ウーバーイーツ配達員が見た「置き配禁止」のマンションの共通点【チャリンコ爆走配達日誌】
置き配禁止のルールができたマンションなどを最近よく見かけるようになりました
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第68回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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7月25日、政府は関係閣僚会議で「宅配便の荷物を『置き配』など再配達の必要がない受け取り方法を選択した場合、1配達あたり国が最大5円補助する」ポイント還元事業を10月から実施すると発表しました。
この事業に参加するのはアマゾンジャパン、ヤマト運輸、楽天グループ、佐川急便、日本郵便、LINEヤフーの6社。
私が配達を行なっているウーバーイーツにも置き配サービスはあるものの、メインで運ぶのが食べ物という特性上、再配達はやっていないため、ポイント還元事業とは直接関係はありません。ですが、マンションごとに置き配のルールはさまざまです。
そこで、私がこれまで配達先で見てきたマンションの置き配事情を紹介したいと思います。
ウーバーイーツで置き配サービスがスタートしたのは2020年3月。新型コロナウイルスの感染者数が増え、東京都で週末や夜間に不要不急の外出を自粛してほしいという呼びかけが最初に出された頃でした。
当時はどの配送会社も、置き配サービスどころか「置き配」という言葉すらありませんでした。つまり、置き配というシステムが存在しなかったので、どのマンションでも置き配はOKでした。
ところが、2021年頃から置き配禁止のルールができたところがちらほら出始めました。当初、禁止となったところで多かったのは通路の狭いマンション。ドアの前に置かれた料理と、配達業者が使う台車や住民の方のベビーカーがぶつかって、トラブルとなるケースがあったのでしょう。
続いて増えてきたのが、各フロアの廊下が外部と接していないマンション、特にタワーマンションにこのパターンが多いです。外と直接つながらないことを活かして、夏は冷房、冬は暖房を効かせた快適な廊下なのですが、おそらくフードデリバリーでニンニクがたっぷり入った料理などを頼む人がいたのでしょう。そして、その匂いがこもったのでしょう。こういった建物でも置き配禁止のルールがちらほら見られるようになりました。
最近特に増えているのが、ドア前にいろんなものを置きっぱなしにする人が住んでいるマンション。配達をしていると、ドアの前に家族全員の傘、子供が外で遊ぶときに使うおもちゃ、ゴルフバッグ、自転車などなど、大量のモノがドアの前に出されていて、こちらの商品を置くスペースがないようなお宅に配達することがあります。後日、そういった方が住んでいるマンションへ配達に行くと「置き配禁止」の張り紙をけっこう見かけます。
注文される方の中には、置き配禁止のマンションにもかかわらず置き配を指示する方がいるので、管理事務所の方にどうしたらよいのか尋ねることがあるのですが、そのときに聞くのが「大量に物を置く人に注意しても効果がなかったので、管理会社が置き配禁止のルールを作った」「マンションの管理組合でルールが作られた」という話。これからの時代には欠かせないサービスなのに、マナーの問題で置き配が活用できないのはもったいない話です。
ウーバーでは置き配の場合、商品を所定の位置に置いたあと、スマホのカメラで商品を置いた様子を撮影して「このあたりに置きました」というメッセージとともに注文者へ送信しなければならず少々面倒ですが、直接受け渡しの場合でもインターホンを押してから注文された方が出てこられるまでけっこう時間がかかることも多いので、置き配の方が楽に感じます。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明
記事提供元:週プレNEWS
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