新記録の99H連続ノーボギーも実らず 山下美夢有はパリ五輪前ラストゲームで無念V逸
<大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日◇21日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)◇6505ヤード・パー72>
バーディは6つも取った。ボギーは1つも打たずに4日間を完走した。だが、今季初Vには届かなかった。今季5度目の2位。ツアー新記録達成も、それが山下美夢有を笑顔にさせることはなかった。
「この試合は伸ばし合いの戦い。ショットをどれだけ(ピンに)つけてという感じで、そこはだいぶ良くなってきた。そのくらいです」。メジャーの「全米女子オープン」と「KPMG全米女子プロ」を挟み、日本ツアーでは6月の「ニチレイレディス」の第2ラウンド途中から続くボギーなしを99ホール連続に伸ばし、2022年に勝みなみが作った87ホール連続を大幅に更新した。
ただ、以前から記録の類には興味はなし。しかも、スタート時の2打差から4打差に広げられての2位。自分を納得させる材料は、4日間で1位だった91.67%のパーオン率が物語るショットの精度アップしかなかった。
五輪代表レースの最終戦となった全米女子プロで2位に入り、逆転でパリ行きの切符を手にした。五輪仕様のキャディバッグも自宅に到着。パリではJGA(日本ゴルフ協会)が用意した一軒家を前線基地にして、両親、妹のファミリー態勢でメダル取りに挑むことになる。
「結果を出せるようにしっかり準備していきたい」。現地には8月に入り、同じコースで1日から始まる男子のゴルフ競技を観戦し、7日の初日に向けて気持ちを高めていく。「男子の試合は一度も見たことがないので楽しみ。一番見たかった試合です。コースもチェックするけど、男子がどんな球を打つのかを見てみたいです」。3年前の東京五輪は稲見萌寧が銀メダルを獲得した。日本ツアーのエースとして乗り込むスポーツの祭典。「メダルを取りたい。取れるようにやるだけです」。
4日間大会のボギーなしは2022年「楽天スーパーレディース」の勝みなみ以来、ツアー史上2人目だった。ボギーなしで優勝できなかった選手はツアー史上32度目で、当然ながら4日間大会では初めて。もやもやを晴らす舞台はパリ。日本には一番輝くメダルを下げて、帰ってくる。(文・臼杵孝志)
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