大逆転シナリオも見えてきた 西村優菜が10位で最終日へ「最後まできっちり、丁寧に」
イチオシスト
<アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン 3日目◇15日◇ペリカンGC(フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
6バーディ・3ボギーの「67」。西村優菜が2日目の「64」に続いてスコアを伸ばし、トータル7アンダー・10位タイに浮上した。ポイントランキング127位で迎えたシーズン最終戦。目標は変わりないが、大逆転のシナリオも思い描ける位置で最終日へと向かう。
「1番はバーディが取れるホールですけど、やっぱり2番が大きかった。そこでいいショットが打てたのはちょっとした自信になりますね」。グリーンがお椀状になっていて、落としどころは「畳一畳分。縦距離5ヤードしかない」という難関ホール。それなのに、残り173ヤードのアゲンストで、7番ウッドを握るしかない。
「とにかく球筋を決めて、球の高さを決めて。あとはやりきる。すごく狭く見えたけれど完ぺきに近いショットが打てました」。ピン左4メートルにつけて、スライスラインを決めてバーディ。同組のブルック・ヘンダーソン(カナダ)、ハナ・グリーン(オーストラリア)は西村より近い位置からアイアンで打ち、グリーンに乗らなかった。外から打つシチュエーションで先にプレッシャーをかけていく。“西村優菜らしさ”が光り始めている。
8番をボギーにしても、9番パー3ですぐに取り戻す。「このバウンスバックは今年やってきた“一打一打集中する”っていうのがつながった場面。うれしかったし、次につながる一打だった」。小さく握った拳とともに後半へ。最終18番では7番ウッドで池越えすぐのピンを直撃し、バーディ逃しのパー。トップ10に名前を載せた。
2日目はパー70ながら米ツアー自己ベストに並ぶ好スコア。ムービングデーもスコア、順位をともに伸ばし、手ごたえを確実に蓄積させている。「ビッグスコアが出た後なので、(きょうは)違った感触もあるかなとか思っていたけれど、いい立ち上がりで入れた。メンタル面はうまく切り替えながらできていた。けっこういいゴルフだった」。
今大会終了後のポイントランキングに基づき、来年の出場カテゴリー(出場優先順位)が決定する。127位はカテゴリー19で下層となるが、予選通過ができたことで101~125位のカテゴリー16に入ることはできそう。その次は81~100位のカテゴリー11が、西村にとってのボーダーラインになる。
そこに入るためには単独6位に入ることが最低条件。それを逃せば、カテゴリー15を得られるQシリーズ(米最終予選会、12月4~8日/アラバマ州)に出場する必要がある。ただ、この最終戦での“一発逆転”のシーンも見えてきた。
それでも、本人の気持ちはこれまでと変わらない。「Qスクールに向けて、っていうところは正直変わらない。最後にいいラウンドをしたいし、いまは一打一打集中することができている。それを最後まできっちり、丁寧にできたら」。穏やかな表情でラスト18ホールを待つ。(文・笠井あかり)
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