東急多摩川線が京急蒲田へ「新空港線(蒲蒲線)」計画が本格始動!2040年代前半開業予定、自由が丘から羽田方面へは約22分短縮
東急電鉄と羽田エアポートラインは2025年10月3日、東急多摩川線と京急蒲田駅付近を結ぶ「新空港線(通称:蒲蒲線)」の整備に向けた速達性向上計画が、国土交通省から認定を受けたと発表しました。この計画は、東急蒲田駅と京急蒲田駅間の長年の課題であった「ミッシングリンク」を解消し、渋谷方面から羽田空港へのアクセスを飛躍的に向上させるものです。
東急蒲田と京急蒲田を結ぶ「新空港線(蒲蒲線)」とは
「新空港線(蒲蒲線)」は、東急多摩川線の矢口渡駅・蒲田駅間から、京急蒲田駅付近に新設される「蒲田新駅(仮称)」までの約0.8kmを結ぶ新たな鉄道路線で、JRや東急の”蒲”田駅から、京急”蒲”田駅までを繋ぐ路線となることから、蒲蒲線とも呼ばれるものです。東急多摩川線蒲田駅のホームは、地下に移る事が想定されています。
この事業は、渋谷・新宿・池袋などの主要拠点と羽田空港とのアクセス利便性を高め、国際競争力の強化に貢献するものとして位置づけられています。新線の整備・保有は羽田エアポートラインが行い、運行は東急電鉄が担当する計画です。
東急電鉄では、開通後に想定される運行頻度(蒲田駅~蒲田新駅(仮称)間)を、朝の混雑時間帯が1時間あたり20本、その他時間帯が1時間あたり10本程度と想定しています。

東横線とも直通!渋谷方面から乗り換えなし
新空港線は東急多摩川線と直通運転を行うほか、一部の列車は多摩川駅から東急東横線へ乗り入れ、渋谷方面まで直通する計画です。これにより、現在は乗り換えが複数回必要な東横線沿線から「蒲田新駅(仮称)」へアクセスできるようになります。東横線の8両編成列車が乗り入れられるよう、多摩川線内の多摩川駅と下丸子駅のホーム延伸などもあわせて行われる予定です。
自由が丘駅~蒲田新駅(仮称)までの所要時間は現在の「約37分」から約22分短縮され「 約15分」に、中目黒駅~蒲田新駅(仮称)までは現在の「約36分」から約13分短縮された「約23分」になると想定されています。

開業は2040年代前半を予定、事業の概要
今回認定された計画の主な概要は以下の通りです。
運行区間: 渋谷方面~多摩川駅~蒲田駅~蒲田新駅(仮称)
総事業費: 約1,248億円
整備期間: 2025年10月~2042年3月(予定)
運行開始時期: 2040年代前半(令和20年代前半)を予定
整備効果(時間短縮の例)
自由が丘駅~京急蒲田駅付近:約37分 → 約15分(約22分短縮)
中目黒駅~京急蒲田駅付近:約36分 → 約23分(約13分短縮)
更に先、羽田空港までの直通に向けてはまだ課題が
今回の工事が開始される区間は、あくまで矢口渡駅~地下に設置される予定の東急蒲田新駅(仮称)までの区間となっており、その先への乗り換えなしで羽田空港まで行くことができるというものではありません。
東急電鉄と京急電鉄では、レール幅が異なるなどの課題があるため、この直通運転に関しては、この先の実現に向けてさらなる検討が行われることになっています。(下図の二期整備区間)

開業はまだ先となりますが、長年の構想であった「蒲蒲線」が国の認定を受け、事業が本格的にスタートしました。完成すれば、東京都西部や埼玉県南西部と羽田空港を結ぶ新たなアクセスルートが誕生し、人の流れが大きく変わることが期待されます。今後の進展が楽しみですね。
(画像:東急電鉄、PhotoAC)
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記事提供元:鉄道チャンネル
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