか手応えを掴むことができず、監督の「OK」だけを頼りにしていたのですが、最終日に古川さんと掛け合いで収録させていただいて、一人で録っている時とは全く体感が違って。普段いかに周りの人や環境に支えられてお芝居をしていたのかと実感させられました。僕自身、最初に脚本やVコンテを拝見した時に「これは凄い作品になるんじゃないか」と感じましたので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
古川琴音
四宮監督が構想から8年という長い年月をかけて育まれた、大切な作品に呼んでいただけたことがとても嬉しく、声優は初めてでしたが体当たりで臨ませていただきました。
声を録りながら、5年前のコロナのことを思い出していました。全国の花火大会をはじめ、伝統ある催事が次々と無くなっていくことを当時は憂いてばかりいましたが、今思えばそんな私の日常を支えてくれていたのが、現代のカルチャーを先導している日本のアニメでした。この作品は、日本画家出身の四宮監督がアニメで花火を描いた温故知新の芸術だと思います。その創作の一端を任せていただいたこと改めて光栄に思います。
「花緑青が明ける日に」
声:萩原利久、古川琴音
原作・脚本・監督:四宮義俊
キャラクターデザイン:うつした(南方研究所)
作画監督:浜口頌平
美術:馬島亮子
音楽:蓮沼執太
製作:A NEW DAWN Film Partners
制作:アスミック・エース、スタジオアウトリガー、Miyu Productions
配給:アスミック・エース
©A NEW DAWN Film Partners
公式サイト:https://hanaroku.asmik-ace.co.jp
記事提供元:キネマ旬報WEB
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。