日本OPで石川遼が向き合う“メリハリ” 「守っていれば楽かといえばそうでもない」
<日本オープン 初日◇16日◇日光カンツリー倶楽部(栃木県)◇7238ヤード・パー70>
日本オープンは過去3度2位に入っている石川遼。初制覇に向けて今年の作戦は“メリハリ”だ。初日は3バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「72」で回り、暫定で首位と5打差の28位タイで終えた。
インスタートの石川は520ヤードと難度の高い10番(パー4)で5メートルのパーパットを沈めてしのぐと、350ヤードの14番(パー4)ではドライバーを握る。「フェアウェイでもラフでもバンカーでもグリーンのそばまで行きたい」という戦略でファーストカットに運ぶと、50ヤードほどの2打目を1メートルにつけてバーディ奪取に成功する。
続く15番(パー4)は奥のカラーから3打を要してボギーとすると、17番(パー4)は3打目の深いラフからのアプローチをミスするなどダブルボギー。だが悪い流れになりかけたが18番(パー4)では6メートルを沈めてすぐに取り返した。後半の1番(パー4)は、グリーン手前のラフからのアプローチを寄せきれずにボギーとしたが、続く468ヤードの2番(パー4)はティショット、セカンドと好ショットを続けて、1メートルのバーディパットを沈めた。
バーディが欲しい4番(パー5)は、グリーン手前は花道がなくラフばかり。フェアウェイからの2打目は「グリーンのそばまで運ぶ」狙いで打ったが、右にそれて距離のあるバンカーへ。ピンまで40ヤードの3打目は「少し薄く取りすぎた」とグリーン奥のラフまで飛んだ。砲台でグリーン面が下り傾斜の難しいアプローチが残ったが、柔らかいロブショットで60センチにつけてギャラリーを沸かせた。
「4番は攻めると決めてやっているので、(2打目が)距離のあるバンカーに入るのも受け入れている」。前半の14番も後半の4番もリスクを承知で攻めのホールと決めている。普段は距離のあるバンカーにつかまることはOKとしないが、日本オープンは特別だ。「守っていれば楽かといえばそうでもない。メリハリが求められる」。難しいセッティングで守ってばかりではリズムが作りにくい。時にはバーディを狙うメリハリを大切にする。
15回目の出場となると戦い方は心得ている。「ひるまずにチャンスと思えばいくし、逆になかなかバーディがこなくても耐えるホールと思えば耐える。それが日本オープン。自分で流れを変えたり、(コースを)ねじ伏せるというのは1回できても続けられるトーナメントではない。メンタルもタフじゃないといけないと思いますし、難しいからこそ表に出てくる課題もあるので、そこを楽しみながらやっています」。
いいマネジメントをしてボギーとしたところは受け入れられると話したが、「きょうはやっちゃったなというミスも3つぐらいあった」とスコアに直結するミスには悔しさをにじませる。「いいところに目を向けつつ、アプローチとバンカーの距離感をよくしていければ、チャンスはあるかなと思います」。残り3日間もメリハリをつけて初タイトルに挑む。(文・小高拓)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。