“教える時間”も惜しまぬゴルフ愛 2戦連続トップ5入りの石川遼は今季初Vへ
イチオシスト
<ACNチャンピオンシップ 事前情報◇5日◇三木ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7004ヤード・パー71>
大会前日のプロアマを終え、取材エリアに顔を出す予定だった石川遼は関係者に「10分だけ時間をください」と告げるとバンカー練習場に向かった。目的は自身の練習ではなく同伴のアマチュアのレッスン。身振り手振りを交え、自ら手本を示し、時にはスマホでアマチュアのスイングを撮影、球拾いも買って出る。10分どころか、15分、20分とレッスンは続いた。
しばらくして取材エリアに現れた石川は報道陣を待たせたことを少し申し訳なさそうに「ゴルフライフを楽しんでほしいんです。でも、教えるのって難しいですね」。自分のことだけでなく、ゴルフとなると周囲のことも気になって仕方がない。いつまでも変わらずにゴルフが大好きなんだなと思わせる一幕だった。
もちろん、石川にとってゴルフは職業でもある。今季は8月までトップ10入りが一度もなかったが、9月以降の国内ツアーは出場6試合で4度のトップ10入り。先週の「フォーティネットプレーヤーズカップ」も5位と上り調子だ。
「自分の状態は維持できているんですけど、今週は自分にとって難しいコースだなと感じています」。ティショットでドライバーを持つか、アイアンを握るか、判断を迷うホールが複数あることが難しさを感じているポイント。「どちらを選んでもうまくいかないというか、イメージがはっきりしない。設計者が意図しないワナに勝手にはまっている感じがします」と苦笑いした。
他の選手がどんな選択をするのかを気にしつつも、それを気にし過ぎないと決めている。予選落ちした昨年は予選2日間、優勝者の金谷拓実と同組でプレー。「拓実はフェアウエーキープ率の高い選手でドライバーを振り抜いてバーディを取る場面を何度も見たんですけど、自分のスキルで一番いいスコアで回るには違う攻め方になる。今はそういう考えに落ち着いています」。
今年の予選ラウンドもそれぞれに独自のスタイルを持つ平田憲聖、片岡尚之と同組。「素晴らしい組に入れてもらって、楽しいラウンドになることは決まってるんですけど、そのなかで自分のゴルフをやり切る精神力が求められているな、そこがキーになるかなと思っています」。ときには大好きなゴルフを楽しみつつ、これまでの経験を生かしたマネジメントで今季初優勝を目指す。(文・田中宏治)
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