ベースの拡大でプロ野球が変わる?【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第206回
イチオシスト

ベースの拡大について語った山本キャスター
プロ野球では今シーズンから拡大ベースが採用されます。簡単に言うと、1塁~3塁のベースが従来の約38センチ四方から、約46センチ四方へと大型化されます。一辺が約7.6センチ広がることで塁間が約10~15センチ短くなります。
ベースが大きくなる分、足からスライディングするよりも、ヘッドスライディングのほうが野手がタッチしにくくなります。盗塁成功率アップにつながる可能性があるということで、キャンプでヘッドスライディングの練習をするチームも増えているようです。
プロ野球に先立って拡大ベースを導入したMLBでは、盗塁数の増加が証明されています。拡大ベースが導入されることで、盗塁成功率が上昇することは間違いないでしょう。
MLBで拡大ベースが導入された2023年には、ロナルド・アクーニャJr.選手が73盗塁を記録しました。この数字は、投手の牽制や盗塁阻止率が向上した現代においては脅威の数字でした。前年のナショナル・リーグの最多盗塁が41だったことからも、その数字がいかに傑出したものかわかるでしょう。
ただ、この数字は拡大ベースだけの影響とは言い切れません。同年のMLBでは「ピッチクロック」「牽制球の制限」も導入されたからです。あらゆる要素が複雑にからみあった影響で、一気に盗塁が増加したのでしょう。
ルールをドラスティックに変革させる感じは、いかにもメジャーだなと思います。ベースの拡大が、野球というスポーツにどんな影響を与えるのか。今年のプロ野球は、貴重なデータ採集の場となるはずです。

多少の雨ならフードでどうにかしたい派の山本です。
その影響は盗塁数にとどまりません。まず予想されるのが、守備の変化です。
たとえば、牽制のシーン。これまででは、牽制を捕球する野手はベースに足をつけていました。しかし今シーズンは、牽制が予想されるシーンで野手がベースに足をつけなくなることが予想されます。
ベースが拡大することでタッチから逃げるスペースが増えるため、ランナーをベース上でタッチする難易度が高くなる。そうなると、ベース上でランナーの手にタッチするより、腰をタッチするほうがアウトにできる確率が高まるはずです。走者のリードは大きくなるでしょうから、スリリングなシーンが増えるでしょう。
盗塁が増えると、リクエストも増える可能性がありますから、その重要性も高まるかも。ベースが大きくなったことで、審判もタッチできているかどうか見やすくなる側面もあるかもしれません。
拡大ベースの導入は、チームの方針に大きな影響を与えるでしょう。ヤクルトのキャンプを見ていても、「足を使いたい」という狙いが伝わってきます。
ベースがほんの数センチ大きくなった。「それだけで何かが変わるの?」という印象もあるかもしれませんが、その数センチがチームの勝敗、選手の運命を左右することになるかもしれません。
ベースの拡大で"笑う"チームはどこでしょうか。開幕が楽しみです。
それでは、また来週。

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
記事提供元:週プレNEWS
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