急募!『〇〇世代』と名付けてください “神がかりゴルフ”で首位浮上の木村彩子の願い
<富士通レディース 2日目◇18日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
まさに神がかった一日。それでもツアー通算1勝の木村彩子にはこのビッグスコアの予感があった。「ショットはずっとよかった。あとはパターが入っていないだけ」。そのパットの部分も、初日終了後に練習グリーンで行った、南秀樹コーチとの“電話会議”で手応えを得て臨んでいた。
1番で1.5メートルのバーディパットを沈めたのが号砲だった。5メートル、1メートル、2メートル、3メートルと次々とパットをカップインさせていく。いきなりの5連続バーディ。さらに「中だるみ」した後の8番では、本人も「15~25メートル」とアバウトに答えるしかないほどのロングパットが、ピンに直撃し、そのままカップに吸い込まれた。
この8番に関しては、さすがに「ミラクルバーディ」と言うが、それ以外はしっかりとチャンスを沈めた意識があり、それが自信にもつながる。さらに10番で“一休み”のボギーが来たが、続く11番では、2打目を直接決めるショット・イン・イーグルまでついてきた。「ギャラリーが『入れ!』、『入った!』って。感触はよかったです」と、笑顔も弾ける。「64」はもちろん、この日のベストスコアだ。
来月11月2日に30歳になる木村にとって、今、ツアーは刺激に満ちあふれている。同じ1995年生まれの選手たちの活躍が目立っているからだ。今月初旬の「日本女子オープン」では同学年の堀琴音が優勝。「一番せっかちな日本チャンピオンって、みんなでいじってます」と笑うが、仲間で祝勝会を開き、その活躍を称えた。さらに「資生堂・JAL レディス」で勝った永峰咲希、「NEC軽井沢72ゴルフ」を制した柏原明日架、「ソニー 日本女子プロ選手権」でメジャーを獲った金澤志奈も同じ世代。「これに続きたい。私も祝って欲しいです」と思うのも無理はない。
そして今週、2022年に初優勝を挙げた「 アース・モンダミンカップ」以来となる勝利のチャンスが訪れた。また活躍したいのには、こんな“理由”もある。
「みんなで、私たちには“〇〇世代”というのがないって言ってるんです。シードを取ってる選手も多いし、みんな頑張ってるんですけど」
“95年組”の知名度アップも狙っているというわけだ。ちなみに、まだ優勝者が出ていなかった頃には、自分たちで「石ころ世代」と名乗ろうとしていたというエピソードも明かす。ここには「磨けばダイヤモンドになる」という願いも込められている。
メジャー女王も続々と輩出し、今年はその存在感を発揮している。それならば、1998年度生まれの黄金世代に、2000年度生まれのプラチナ世代。さらには03年度生まれのダイヤモンド世代…そんな“異名取り”を目指していく。「ぜひ、世代名をつけてください!」。トータル8アンダーのトップタイで迎える最終日。その願いを成就するためにも、混線を抜け出し、今週は自分が主役になる。(文・間宮輝憲)
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