<俳優×フードコーディネーター>異色の経歴!藤代太一が語る"ドラマめし"の舞台裏
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イチオシスト:イチオシ編集部 旬ニュース担当
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ドラマ25「晩酌の流儀4」(毎週金曜深夜24時42分)。
栗山千明演じる伊澤美幸が"理想の晩酌"を追い求めるドラマ。2022年のシーズン1から話題を呼び、ついにシリーズ4作目へ。大好評につき今作は異例の2クール放送で、10月からは「秋冬編」が始まった。
このドラマの魅力を語る上で欠かせないのが、食欲をそそる料理の数々。その料理を監修しているのが、フードコーディネーターの藤代太一さんだ。
「テレ東プラス」は、俳優としても活躍する藤代さんにインタビュー。撮影の舞台裏からプライベートまで、たっぷり聞いた。
【動画】藤代太一が料理監修!「晩酌の流儀」秋冬編

――いよいよ「秋冬編」がスタートしました。藤代さんご自身は、このシリーズの魅力をどこに感じていますか?
「とにかく料理とお酒が美味しそうに見えることと、個性的な登場人物の人間ドラマがおもしろいです。難しいドラマが多い中で、気楽に見られるところが魅力だと思います」
――フードコーディネーターとして、具体的にどんなことをしているのでしょうか。
「最初に制作陣とスプレッドシートに料理案を書き出し、どれを試作するかを決めます。レシピが先に決まって台本が作られる場合もあれば、台本の流れでメニューが変わることもあります。
『あの店のあの味を再現してほしい』といったリクエストに応えたり、自分からもアイデアを出したり。案が固まったら何度も試作を繰り返し、撮影用のレシピに仕上げます。
現場では、僕が美幸さん(栗山千明)に料理の段取りや流れ、手元の動きを説明し、演じていただきます。監督やカメラマン、プロデューサーと一緒に、どう撮れば美味しそうに見えるかを考えながら進めています。
実は、レシピ作りや撮影そのものより、アイデアを出すところに一番時間がかかります。シーズン4の撮影は今年5月末に始まりましたが、準備自体は去年11月ごろから始めていたので、ほぼ1年がかりのプロジェクトですね」
――「秋冬編」のメニューを考えるときに、特に印象に残っている食体験はありますか?
「撮影が夏だったので、秋冬が旬の食材が手に入らず苦労しました。旬が限定されているものは撮影を後半にずらすこともありましたね。
僕は『オードリーのオールナイトニッポン』が好きでよく聴いているのですが、若林正恭さんが『鍋が美味しい店に行った』と話していて、実際に僕もその店に行ってみたら本当に美味しかった。その体験から生まれたメニューもありますので、最終話までぜひ楽しみにしていただけたらと思います」

――藤代さんご自身についても伺いたいです。"俳優とフードコーディネーター"という珍しいキャリアを、どのようなきっかけで歩み始めたのでしょうか。
「もともと料理人でした。料理人になったきっかけは2つあって、1つは高校生の頃に漫画『ONE PIECE』のサンジに憧れたこと。もう1つは、ファミリーレストランのアルバイトでデザートの盛り付けを勝手にアレンジして提供したら、先輩に『センスいいね』と褒められたことです。ファミレスのマニュアル的には良くなかったのかもしれないのですが(笑)、その言葉でその気になって料理人を目指しました。
高校卒業後は調理師専門学校へ進み、フランス料理店に就職。銀座の大きなレストランでも経験を積み、様々な料理を学びました。
ただ、昔から俳優への憧れもありました。調理師学校で将来の夢を発表する時、みんなが『一流ホテルのシェフ』などと言う中、僕だけ『俳優になりたい』って。その時は、冗談だと思われてめちゃくちゃ笑われました(笑)。今でも調理師学校時代の友人に会うと、『俳優になりたいって本当だったんだ』と驚かれます。
その後、友人が亡くなって死を身近に感じたこともあり、『生きているうちに、やりたいことをやった方がいいな』という心境に。芝居の経験は全くありませんでしたが、23歳で俳優の養成所に入りました。芝居だけでは食べられなかったので、もともと働いていたレストランでアルバイトさせてもらい、料理は続けていました」
――俳優とフードコーディネーター、それぞれのやりがいを感じる瞬間を教えてください。
「俳優業は、うまくいかない時は苦しいですが、とにかく楽しいです。舞台やドラマの撮影は刺激的で、人生が豊かになっていると思います。
フードコーディネーターは、料理が物語の大事な要素になる作品だけをお引き受けしています。料理が登場人物に影響したり、脚本段階から関われたりするところにやりがいを感じます。視聴者さんがSNSで『真似して作ってみた』と投稿してくれると、本当に嬉しいですね」
――フードコーディネーターとして現場に入る時、俳優の視点が活きることも多いのでしょうか?
「そうですね。調理の流れを役の気持ちと一緒に説明できるので、お互いに理解が早いと思います。
台本やカット割りも把握しているので、レシピを考える段階から、どう撮れば上手くいくかをイメージできます。現場でも、アングルや撮影の順番を、役者とスタッフ両方の視点から考えて提案できるのは強みだと思っています」
――俳優として、映像作品だけでなく舞台にも出演されています。舞台ならではの魅力はどんなところでしょうか。
「その場でしか起きないことをお客様や共演者と共有できる瞬間が、舞台の楽しさだと思います。映像は一つの瞬間を作り込む作業ですが、舞台は花火のように一度きりの出来事を毎回体験できる。そこが本当に楽しいし、これからも続けていきたいです」
――藤代さんといえば、ライオンの"生CM"でもおなじみです。生CMならではの面白さや難しさはありますか?
「『はなまるマーケット』(TBS系)の頃から続いているライオンの生CMは、50年以上の歴史があります。以前は本当に生放送だったので、60秒一発勝負。間違えたら放送事故扱いでプロデューサーが謝罪文を書くと言われていたので、生きた心地がしませんでした(笑)。
今は事前収録ですが、収録は1回限りなので、緊張感は変わりません。出演者は僕以外フリーアナウンサーやモデルの方ばかりで、俳優は僕だけ。その点で重宝されているのかもしれません。最近は月曜から金曜まで物語が続く連続ドラマ風の構成もあり、楽しんでいます」
――プライベートのことも聞かせてください。普段の食事は、やはりご自身で作られることが多いのでしょうか。
「基本的に自炊ですが、ご褒美として外食もします。その時は朝から何も食べずにコンディションを整えて、空腹で最高の食事とビールを楽しむ。最高の瞬間です。
外食時は気になったものを全部注文することにしています。レシピのアイデア探しも兼ねているので、この時ばかりは予算は気にしません」
――最後に、今後の展望を聞かせてください。
「夢はオードリーさんの番組に出演することです。フードコーディネーターを始めてから移動や仕込みの時間が増えたので、集中したい時にラジオを聴くようになりました。とくにオードリーさんや佐久間宣行さんの『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)が好きで、毎週放送を楽しみにしています。
茶道も15年ほど続けているので、茶道と役者、料理と役者のように、自分の経験を掛け合わせて作品にしていきたい。いつか自分も出演して、料理をテーマにした作品を作れたらと思っています」
【藤代太一 プロフィール】
1985年9月21日生まれ、神奈川県出身。俳優・フードコーディネーター。
調理師免許を持ち、フードコーディネーターとしては「ゲキカラドウ」「晩酌の流儀」シリーズ、「ミッドナイト屋台 ~ラ・ボンノォ~」(東海テレビ)などを担当。俳優として、ドラマ「雪女と蟹を食う」「週末旅の極意~夫婦ってそんな簡単じゃないもの~」、映画「喝 風太郎‼」などに出演している。「ラヴィット!」(TBS系)内の「ライオン生CM」にレギュラー出演中。10月30日から11月3日まで浅草九劇で上演される舞台「光るまで」に出演予定。
(取材・文/みやざわあさみ)
栗山千明演じる伊澤美幸が"理想の晩酌"を追い求めるドラマ。2022年のシーズン1から話題を呼び、ついにシリーズ4作目へ。大好評につき今作は異例の2クール放送で、10月からは「秋冬編」が始まった。
このドラマの魅力を語る上で欠かせないのが、食欲をそそる料理の数々。その料理を監修しているのが、フードコーディネーターの藤代太一さんだ。
「テレ東プラス」は、俳優としても活躍する藤代さんにインタビュー。撮影の舞台裏からプライベートまで、たっぷり聞いた。
【動画】藤代太一が料理監修!「晩酌の流儀」秋冬編
「晩酌の流儀4」は、ほぼ1年がかりのプロジェクト

――いよいよ「秋冬編」がスタートしました。藤代さんご自身は、このシリーズの魅力をどこに感じていますか?
「とにかく料理とお酒が美味しそうに見えることと、個性的な登場人物の人間ドラマがおもしろいです。難しいドラマが多い中で、気楽に見られるところが魅力だと思います」
――フードコーディネーターとして、具体的にどんなことをしているのでしょうか。
「最初に制作陣とスプレッドシートに料理案を書き出し、どれを試作するかを決めます。レシピが先に決まって台本が作られる場合もあれば、台本の流れでメニューが変わることもあります。
『あの店のあの味を再現してほしい』といったリクエストに応えたり、自分からもアイデアを出したり。案が固まったら何度も試作を繰り返し、撮影用のレシピに仕上げます。
現場では、僕が美幸さん(栗山千明)に料理の段取りや流れ、手元の動きを説明し、演じていただきます。監督やカメラマン、プロデューサーと一緒に、どう撮れば美味しそうに見えるかを考えながら進めています。
実は、レシピ作りや撮影そのものより、アイデアを出すところに一番時間がかかります。シーズン4の撮影は今年5月末に始まりましたが、準備自体は去年11月ごろから始めていたので、ほぼ1年がかりのプロジェクトですね」
――「秋冬編」のメニューを考えるときに、特に印象に残っている食体験はありますか?
「撮影が夏だったので、秋冬が旬の食材が手に入らず苦労しました。旬が限定されているものは撮影を後半にずらすこともありましたね。
僕は『オードリーのオールナイトニッポン』が好きでよく聴いているのですが、若林正恭さんが『鍋が美味しい店に行った』と話していて、実際に僕もその店に行ってみたら本当に美味しかった。その体験から生まれたメニューもありますので、最終話までぜひ楽しみにしていただけたらと思います」
親しい友人が亡くなり「生きているうちに、やりたいことをやった方がいいな」と

――藤代さんご自身についても伺いたいです。"俳優とフードコーディネーター"という珍しいキャリアを、どのようなきっかけで歩み始めたのでしょうか。
「もともと料理人でした。料理人になったきっかけは2つあって、1つは高校生の頃に漫画『ONE PIECE』のサンジに憧れたこと。もう1つは、ファミリーレストランのアルバイトでデザートの盛り付けを勝手にアレンジして提供したら、先輩に『センスいいね』と褒められたことです。ファミレスのマニュアル的には良くなかったのかもしれないのですが(笑)、その言葉でその気になって料理人を目指しました。
高校卒業後は調理師専門学校へ進み、フランス料理店に就職。銀座の大きなレストランでも経験を積み、様々な料理を学びました。
ただ、昔から俳優への憧れもありました。調理師学校で将来の夢を発表する時、みんなが『一流ホテルのシェフ』などと言う中、僕だけ『俳優になりたい』って。その時は、冗談だと思われてめちゃくちゃ笑われました(笑)。今でも調理師学校時代の友人に会うと、『俳優になりたいって本当だったんだ』と驚かれます。
その後、友人が亡くなって死を身近に感じたこともあり、『生きているうちに、やりたいことをやった方がいいな』という心境に。芝居の経験は全くありませんでしたが、23歳で俳優の養成所に入りました。芝居だけでは食べられなかったので、もともと働いていたレストランでアルバイトさせてもらい、料理は続けていました」
――俳優とフードコーディネーター、それぞれのやりがいを感じる瞬間を教えてください。
「俳優業は、うまくいかない時は苦しいですが、とにかく楽しいです。舞台やドラマの撮影は刺激的で、人生が豊かになっていると思います。
フードコーディネーターは、料理が物語の大事な要素になる作品だけをお引き受けしています。料理が登場人物に影響したり、脚本段階から関われたりするところにやりがいを感じます。視聴者さんがSNSで『真似して作ってみた』と投稿してくれると、本当に嬉しいですね」
――フードコーディネーターとして現場に入る時、俳優の視点が活きることも多いのでしょうか?
「そうですね。調理の流れを役の気持ちと一緒に説明できるので、お互いに理解が早いと思います。
台本やカット割りも把握しているので、レシピを考える段階から、どう撮れば上手くいくかをイメージできます。現場でも、アングルや撮影の順番を、役者とスタッフ両方の視点から考えて提案できるのは強みだと思っています」
――俳優として、映像作品だけでなく舞台にも出演されています。舞台ならではの魅力はどんなところでしょうか。
「その場でしか起きないことをお客様や共演者と共有できる瞬間が、舞台の楽しさだと思います。映像は一つの瞬間を作り込む作業ですが、舞台は花火のように一度きりの出来事を毎回体験できる。そこが本当に楽しいし、これからも続けていきたいです」
――藤代さんといえば、ライオンの"生CM"でもおなじみです。生CMならではの面白さや難しさはありますか?
「『はなまるマーケット』(TBS系)の頃から続いているライオンの生CMは、50年以上の歴史があります。以前は本当に生放送だったので、60秒一発勝負。間違えたら放送事故扱いでプロデューサーが謝罪文を書くと言われていたので、生きた心地がしませんでした(笑)。
今は事前収録ですが、収録は1回限りなので、緊張感は変わりません。出演者は僕以外フリーアナウンサーやモデルの方ばかりで、俳優は僕だけ。その点で重宝されているのかもしれません。最近は月曜から金曜まで物語が続く連続ドラマ風の構成もあり、楽しんでいます」
――プライベートのことも聞かせてください。普段の食事は、やはりご自身で作られることが多いのでしょうか。
「基本的に自炊ですが、ご褒美として外食もします。その時は朝から何も食べずにコンディションを整えて、空腹で最高の食事とビールを楽しむ。最高の瞬間です。
外食時は気になったものを全部注文することにしています。レシピのアイデア探しも兼ねているので、この時ばかりは予算は気にしません」
――最後に、今後の展望を聞かせてください。
「夢はオードリーさんの番組に出演することです。フードコーディネーターを始めてから移動や仕込みの時間が増えたので、集中したい時にラジオを聴くようになりました。とくにオードリーさんや佐久間宣行さんの『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)が好きで、毎週放送を楽しみにしています。
茶道も15年ほど続けているので、茶道と役者、料理と役者のように、自分の経験を掛け合わせて作品にしていきたい。いつか自分も出演して、料理をテーマにした作品を作れたらと思っています」
【藤代太一 プロフィール】
1985年9月21日生まれ、神奈川県出身。俳優・フードコーディネーター。
調理師免許を持ち、フードコーディネーターとしては「ゲキカラドウ」「晩酌の流儀」シリーズ、「ミッドナイト屋台 ~ラ・ボンノォ~」(東海テレビ)などを担当。俳優として、ドラマ「雪女と蟹を食う」「週末旅の極意~夫婦ってそんな簡単じゃないもの~」、映画「喝 風太郎‼」などに出演している。「ラヴィット!」(TBS系)内の「ライオン生CM」にレギュラー出演中。10月30日から11月3日まで浅草九劇で上演される舞台「光るまで」に出演予定。
(取材・文/みやざわあさみ)
記事提供元:テレ東プラス
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