「爆撃の音で起きた」 シリア滞在中に戦争勃発、旅系YouTuberの6日間の脱出行が話題

イチオシスト
旅系YouTuber「はぎたすぴぴぴ」(登録者数2万人)が3月13日、シリア滞在中にイスラエル・アメリカによるイラン攻撃が勃発し、中東から6日間かけて帰国した一部始終を収めた動画を公開しました。
旅系女性YouTuber
はぎたすぴぴぴは「みんなの最寄りのクレイジージャーニー」を自称し、予定を立てずに現地で仲間を見つけるスタイルの一人旅を発信している女性YouTuberです。筑波大学大学院社会工学修了の経歴を持ち、これまで累計90カ国以上を訪問。特に中東地域への渡航経験が豊富なことで知られています。
2月28日、イスラエルのネタニヤフ首相はアメリカとの共同作戦「ライオンの咆哮」の開始を発表。イランへの軍事攻撃が行われ、これに対しイランも中東各地の米軍基地への報復攻撃を開始しました。湾岸諸国が相次いで空域を閉鎖し、1万1000便以上が欠航するなど、中東全域の航空網が事実上マヒする事態に陥りました。外務省もイスラエル全域の危険レベルを引き上げ、中東情勢の緊迫化に伴う注意喚起を発出しています。
朝食中にミサイル攻撃の一報、30分後にはダマスカス空港が封鎖
動画は2月28日の朝、はぎたすがシリアの首都ダマスカスのホテルにいるシーンから始まります。
はぎたすは、ヨルダン在住の友人からの連絡で攻撃開始を知り、「30分前にアメリカのイランの攻撃が始まったみたいで、もう今日の夜、多分空域が封鎖されて中東から出れなくなる」と、緊迫した様子でカメラに語ります。
すぐに飛行機を手配しようとしたものの、ホテルスタッフに確認したところ、すでにダマスカス空港の全フライトがキャンセルされ、空域が封鎖されてシリアから出国できない状況になっていたといいます。当初予定していたサウジアラビア・香港経由の帰国便も使えなくなり、陸路での脱出を即決しました。
陸路ヨルダンへ
ホテルが手配したシェアタクシーで、隣国ヨルダンの首都アンマンを目指すことにしたはぎたす。60ドル(約9500円)という運賃に、「普通にめっちゃ高いんだけど、もうそんなこと言ってる場合じゃない」と語りながら、大急ぎで荷物をまとめます。
そして約6時間かけて無事にアンマンに到着したものの、安堵する間もなく新たな情報が飛び込んできました。はぎたすは、「ロケット弾の破片はアンマンのマジュルアルハマム地区に落下した」「18分前にヨルダンの米軍基地にミサイル攻撃されてる」と、逃げ込んだヨルダンも攻撃を受けているというニュースを読み上げ、不安な表情を見せます。
「シリアにいたのが危なかったっていうか、今中東全体が結構緊迫してて」と状況を分析し、ヨルダンから紅海を渡ってエジプトに向かう計画を立てました。
アンマンからアカバへ南下、紅海を渡りエジプトへ
アンマンのATMで現金を引き出し、バスチケットを購入。約4時間半の移動を経て、ヨルダン南端の港町アカバに到着しました。アカバ在住の友人と再会し、フェリーの手配や情報面での協力を得ます。
その日はアカバで1泊したはぎたす。翌3月1日の早朝、ミサイル6発の爆発音で目を覚ましたそう。アカバの目と鼻の先にあるイスラエル領エイラートにミサイル攻撃があったらしく、はぎたすは「えぐい爆撃の音で起きた」「ヒューから爆撃の音までめっちゃ聞こえた」と、恐怖を生々しく伝えています。
実際、動画内でもミサイルと思しきゴ―という音や、空襲警報が鳴る様子が紹介されました。この日はぎたすは10回以上空襲警報を聞いたといい、海辺でコーヒーを飲みながら、「聞き慣れた空襲警報をBGMに海沿いコーヒーチル」と記しました。
その夜は、アカバからエジプトのヌエバへ向かうフェリーに乗船します。港はヨルダンから脱出しようとする外国人でごった返しており、2時間半の遅延を経てようやく出航しました。船内では、同じく脱出を図る旅行者たちと情報を共有し、カイロ経由ではなくシャルムエルシェイクからウズベキスタンへの直行便が安く出ていることを発見。カイロから飛ぶ飛行機が、情勢緊迫のためか23万円もしていたのに対し、この便は約4万7000円という安さで、はぎたすはチケットを即座に確保しました。「命に変えられないから結局払うつもりではいた」という言葉に、当時の切迫した心境がにじみます。
6日かけて帰国
ヌエバ到着後は、約200人の乗客の名前を一人ひとり呼んでパスポートを返却するという流れだったため、長時間待たされることに。混乱の中、乗客同士の殴り合いの喧嘩が目の前で発生します。
はぎたすは、バスでエジプトのシャルムエルシェイクに移動。1泊した後、セントラム航空でウズベキスタンのタシュケントへ。到着後は空港のベンチで1泊した後、さらにウズベキスタン航空でタジキスタンのドゥシャンベに移動し、中国南方航空で北京を経由して羽田に帰国するという、4カ国を経由する大回りのルートを辿りました。
はぎたすが帰国に要したのは6日間。「本当にヘトヘトで、もう最後何? 昨日とか空港泊で、昨日は機内泊。結構体力的にしんどかったけど無事乗り越えて帰って来れてよかったです」と、安堵を語って動画を締めくくりました。
この動画は現在までに約69万回再生されており、はぎたすがこれまで投稿した動画の中で最多再生となっています。コメント欄では、「本物の緊急で回してる動画やん」「こんなに美しい街や優しい人達が戦争に巻き込まれるの悲しい」「大変な中シリア人すごい親切! 切に平和を願う!」といった声が寄せられています。
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記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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