「パターの打感はフェース素材で8割決まる」 プロが明かす知られざる常識とは?
パターを選ぶ際に大事となるが、フェースの傾きから自分の軌道に合うモデルを選ぶこと。そして、フェース素材で選ぶといいという。
パターに精通するティーチングプロ、追分浩一は溶接の資格を持つほど鉄や金属素材にも詳しい。パターの打感についてはフェース素材の影響が大きいと語る。
「パターの打感は約8割がフェース素材で決まります。素材として最もソリッドなのがステンレス系で、その次が軟鉄です。打感が柔らかいのはウレタン系のフェースインサート。同じ樹脂でも硬さの違いがあり、オデッセイのホワイト・ホット系のウレタン素材に比べると、ピンのPEBAXはしっかり感があります。
打感を決める残りの2割がミーリング(フェース面に施された溝状の加工)。ミーリングがあるとフェースとの接地面積が少なくなるので、打感が柔らかく感じます。スコッティ・キャメロンの新作『スタジオスタイル』はカーボンスチール素材なので打感はソリッド系ですが、チェーンリンクフェースミーリングの効果で少しマイルドに感じました」
素材別に特徴をまとめてみたので、覚えておくとパター選ぶ際に役立つだろう。
【ステンレス】 ブレード型モデルなどに採用されているステンレス素材は加工の自由度が高く、ソリッドな打感が特徴
【軟鉄】 軟鉄素材は鉄の素材としては柔らかくて芯を感じることができる。パターに使われる素材としてはS20Cなどが最も柔らかい
【PEBAX】 樹脂系インサートの中でもピンの『PEBAX』は適度なしっかり感がありつつ、反発性が高いのでコロがりが良い
【ウレタン】 オデッセイのウレタンインサートはトップクラスの柔らかさがあり、打球音も小さいのでソフトな打感に感じやすい
今回ヘッド軌道ごとにパターを4タイプに分類しているので、フェース素材も参考にしながら、モデル選びに生かしてほしい。
【今回の試打リスト】
★フェースを開閉できる 『アーク系』
オデッセイ:Ai-ONE ミルド ONE T
テーラーメイド:TPトラスパター B1TH トラスヒール
スコッティキャメロン:スタジオスタイル ニューポート2
スコッティキャメロン:スタジオスタイル ニューポートプラス
スコッティキャメロン:スタジオスタイル スクエアバック
スコッティキャメロン:ファントム5.5
ピン:スコッツデール アンサー2D
ミズノ:M.クラフト OMOI No.02
コブラ:LIMIT3D ピスタ-45 3D
プロギア:PRGR デザインパター BC-33
プロギア:PRGR デザインパター MS-63
PXG:バトルレディ2 トルピード
★わずかに開閉する 『セミアーク系』
オデッセイ:マイクロヒンジ 2-Ball V-Line
オデッセイ:Ai-ONE トライビーム 2-Ball
テーラーメイド:スパイダー ツアーX クランクネック
テーラーメイド:スパイダー ツアーX トゥルーパス スモールスラント
スコッティキャメロン:スタジオスタイル ファストバック
コブラ:LIMIT 3D ENZO-3D
★真っすぐ打てる 『ストレート系』
オデッセイ:Ai-ONE ジラフビーム ジェイルバード ミニ
ピン:スコッツデール DS72
ピン:スコッツデール プライム タインC
ピン:スコッツデール CRAZ-E
ミズノ:M クラフトX
キャスコ:9/9 デルタフェース タートル GOLD9/9
本間ゴルフ:SAKATA LAB CNC プレミアム パター LOONG
本間ゴルフ:SAKATA LAB CNC プレミアム パター メカニック
★トルクゼロの新感覚 『ゼロトルク系』
オデッセイ:Ai-ONE スクエア2スクエア ジェイルバード
オデッセイ:Ai-ONE スクエア2スクエア #7
オデッセイ:Ai-ONE スクエア2スクエア MAX1
オデッセイ:Ai-ONE スクエア2スクエア MAX ストライプ
テーラーメイド:スパイダーZT(スタンダード)
PXG:へルキャット ZT
L.A.B.GOLF:OZ.1
L.A.B.GOLF:DF3
■解説 追分浩一
おいわけ・こういち/パターの素材、形状、設計に精通しているティーチングプロ。自らパターロボットを製作してパッティングのメカニズムを研究するパターマニア。
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人気パターを調査。関連記事『パター迷子必見!山下美夢有も愛用“セミアーク系マレット”、ショートパットが入る”ゼロトルク”がブーム!【最新34モデル試打】』を読めば、その秘密がわかる。
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