ラウンド後は特打ちへ 渋野日向子は失意の『76』に「今年を象徴するようなゴルフ」
<富士通レディース 2日目◇18日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
「ちょー悔しい一日」。単独首位から出た渋野日向子は、そう言い放つと「いつも通りの自分だなっていう感じでした」と言って肩を落とした。「76」と4つ落とし、トータル2アンダーの21位タイに失速。ラウンド後は予選通過の安堵感よりも、失意のほうが大きかった。
1番から返し50センチのパーパットを外す、嫌な滑り出しだった。開幕前の火曜日にパッティングスタジオに通い、データなども駆使しながら、今季苦しんできたグリーン上での課題を見つけ臨んだ今週。初日は25パットと結果を残したが、2日目は思い通りとはいかない。
テーマは「手で操作するのではなく、体の大きな筋肉を使って打つ」こと。だが、この日は「反応して、手が入っちゃったなという外し方だった。タッチも合ってなかったし、違和感あるストロークでした」と、うつむく場面が目立った。パット数は「30」を数える。「昨日に比べたら(しっかり)打てた回数は片手もない感じだった。タッチを合わせるのも一苦労」。次々と反省の言葉が並ぶ。
その感触が、ショットのリズムも狂わせ、2打目をバンカーに落とした12番ではダブルボギーを叩いた。さらに13番、14番のボギーは、「結構ダメージが来ちゃった」と、強く悔いることに。「そこで切り替えができないのが、本当に今年の悪いところ」。そして「今年を象徴するようなゴルフ」と切り捨てる。
初日がよくても、2日目に落とす。その逆もしかり。安定して好スコアを並べることができず、ここまでもがいてきた。「チャンスを無駄にしてきて、切り替えをしよう、自分の中で変えよう、変えようと思っても、またそれが余計なプレッシャーになる」。先週は、初日3アンダーで滑り出しながら、翌日に「75」と崩して予選落ちを喫した。どうしても、嫌なイメージが頭をよぎってしまう。よかった次の日、必要以上に意識してしまうのでは?と聞かれると、「確かにそういう風に言ってることが多い気がする。堅苦しくなってしまってるのかな?」と自認もした。
「本当に情けない」という言葉も出るなど悲壮感にあふれるが、日米通じて6試合ぶりの予選通過を果たしたのも事実。きょう出た課題を、あす試すこともできる。「(決勝を)こういう迎え方はしたくなかった。もう1日できる喜びを噛みしめたいけど、今は悔しさの方が上回ってる」。それでも、「もう1日できることのよろこびを早く感じたいので、練習行ってきます」と、最後は顔を上げ、打撃練習場へと向かった。
その“特打ち”は午後3時過ぎのラウンド終了から、夕暮れが迫る時間まで続いた。頭の位置、腕の位置…。何度も何度も、基本動作を確かめる。「やることがたくさんだし、やるべきことがたくさんだし、直すところもたくさんだし、課題もたくさん。なのでいっぱい練習しないと」。復調への取り組みは、まだ道半ばだが、今は信じたことに向き合っていく。(文・間宮輝憲)
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