高級竿に“値段の理由”はあるのか。実際に使って確かめてみた
ずっと気になっていた“高級船竿”の世界へ。今回選んだのは、ライトアジ専用の人気モデル『極鋭ライトアジ 165テク』。果たして高い竿は本当に違うのか?実釣を通して見えてきた“値段の理由”を詳しく解説します!
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高い竿って本当に違うの?気になる疑問を検証!

釣りをしていると、誰もが一度は「高い竿って、やっぱり違うのかな?」と思ったことがあるはず。
ルアー竿ではハイエンドモデルを選ぶことが多い筆者ですが、和竿を除いたカーボン製の船竿は、これまで3万円以下のモデルを使うことがほとんどでした。
そんな筆者が、ついに気になっていた“高級な船竿”を手に入れました。
ダイワ 極鋭 ライトアジ 165テク

筆者が購入した高級船竿は、定価で5万円を超える『極鋭 ライトアジ 165テク』。
ライトアジ専用モデルとして、マニアのあいだでも高い評価を得ている人気シリーズです。
近年のライトアジは、「待ちの釣り」ではなく、積極的にアタリを作り出す“攻めのスタイル”が主流。
そのスタイルに合うロッドを探していて、“圧倒的な感度”と“操作性”に定評のある本製品にたどり着きました。

スペックは、SMT(スーパーメタルトップ)

AGS(エアガイドシステム)を搭載し、ライトアジ用としては珍しい8:2の先調子です。
【実釣インプレ】実際に使って感じた違い

ここからは、ライトアジ実釣で体感した“高級竿の違い”を解説していきます。
ー 山下 ー
はたして“値段に見合う性能”は本当にあるのか——。
船上で得たリアルな印象をお伝えします!
一番驚いたのは感度の高さ

実釣でもっとも驚いたのは、その感度の高さです。
SMTとAGSの恩恵か、手感度、目感度ともに今まで使ってきた竿とは大違い。
居食いのように、重さがかかるだけのモタれもはっきりと伝わります。
この繊細なアタリがわかるようになると、アタリの総数が増え、必然的に釣果数も伸ばせると感じました。

また、仕掛けのどの針に食ったのかもわかりやすくなり、多点掛けも容易に。
上針であれば仕掛けを少しずつ上げて追い食いを狙い、下針であれば回収してすぐに入れ直す。
この一連の動作がスムーズになり、タイムロスが減って、より効率的な数釣りが可能になりました。
細かな操作を行える調子

船からのアジ釣りというと、バラシを減らす柔らかい竿を好む人も多いかもしれません。
しかし、この竿は、それとは対極にある先調子に設定されています。
先調子が活かされる場面は、仕掛けを操作するとき。
硬さのあるバットでしっかりとビシをしゃくれるため、細かな動きでも十分にコマセを撒けます。
思った通りにビシが動いているイメージがあり、ビシが無駄に暴れている感もありません。
これなら、アジがビシの動きを嫌ってなかなかヒットしない状況でも、釣果を伸ばせそうです

また、フッキングの際は、竿をわずかに立てるだけでOK。
小さな動きでも確実にフッキングが決まり、仕掛けのブレを抑えてタナにしっかり留められます。
そのため、追い食いを狙いやすくなり、結果的に数も伸ばしやすくなりました。
ブレが少ない

操作をしている際に感じたのは、竿全体のブレが少ないこと。
AGSの恩恵で軽量になっているためか、とくにビシをしゃくったあとに穂先がブレにくい印象です。
ライン引き釣法では、ビシをしゃくっている最中にアタリが出ることがあります。
以前使っていた柔らかいロッドでは、穂先の動きが収束するまでにわずかながらに時間がかかり、アタリがわかるまでワンテンポ遅い印象でした。
この竿を使うようになってから、アタリがより早く鮮明にわかるようになりました。
軽くて疲れ知らず

自重が84gで、ライトアジに対応する竿としてはかなり軽量。
筆者が使用するアドミラ A 150XHと合わせると、タックル全体の重量は260gほどと超軽量で軽快に使用できます。
筆者は午前・午後の通し便で乗船することも多いですが、そんなときでも疲れ知らずです。
重たいタックルを使用しているときには疲れて、一瞬手が止まる時間がありました。

渋い時間帯でも集中力を保てるため、結果的に釣果を伸ばせます。
その結果、周りの人がなかなか釣れない状況下でも、ポツポツと釣果を伸ばし、差をつけるといった場面が多々ありました。
リールシートが手に馴染んで快適

細かな部分ではありますが、リールシートが手に馴染むのも印象に残りました。
まさに手に吸い付くような握り心地で、ストレスゼロです。
また、トリガーの位置も絶妙で、手の痛みはゼロ。
以前は、1日釣りをすると中指と薬指の間が痛くなることがありましたが、この竿に変えてからはそのトラブルがなくなりました。
ー 山下 ー
感度や操作性はもちろん、アングラーへの負担も軽減している。
細かな部分まで気が利いているのが、高い竿ならではの魅力です。
高級竿を使ってみて意外だったポイント

高級竿を使ってみて感じたのは、「丁寧に扱おうとする意識」が自然と芽生えるということ。
繊細なブランクスやガイドを見るとつい慎重になり、無意識のうちに置き方や取り回しにも気を配るようになります。
その結果、竿の扱い方を自然と覚えられるという大きなメリットがある一方、アタリが連発する状況では、わずかな“ためらい”がタイムロスになることもあります。

とくに手返しの速さが求められるライトアジでは、気を使いすぎてテンポを崩すこともありました。
とはいえ、丁寧に扱う意識が身に付くのは確かなことで、結果的には道具を長持ちさせることにもつながります。
ー 山下 ー
“高い竿だからこそ、自然と上達を促してくれる”——そんな発見がありました。
「高級竿は“釣りを深めるきっかけ”だった」

『極鋭ライトアジ 165テク』を使ってみて感じたのは、当たり前ではありますが、高級竿は実釣性能が非常に高いということ。
繊細なアタリを確実に捉えられるようになり、魚の動きや仕掛けの挙動をより意識するようになりました。
その結果、アジ釣りという身近なターゲットでも、奥深さや面白さを再発見できた気がします。
価格以上の満足感、そして新しい発見。
高級竿は、釣りを“上達させる”ための道具というよりも、釣りをより深く味わうためのきっかけだと感じました。
極鋭ライトアジ 165テクダイワ

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