競馬の軍資金が千円では勝てないのか?【じゃいの人生は最高のギャンブルだ】第140回
あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。
【今週のお悩み・第140回】年間回収率100%を超えるには、資金が必要だと思いますか? 今まで1レース、2000円前後で馬券を買ってきましたが、自分なりに研究した結果、これでは勝てないと感じています。
ある程度、資金を貯めてから再チャレンジと思い、今は馬券はお休みしています。1000円や2000円の投資では勝てないという私の考えは正しいと思いますか?(50代・女性)
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フェアリーステークスは新馬戦を勝ったばかりのエリカエクスプレスが圧勝しました。今年の牝馬クラッシック候補に名乗りを上げましたね。非常に楽しみです。僕の本命のマイスターヴェルクは4着でした。
この原稿を書いているのは13日月曜の朝。夕方にはシンザン記念が行われます。リラエンブレムに賭けます! 来なかったらハズレていると思ってください。
では質問へ。
回収率が100%を超えるのに資金が必要か? 1レース2000円の資金だと厳しいのか? とのことですが、全くそんなことはありません。軍資金がいくらだろうが、回収率にはそこまで響かないと思います。
では資金が多いのと少ないのでは何が違うのか?
仮に回収率が200%だった場合、年間で10万円馬券を買った人は10万円の利益を得ます。年間100万円馬券を買った人は100万円の利益を得ます。
つまり、回収率が100%を超えるなら資金は大きい方が利益も大きくなるし、逆に100%未満なら資金が大きい方が損失は大きくなるし、資金が少ない方が損失は少なくなります。
他では、1レースの資金に幅をつけられるというのがあります。
例えばマーチンゲール法というのがあります。
これは、倍賭け法といって、負けたら次のゲームに倍賭けるという賭け方です。基本的にはバカラやルーレットの赤黒のような、ほぼ2分の1の確率のゲームでやる賭け方で、この様な賭け方をする場合はある程度の資金がないと出来ません。
仮に競馬でこれをやるとしたら、倍とは違うのですが、負けたら賭け金を増やすことによって、今までの損失を取り戻すというやり方をする人もいるかもしれません。この場合もやはり資金が必要になります。ただ、基本的にこの賭け方は危険なのであまりお勧めは出来ません。
今週のギャンブル格言【軍資金に対しての賭け金の割合は少し低めに】
自分の場合は、自信度や期待値、オッズなどによって賭け金を変えます。この様な場合もやはり資金がある程度は必要になるでしょうが、このように賭け金に差をつけている分、回収率が100%を超えてるというのも事実です。
自信がないレース。期待値が見込めないレースは馬券は買いません。メリハリをつけるという意味ではやはり1レース2000円という資金ではなかなか難しいですね。
馬券を購入する際は、堅いレースに大金を賭け、荒れるレースに少額を賭けるというのが一般的です。ただ、荒れるレースに大きな資金を注ぎ込める人が大きな回収率を生み出せると思っている人もいます。
結論から言えば、基本的には資金と回収率はそこまで関係はないものですが、予想の精度、自信度、期待値などがある程度計算できる人にとっては、資金は多い方がいいと思います。つまり「質問者の考えは正しい」という判断でいいかと思います。
ただ、忘れはいけないのは、軍資金が2万円の人は2万円しか負けられません。軍資金が1億円ある人は1億円負ける可能性があるということです。
どこかの御曹司がカジノで100億円負けたなんて話を聞いたことがありますが、資金が多いというのはその分怖さもあるのです。
気を緩めたり、理性を失い、冷静さを失い、感情的になってしまうとあっという間に資金は溶けてしまいます。計画的に、冷静に馬券の購入をしないといけません。
ぶっちゃけ、競馬で勝てるなら資金は増えていくはずですから、新たに用意する必要はありません。
競馬に勝って、泡銭だと言って散財する人も少なくありませんが、それだと次の負けに備えられなくなります。
昔、マルサの女でこんなセリフがありました。それはお金を貯めることをコップの水に例えたものでした。上からポタポタと垂れていてる水がコップに貯まっていく。喉が渇いたからといってその水を飲んではお金は貯まらない。そこから溢れた水を舐めるんだ、と。まさにそんなイメージです。
最低限の資金を常にキープする状態を保つことが大切です。
もしも勝つことによって資金が増えていったとしたら、ほんの少し単価を上げるのも良いと思います。もちろんスタイルは変えずにです。
競馬には当然連敗やスランプも訪れます。そういう事態を想定した賭け方をすることが大切です。
実際、僕もこの先いくら勝とうが賭け金をこれ以上増やすことはありません。
それぞれの資金力によって無理のない金額を設定してください。
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じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。
構成・撮影/キンマサタカ
記事提供元:週プレNEWS
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