ジャパンモビリティショーでJR東日本が飛ぶ!! 「鉄道×空飛ぶクルマ」で鉄道4社が共演(東京都江東区)
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「ワクワクする未来を、探しに行こう!」をコンセプトに、国内最大規模の自動車展示会「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー)2025」が2025年10月29日から、東京都江東区の東京ビッグサイトで始まった。一般公開は10月31日~11月9日の10日間。日本自動車工業会が主催する。
隔年開催で、長く続いた「東京モーターショー」のタイトルを、前回の2023年から広義の移動を表現するモビリティに変更した。今回は過去最高の517社・団体(主催者発表)が出展する。
6輪ホイールの高級ミニバンや、中国のEV(電気自動車)大手が軽自動車規格車で日本進出といった話題は自動車メディアに任せ、鉄道ファンなら訪れたいのが「トーキョーフューチャーツアー2035」(西2ホール)だ。
10年後の生活や景色を体験できる未来ツアープログラムで、鉄道業界からはJR東日本が参加する。前回は「水素ハイブリッド電車FV-E991系『HYBARI』」をビッグサイトに持ち込んで来場者の度肝を抜いたが、今回テーマは「鉄道×空飛ぶクルマ」。
ブースには自動改札機と駅名票
パートナーは愛知県豊田市に本社を置くSkyDrive(スカイドライブ)。2014年創業のスタートアップで、社名と同じ空飛ぶクルマ「SkyDrive」の開発に取り組む。
スカイドライブには鉄道業界が期待。JR東日本のほか、JR九州、近鉄グループホールディングス、Osaka Metro(大阪メトロ)の各社と資本提携。ブースにも提携各社のフライトメニューが並ぶ
JR東日本が構想するのは、鉄道と空をつなぐ新たな移動の実現。「地域の抱える移動課題の解決につながる可能性を秘める」(2025年7月の提携発表時の喜勢陽一社長のコメント)とし、2026年春に岩手県雫石町への開業を予定する高付加価値型ホテルでのモビリティ体験を構想する。
JR九州は別府~湯布院など大分県内の飛行ルートを想定。近鉄は伊勢志摩エリア、大阪メトロは大阪市内4カ所を結ぶ「大阪ダイヤモンドルート」を計画する。
モビリティショーには実機を展示。ゲートは自動改札機、ボードは駅名票仕様と、電車並みの気軽さで乗れる空飛ぶクルマを来場者にイメージしてもらう。

実験線が完成した自走式ロープウェー
新興企業が未来のクルマを提示する、「スタートアップフューチャーファクトリー」(西2ホール)にも注目企業を見付けた。福島県南相馬市に本社を置く「Zip Infrastructure(ジップインフラストラクチャー)」。自走式ロープウェーを開発する。
ロープウェーの名称は「Zippar(ジッパー)」。高架のレールにモーターで自走する駆動体を自走させ、駆動体から12人乗りのゴンドラを吊り下げる。ジップ社によると、建設費は1キロ当たり10~20億円。モノレールの5分の1程度、路面電車の3分の1程度の低コストが売りだ。

モビリティショーの展示は模型ながら、南相馬市では実験線の一部が2025年9月末に完成した。
ジップインフラストラクチャーは、慶応義塾大学発のスタートアップで2018年創業。試験線は、ロボット開発や実証実験拠点の「福島ロボットテストフィールド」隣接地に敷設された。
このほか会期後半の11月6~9日には、JR東日本発のスタートアップ・CaLtaも「スタートアップフューチャーファクトリーに出展する。
記事:上里夏生
記事提供元:旅とお出かけ 鉄道チャンネル
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