年末年始に『サンライズ出雲・瀬戸』の予約を取る6つのワザ
イチオシスト
日本で唯一、定期運行している寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」は非常に人気が高く、なかなか予約が取れません。まして、お盆や年末年始などの繁忙期ともなれば、それなりに準備しないとチケットを確保するのは難しいでしょう。そこで今回は、年末年始にサンライズ出雲・瀬戸の座席を確保するための6つのワザを紹介します。

【目次】
そもそも「サンライズ出雲・瀬戸」ってどんな列車なの?
「サンライズ出雲・瀬戸」にはどんな客室がある?
【1】「e5489」でネット購入する、ノビノビ座席なら事前予約も……
【2】みどりの窓口で10時に予約(10時打ち)する
【3】e5489でキャンセル待ちを狙う
【4】競争率が低めの「上り列車」「瀬戸」「喫煙」を選択する
【5】旅行会社のツアーを利用する
【6】最終手段「ヤフオク!」で落札する
まとめ
そもそも「サンライズ出雲・瀬戸」ってどんな列車なの?
「サンライズ出雲・瀬戸」は、毎日運行している日本で唯一の夜行列車。サンライズ出雲は東京駅~出雲市駅間を、サンライズ瀬戸は東京駅~高松駅(琴平)間を結んでいます。
東京駅を出発する下りは、出雲と瀬戸が併結されて14両編成で運転され、途中、岡山駅で切り離されます。その後、サンライズ瀬戸は瀬戸大橋を通って高松駅へ、サンライズ出雲は伯備線経由で出雲市駅へ進みます。
上りは、それぞれが高松駅と出雲市駅を出発したあと岡山駅にて併結を行い、一緒に東京駅に向かうようになっています。


運行時間は、下りが東京駅を21時50分に出発して出雲市駅には翌朝10時に、高松駅には翌朝7時27分に到着します。上りは出雲市駅を18時57分に、高松駅を21時26分に出発したあと、一緒に翌朝7時8分に東京駅に到着します(2025年11月現在)。


なお、サンライズ出雲と瀬戸の運行本数はいずれも上下とも1本ずつしかありませんが、サンライズ出雲のほうはお盆や年末年始の繁忙期には臨時便も出ます。
2025年の年末年始は、下りのサンライズ出雲91号が12月30日と1月4日に、上りのサンライズ出雲92号は12月29日と1月3日に運行されます。
このようなサンライズ出雲・瀬戸ですが、いったいどうすればチケットを確保できるのでしょうか?
「サンライズ出雲・瀬戸」にはどんな客室がある?
サンライズ出雲・瀬戸にはさまざまな客室が用意されていますが、予約の際にはあらかじめどの客室にするのかを決めておく必要があります。
まず、もっともスタンダードな一人用個室がB寝台の「シングル」。キャリーバックを置くスペースもあり、上段はラウンドした窓から夜空を楽しめます。一人で乗るなら部屋数も多いのでもっとも予約が取りやすいでしょう。寝台料金は7,700円です。

次に、B寝台の「ソロ」も一人用個室ですがシングルよりは狭く、寝台料金は6,600円。上段はラウンドした窓があり解放的で荷物置きもありますが、下段はかなり閉塞感がありキャリーバックなどは置けません。室数は少なめですが、シングルのほうが人気なので比較的取りやすいと思います。

B寝台には、2人利用も可能な上下2段の「シングルツイン」もあります。寝台料金は9,600円ですが、2人利用時は5,500円追加されて1万5,100円となります。ただし、8室しかないので競争率はかなり高め。

2人用寝台は「サンライズツイン」で、ベッドが横に2つあるツインルームになります。寝台料金は1万5,400円(2人分)ですが、4室しかないのでもっとも競争率が高いレア寝台になります。

一人用A寝台「シングルデラックス」は、ベッドのほかにデスクや洗面台もある豪華な客室。寝台料金は1万3,980円で6室しかないので、こちらもなかなか取れないレア客室です。

ほかにも、サンライズ出雲・瀬戸にはフェリーの雑魚寝席のような「ノビノビ座席」があります。こちらは上下2段のカーペット敷で個室ではありません。
寝台料金は不要で指定席(530円)のみで乗れるため、かなりリーズナブルですが、豪華な夜行列車というイメージはまったくありません。席数は28席です。

一口にサンライズ出雲と言ってもこれだけの客室がありますので、初めてだと悩んでしまうかもしれませんが、部屋数が少ないシングルデラックス、サンライズツイン、シングルツインは、平日でも非常に取りにくくなっています。
繁忙期の狙い目は、やはりB寝台のシングルかソロ。あるいはノビノビ座席ということになるでしょう。
なお、サンライズ出雲のB寝台シングルの料金は寝台料金の7,700円に加え、東京駅~出雲市間の運賃が1万2,210円、特急料金が3,300円(繁忙期は200円〜400円増)かかりますので、合計では2万3,210円前後になります。
【1】「e5489」でネット購入する、ノビノビ座席なら事前予約も……
サンライズ出雲・瀬戸のチケットは、JR西日本のネット予約サービス「e5489(いーごよやく)」で購入できます。
通常は1カ月前から購入可能ですので、たとえば12月30日のチケットは11月30日の朝10時ジャストからネットで購入できます。
とはいえ、繁忙期の場合は朝10時を迎えた瞬間アッという間に売り切れてしまうので、もし購入できたらかなりラッキーです。実際、筆者は過去数年間年末のチケットは1度も取れたことがありません。
●【公式】JR西日本「e5489」は→こちら
e5489で1カ月前に予約する手順


また、ノビノビ座席は指定席扱いのため、1カ月+1週間前に事前予約の申し込みも可能です。事前申込をすると、通常予約ができる1カ月前の午前10時過ぎにメールで当落通知が届きます。
もちろん、繁忙期は申し込み数が多く必ず抽選になるため、確実に予約が取れるわけではありません。筆者も毎年ハズれていますので、1カ月前の予約も並行して行ったほうがいいでしょう。
もし、予約がダブっても出発日の2日前までなら340円の手数料でキャンセルできます。
ノビノビ座席を事前予約する手順


なお、首都圏の人がJR西日本の予約サービス「e5489」で予約した場合、チケットの発券はJR東日本でも東京都区内の主な駅の「指定席券売機」や「みどりの窓口」で可能です。
チケットの発券にはe5489に登録したクレカが必要になり、クレカに紐づいた予約が自動的に表示されますので、画面に従って購入手続きをしていけば大丈夫です。

【2】みどりの窓口で10時に予約(10時打ち)する
サンライズ出雲・瀬戸のチケットを取る正攻法はみどりの窓口での、いわゆる「10時打ち」です。
これは、1カ月前の予約開始日の朝10時ジャストにみどりの窓口で予約してもらうこと。JRの指定席予約システム「マルス」を使うので、高確率で購入できると言われています。
ただし、ここ数年で都内にあるみどりの窓口は激減しているうえ、10時打ちに対応する駅も少なくなりました。
首都圏では山手線のかなり大きな駅でしか10時打ちを行っていませんので、事前に調べておいたほうがいいでしょう。
もちろん、朝10時に駅に行っても10時打ちはしてもらえません。駅ごとで異なりますが、早朝から待機列に並び、一巡目でやってもらえないと繁忙期の予約は無理だと思います。

また、10時打ちをお願いするときは事前に駅にある用紙に希望日、列車名、区間、座席の種類などを記入しておきましょう。その際、シングル・ソロ、禁煙・喫煙、上段・下段といったリクエストも記入しておきます。
なお、10時打ちはあくまでも各駅ごとで独自に行っているサービスです。駅員さんや周囲のお客さんに迷惑になるような行為は慎んでください。
【3】e5489でキャンセル待ちを狙う
e5489やみどりの窓口でサンライズ出雲・瀬戸のチケットが買えなくても、まだあきらめてはいけません。
チケットを購入した人のなかには、何らかの事情で払い戻しする人がいるため、そのチケットを狙うのです。いわゆる「キャンセル待ち」です。
みどりの窓口にフラっと行ったら取れたという人もいますが、これはかなり幸運な人。
現在は、スマホからe5489でキャンセル待ちができるので、毎日、時間の空いているときこまめにチェックするのがポイントです。
本当はあまり教えたくないのですが、実は筆者も毎年この方法で年末のサンライズ出雲のチケットを確保しています。
とくに、数の多いシングルやソロ、ノビノビ座席などは出やすいので、とにかく、こまめにチェックするのがポイントですよ。
キャンセル待ちで予約する手順(スマホ)


【4】競争率が低めの「上り列車」「瀬戸」「喫煙」を選択する
どうしてもサンライズ出雲・瀬戸を予約したいのなら、東京へ帰る行程(上り)でサンライズ出雲や瀬戸に乗車してみるのも手です。
実は、サンライズ出雲・瀬戸は東京駅を出発する下り列車のほうが人気が高く、出雲市駅や高松駅を出発して東京駅を目指す上りのほうが競争率は低めなんです。
サンライズ出雲の上りは出雲市駅を18時57分に出発し、サンライズ瀬戸の上りは高松駅を21時26分に出発。その後岡山駅で併結され、いずれも東京駅には翌朝7時8分に到着します。

また、サンライズ出雲と瀬戸では「出雲」のほうが乗車距離や時間が長いため、「より長く楽しめる」として鉄道ファンには人気があります。
とくに今年は、NHKの朝ドラ『ばけばけ』で松江や出雲が注目されているので、その傾向が強くなるかもしれません。
ちなみに、通常のサンライズ瀬戸の下りは9時間半ほどかかりますが、出雲の下りは約12時間。さらに、臨時便は15時間くらいかかります。
というわけで、サンライズに乗りたいということなら、出雲より瀬戸のほうがチケットが取りやすいかもしれません。

なお、サンライズ出雲・瀬戸の車両には「禁煙」と「喫煙」があります。喫煙車の通路はたばこ臭がするので避ける人が多いのですが、実は室内はそこまでたばこ臭がしません。もし、それが気にならないようなら競争率の低い喫煙を狙うのもアリでしょう。
ちなみに、喫煙できる列車は今ではサンライズ以外ほぼなくなってしまったので、喫煙できる列車ってかなりレアなんです。

【5】旅行会社のツアーを利用する
実は、旅行代理店ではサンライズ出雲・瀬戸を利用したツアーも用意されています。みどりの窓口での10時打ちやe5489でチケットを予約するのが面倒だと思う人は、このようなツアーを利用するのもアリでしょう。
旅行会社がツアー参加者を募って成立すれば、さほど苦労せずサンライズ出雲に乗ることができます。
オススメなのは、やはり大手の近畿日本ツーリストや阪急交通社あたり。こちらはツアー回数が多く、比較的予約が取りやすいようです。
●近畿日本ツーリスト「寝台列車「寝台特急 サンライズ出雲」(ツアー)」は→こちら
●阪急交通社「「サンライズ出雲ツアー 東京発」に関するツアー情報」は→こちら
1カ月以上前からツアーの予約ができるため予定も組みやすいのですが、自分で予約するよりも割高になってしまうのがデメリット。予算に応じて検討するとよいでしょう。

【6】最終手段「ヤフオク!」で落札する
「e5489」でも「みどりの窓口の10時打ち」でもダメだった場合は、最後の手段として「Yahoo!オークション」でチケットを購入する方法もあります。
「転売された割高なきっぷを紹介するのはどうか」という意見もありますが、どうしても乗りたい場合は検討する価値はあるでしょう。
とくに12月30日出発は、サンライズ出雲の臨時便が出るため、比較的出品数が多いのが特徴。
当然、シングルは数千円ほど高く落札されますが、運が良ければ不人気の「ソロ」などは2,000円以下の上乗せで購入できる場合もあります。
上乗せ分は、早朝から10時打ちで何時間も並ぶ“手間賃”だと考えれば、納得できるかもしれません。
ただし、出品者のチケット購入方法が「現金」か「クレカ」かは重要です。クレカで購入したきっぷの払い戻しには、そのクレカが必要になるため、ヤフオク!で落札したチケットが万一不要になったときは払い戻しができません。注意してください。

まとめ
いかがでしょうか? サンライズ出雲・瀬戸は唯一の定期運行寝台特急ということもあって、繁忙期はなかなか予約を取ることができません。
しかし、事前に複数の購入方法を知っておけば、チケットを確保する確率を少しは上げられるでしょう。
筆者は毎年年末の東京発下りのサンライズ出雲に乗っていますが、「e5489」の1カ月前予約でチケットが取れたことはありません。結局、毎回「e5489」のキャンセル待ちで予約を取っています。
また、年始のサンライズ出雲は「10時打ち」「e5489」「喫煙」「上り列車」の条件なら、予約できなかったことはありません。
なお、サンライズ出雲・瀬戸の車両はすでに製造から28年も経過し、老朽化が心配されています。鉄道好きなら今のうちにぜひ乗っておいたほうがいいでしょう。
記事提供元:スマホライフPLUS
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