「1Wより曲がらない」 320ヤード砲の河本力が“世界”を参考に投入したミニドライバー
<日本オープン 2日目◇17日◇日光カンツリー倶楽部(栃木県)◇7238ヤード・パー70>
先週、日本開催の米ツアー「ベイカレントクラシック」は、河本力にとって特別な一戦だった。開催コースの横浜カントリークラブは、自身のホームコース。しかし結果は4日間トータル10オーバーで、出場78人中77位に終わった。
「すごく気合いも入っていたし、頑張ろうという中でズタボロにされて…。今週はすごく考えてから来ました」
考えた末に行き着いたのは“メンタル”だった。「求めるものが高く、完璧主義すぎたり、自分でコントロールできないぐらい興奮したり。今年何度か優勝争いしている中で、1回も勝てていない焦りもあったと思う。自爆するようなメンタルでゴルフをやっていました」と自己分析する。
今週はミスをしても「しょうがない、それが今の実力だよね」と受け入れる姿勢に変わった。初日の前半イン9ホールは3オーバーと出遅れたが、後半のアウトで2つ取り返して「71」。この日は5バーディ・2ボギーの「67」で回り、首位と1打差のトータル2アンダーで予選を通過した。
「初日3オーバーからしっかり戻ってこられたのは成長している証拠。あきらめずに自分のゴルフに徹底できているのは良かったと思います」と先週の教訓を生かしている。
考え直した中の一つにクラブの変更もあった。今週は3番ウッドを抜き、ロフト角13.5度のミニドライバーを投入。「思いつきで入れました。先週や海外メジャーに出たときに、僕ぐらいの飛距離の選手はミニドライバーを入れている人が多いなと思ったんです」。
ドライバーの平均飛距離320ヤード超の河本は、世界でも飛ばし屋の部類に入る。世界の選手を参考に試したところ、これが大ハマり。練習日の時点であまり飛距離は出ていなかったそうだが、「使っていくうちにちゃんと300ヤード飛ぶようになりました。抑えて打つとキャリー240~250ヤードのショットも打てて、コントロールも効きます」と手応えを語る。
第1ラウンドでドライバーを使ったのはわずか1回、この日はゼロ。代わりにミニドライバーを多用した。「10回以上使って、かなりフェアウェイにいっています。ドライバーと比べて曲がり幅が少ない。狭いコースではかなり武器になります。今週だけでなく、これからも使っていきたい。海外メジャーでも使えば良かったと思うぐらいです」。まさに鬼に金棒、河本力にミニドライバーだ。
今大会の優勝者には「全英オープン」と「マスターズ」の出場権が付与される。「(マスターズは)プロとして絶対に立ちたい場所。鼻息荒くなっちゃうと思うんですけど、自分は一打一打、自分を評価できるようなメンタルで、自分を客観ししながらプレーしたい」。新たな武器を駆使し、メンタルコントロールをしながら“日本一”のタイトルを目指す。(文・小高拓)
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