涙のV逸から一週間 仲宗根澄香が最終18番のバーディで6年ぶりステップV「自分に負けないように」
<ECCレディス 最終日◇17日◇北六甲カントリー倶楽部 東コース(兵庫県)◇6502ヤード・パー72>
4人が並んだ首位タイから出た仲宗根澄香が5バーディ・1ボギーの「68」をマーク。トータル12アンダーで大混戦を制し、2019年「山陽新聞レディースカップ」以来となる6年ぶりのステップVを達成した。
残り128ヤードの2打目をピン右1.2メートルにつけた最終18番パー4のグリーン上で、大須賀望と並んで首位に立っていることを初めて確認。弱気になりそうな心を奮い立たせてバーディパットを沈め、歓喜の瞬間を迎えた。
「きょうも逃げたくなるようなときが何度もあった。でも、最後はこれを決める。絶対に逃げないと思って打ちました。いいストロークができたし、イメージ通りの曲がり幅で入ってくれました」
先週は悔し涙を流した。同じ兵庫で開催された「SkyレディスABC杯」。所属先のSky株式会社が特別協賛するホステス大会だったが、アマチュア優勝を挙げた17歳年下の後藤あいとは3打差の5位に終わった。自分に腹が立った。大事な大会で完全燃焼できなかった悔しさ。もう、同じ思いはしたくなかった。
「正直言うと、なかなか気持ちを切り替えることができませんでした。あのショットが、あのパットが…といろいろ思い出して、本当に悔しい気持ちだった。だから、今週は勇気を持ってプレーしようと決めたんです。勇気を持ってプレーするんだから逃げちゃダメだって。きょう勝てたのは、自分に負けたくないという気持ちが一番大きかったと思います」
6月のレギュラーツアー「アース・モンダミンカップ」からは長尺パターに変更した。「2、3年前からパットに悩んでいて、いろいろやってきたけど、どうにもダメで…。思い切って替えてみました」。同じく長尺を使う堀琴音が2週前の「日本女子オープン」で優勝。「すごくうれしかった。長尺ってパットがダメになったから使うみたいなイメージがあるけど、そうじゃないと。これは新しいチャレンジなんです」。メジャーチャンピオンにも力をもらった。
獲得賞金で争う明治安田ステップ・ランキングは16位に上がった。次戦はレギュラーの「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」に、リランキング36位からの繰り上げ出場を狙うが、その後はステップに専念。同ランキング2位までに与えられる来季のレギュラー前半戦出場資格を取りにいく。
「マスターズに出られたら、今年最後のレギュラーになるので思い切ってやるだけ。楽しみながらやりたい。ステップでの目標もできたし、前半戦のチケットを取りにいきたいです」
同ランキング2位との差は約616万円差で、ハードルはかなり高い。それでも逃げずに、勇気を持って、プロ15年目の33歳がシーズン終盤に挑んでいく。(文・臼杵孝志)
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