誹謗中傷の加害者の心理とは? にじさんじ運営会社が公開した「意識調査」が大反響

イチオシスト
VTuberグループ「にじさんじ」(登録者数151万人)を運営するANYCOLOR株式会社が22日、所属タレントに対する誹謗中傷行為を行った人物に対する書面での意識調査を公開し、話題となっています。
意識調査の結果を公表
2024年6月、ANYCOLOR株式会社は公式Xにて、にじさんじ所属のVTuber「甲斐田晴」(同61万人)に対する極めて悪質な誹謗中傷行為・荒らし行為を行った人物に対して損害賠償請求を提起したことを公表。警察への被害届も受理され、同年12月、該当する人物が業務妨害罪で東京地方検察庁へ書類送検されたことを報告していました。
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今月22日、ANYCOLOR株式会社はXにて「当社所属ライバー『甲斐田晴』に対する極めて悪質な誹謗中傷行為・荒らし行為等への対応結果について」をポスト。該当人物(以下対象者)について、「書類送検された対象者は、その後、管轄裁判所において罰金刑を言い渡されました」と報告しました。民事責任については「損害賠償金を支払うこと」「所属ライバーに関するインターネット上での投稿を行わないこと」などを内容として和解が成立したとのことです。
また、同社は
悪質な誹謗中傷行為や荒らし行為などが後を絶たない現状を踏まえ、これらの行為がなぜ発生してしまうのか、その根本的な原因や背景を当社として多角的に理解することが、誹謗中傷行為等への効果的な対策を講じていくうえで不可欠である
として、裁判上の和解の条件として対象者に対する書面での意識調査を実施。さらに、
回答結果に現れた対象者自身の内面にある動機・心理状態、過去の経験・環境等、対象者が誹謗中傷行為等を行ってしまうに至った原因・背景及び誹謗中傷行為等の結末を、多くの方々にもご認識いただき、ひいては、大きな社会問題である誹謗中傷行為等の根絶に向けた意見形成の一助となることを期待しております。
とし、対象者の承諾を得た上で意識調査の結果を公表しました。
「強い承認欲求とストレスにより精神的に不安定だった」
意識調査の中で対象者は、荒らし行為や危害予告を行った理由として
配信者様とリスナー様の距離が比較的近い界隈のため、自分の好きなライバー様 との距離感を一方的に縮めようとしてしまいました。その背景には、強い承認欲求と日頃のストレスがあり、精神的に不安定な状態でした
と綴っていました。責任追及される可能性を認識していたかについては「当時も漠然とではありますが認識しておりました」としつつ「精神的な不安定さにより、その認識が薄れ、行為を止めることが出来ませんでした」と当時を振り返っています。
荒らし行為などを行っている間は「皆様が困惑し、不快な思いをされているのを見て、今では最低と自覚するほど卑劣な感情を抱いておりました」と告白。「自身の暴走した承認欲求に突き動かされ、投稿内容が拡散されることのみ考えておりました」としています。
刑事や民事での責任追及をされた際についての質問には、
ある時期から定期的に開示請求意見書が届き始め、貴社からも書面が届くようになってからは、家族に迷惑をかけてしまうという強い焦りと後悔の念に駆られました。(中略)「いつ警察が家に来るのだろうか」「身柄を拘束されるのではないか」といった強い不安感に襲われました。
と心境を明かしました。
最後に、被害者である甲斐田に対しては「筆舌に尽くしがたい多大なご迷惑と、想像を絶するほどの精神的苦痛を与えてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。今後については、
自分は貴社及び貴社所属ライバーに関するインターネット上での一切の投稿を、今後永久に行いません。これまでの取り組みを継続するだけでなく、この誓いを生涯にわたって遵守することを、ここに固く宣明します。
としています。
意識調査の公開を受け、Xでは「加害者の心理を聞き取りして公開するの、これまでに見たことないな 作る側・演じる側も、見る側もどちらも目を通しておいたほうがよい」「推しがいる全ての人間はリンク先を一読しておくように」といった呼びかけが上がっています。
また、意識調査の回答では何度も「今では猛省しています」「深く反省しております」と綴られていたことから、「受け答えを見るに普段は普通の人だったのかな?と感じました。誰でもストレスによって攻撃的になりうることではあるので、これを機に自分の行動が他者に対して攻撃的ではないかを、見つめ直したいですね」といった声も寄せられています。
ANYCOLORのポストは現在までに9.6万いいねを集めており、表示件数は1800万回を超えるなど、大きな反響を呼んでいます。
記事提供元:YouTubeニュース | ユーチュラ
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