4度目の決勝進出で悲願達成! 『キングオブコント』新王者「ロングコートダディ」インタビュー

ロングコートダディの堂前 透(左)と莵。KOC決勝戦翌日に直撃インタビュー!!
10月11日放送の『キングオブコント2025』(TBS系)で優勝したお笑いコンビ「ロングコートダディ」。歓喜から一夜明けたチャンピオンのおふたりを直撃!
■M-1王者からの祝福LINE――『キングオブコント2020』(TBS系)で初めてファイナリストになり、4度目の決勝となった今回、見事に優勝。おめでとうございます!
堂前 ありがとうございます。
兎 ありがとうございます。コンビ結成1年目からだから、17回挑戦はしていますね。
――印象に残っている祝福LINEはありますか?
兎 俳優の生瀬勝久さんから「イエス。おめでとう! 本当によかったね。ぶっちぎり」って来ました。
堂前 言い方は自分でちょっとやりすぎやろ。
兎 いやいや。「イエス。おめでとう! クラッカー(の絵文字)」って感じやから。
――堂前さんは?
堂前 僕は本当にあんまり来てないですね。
兎 何人ぐらいから?
堂前 3人。
兎 少な! 誰? 誰? 誰から来てんの? その3人。
堂前 ネルソンズの3人。
――ネルソンズだけですやん(笑)。
兎 あと、みんなやっぱり「おめでとう」なんですけど、ひとりだけ違う男がいましたね。
――誰ですか?
兎 M-1チャンピオンの令和ロマン・(髙比良)くるまは一言、「おつかれした」。6文字です。
――くるまさんはだいぶ後輩ですよね?
兎 はい、後輩です。「おつかれさまでした」でもなく、「おつかれした」でした(笑)。多くを語らず。同じチャンピオンとしていろんなことを汲み取ってくれて、「おめでとう」とかより「おつかれした」。カッコいいですね。
堂前 トップバッターの気持ちもたぶんわかってくれていると思うので。
――ちなみに、決勝翌日は生放送の仕事もされていましたが、出来はいかがでしたか?
兎 コント師ってバラエティの平場(フリートーク)があんまり得意じゃないみたいなイメージもあると思うんですけど、それっぽい感じでいけたと思います。
莵
――いけたらダメじゃないですか。
兎 はい。「やっぱり、あんまり得意じゃないのかも」ってなったと思います。特に『サンデー・ジャポン』(TBS系)は。デーブ・スペクターさんとの絡みとか。
堂前 しっかり絡みづらかったです(笑)。
兎 デーブさんとうまくいかなかったですね。
――今後の課題は、デーブさん対策ですか?
堂前 対策は「もう会わない」です(笑)。
■堂前はなぜ金欠なのか?――堂前さんは初めて決勝に進出した『M-1グランプリ2021』(ABCテレビ・テレビ朝日系)で、普段は緊張しないタイプだけど、さすがにM-1は緊張すると思って、決勝前日に全財産を競馬にぶち込み、そちらに緊張を全部持っていかれたことで本番は全然大丈夫だったそうですが、今回は何か対策しましたか?
堂前 今回は賭ける金すらなかったですね。
――すでにいっぱいメディアに出て仕事をしているのに、なんでお金がないんですか?
堂前 物価高で。
兎 関係ないよ。でも、お金がないのはホンマです。先月の家賃を払えていなくて。
――すごく使うほうですか?
堂前 そこまでは使わないです。最近はギャンブルもあんまりしていないですし。ぼろぼろぼろぼろなくなるんです。
――最近のいちばん大きな買い物は?
兎 旅行じゃない?
――どこに行ったんですか?
堂前 アメリカに行ったんですけど、100万円くらいじゃないですか。
兎 ちょっと前、ベトナムも行っていたんで。
堂前 透
――ちなみに、以前はネタのミスがけっこう多かったそうですが、「逆にミスしたときのほうが合格する」というパターンもあったとか?
兎 昔はミスしながら合格していましたね。細かいミスは今でも全然あるんですけど、昔は大きくミスっていました。舞台からはけて着替えて出てこなければいけないのに、着替えずに出てきたりとか。
あとは、袖に置いておいた小道具を取りに行ったらなくて、小道具を捜し回っていたら、3、4回くらい舞台に出てきてしまい、それをお客さんに見られたこともありました。
――それは大きいミスですね。堂前さんがフォローしたんですか?
堂前 なんとかしましたね。
兎 ほかにも、最後のほうのセリフが全部飛んで真っ白になったことがあって。台本には僕がはけるシーンなんてないのに、「おまえなんか嫌いだ」って言って、袖に逃げたんです。でも、堂前はノータイムで誰にもバレないくらいきれいにつなげて落としました。
――それは堂前さん、すごいですね。
堂前 普段から兎のことをそこまで信用していないので(笑)。そういったことをよく考えているのはありますね。
■兎は「芸人のフリ」をし続けている?――昨年準優勝したキングオブコントでコント2本、今年準優勝した『ダブルインパクト~漫才&コント 二刀流№1決定戦~』(日本テレビ・読売テレビ系)でコント1本、今回のキングオブコントでコント2本を披露。2020年以降、賞レースで何度も決勝に進出していますから、ネタの消費がすごいですね。
堂前 今回のネタは今年できたやつをそのまま出しました。『ダブルインパクト』のネタと同じ時期に作って。
――「賞レースでいける」と思ったネタを今年だけで3本作って準優勝と優勝ですから、ネタのクオリティもすごいです。最近のネタは兎さんの素のキャラクターを引用して作ることが多いそうですね。
今回1本目で披露した「モグドン」(地底人モグドンと少年の交流を描いたネタ)は、会話の際にすぐ否定から入るキャラクターですが、あれは?
堂前 モグドンはめちゃめちゃ本来の兎です。
兎 いや、まったく違います。
――「いや」ってすぐ否定してますやん(笑)。
兎 いや、そうじゃなくて。
――また否定!
兎 普段は全然否定とかはしないんですけど、コントのために役作りとして。
――常に役作りを?
兎 いや、そうじゃなくて。
――もういいですよ(笑)。堂前さんから見て、兎さんはどんな人ですか?
堂前 ぽっちゃりわがままボディって感じですね。
――見た目ですね。中身は?
堂前 中身はマジでイケメンです。スーパーイケメンでスラッとした主人公みたいな感じで過ごしていますね。
――兎さんから見て、堂前さんはどんな人ですか?
兎 マイペースですね。堂前と一緒にごはん屋さんに入って、僕が「すいません。ご飯お代わり」って言ったら、「俺、帰るわ」って先に帰るんですよ。
――え! 一緒に行ってるのになんで帰るんですか?
堂前 ほかの人にはしないです。ごはんを食べている兎の姿が『千と千尋の神隠し』の豚になったお父さんとお母さんみたいな食べ方で「見てられへんわ」と思って帰った感じです。
――兎さんは堂前さんによく怒られるそうですが、どんなことで?
兎 芸人としての自覚を持ってくれとか、もう芸人のフリをするなとか。
――「芸人のフリをするな」ってどういうことですか?
堂前 兎はずっと芸人のフリをしていて。芸人ごっこというか。芸人としての責任感もなく、ただただ周りの芸人がやっているっぽいことをやっているという状態やったんです。でもこれからは怒ることもないです。
ここまで芸人のフリをし続けているヤツもなかなかいないので。それはそれで芸人としてのあり方なのかなと思って。
兎 この前、それこそマネジャーふたりも含めて飲んだんですけど、その話し合いで「今後どうしていくねん」みたいになって。
1軒目で終わるつもりが、「ちょっとこれ、終われへん」となって、結局、2時か3時くらいまで飲んで。最終的に「これからも芸人のフリをし続ける」という結論で終わりました(笑)。
――では、今も芸人のフリをしているんですか?
兎 はい。バレないようにやっています。バレていたら、やっぱり優勝とかできないですから(笑)。
――今後やりたいことは?
堂前 サーカスです。ふたりでサーカスできたら。
兎 お笑いサーカス?
堂前 お笑いは一切なし。
兎 ガチのサーカスだ。
――そのサーカスはいつ頃開催されるんですか?
堂前 来年ぐらいには。もうでっかいテントだけは買ってあるんで(笑)。
――なんのウソですか(笑)。
●莵(うさぎ)
1988年8月19日生まれ、岡山県出身。2008年 NSC大阪校 31期生。趣味は釣り、麻雀、マンガ、サッカー観戦、ゲーム(『スマブラ』『ドンキーコング』)。特技は人とすぐに仲良くなれる、ニャンちゅうのモノマネ
●堂前 透(どうまえ・とおる)
1990年1月16日生まれ、福井県出身。2008年 NSC大阪校 31期生。趣味はイラスト、ゲーム、アニメ、麻雀、謎解き。特技はイラスト、『ぷよぷよ』、大喜利
取材・文/インタビューマン山下 撮影/山上徳幸
記事提供元:週プレNEWS
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