歴史的大逆転を目指した米国チームはわずかに届かず... K・ブラッドリーは欧州主将を称賛!
<ライダーカップ 最終日◇28日◇ベスページ・ブラックC(ニューヨーク州)◇7352ヤード・パー70>
終わってみればわずかに2ポイント届かず...。7ポイント差を追いかけた米国チームは8マッチ目で力尽きた。
最終日のシングルス戦は6勝1敗5分と驚異的な追い上げ、リーダーボードを米国チームが真っ赤で塗りつぶすと米国の主将、キーガン・ブラッドリーは「本当にみんなよく戦った。信じられないほどだった。でも必ず彼らはやってくれると信じていた。たとえ大差で負けていても、みんな誇り高くチームのため、母国のために戦い抜いた。世界中に何でも可能だということを示した。人生でこれほど誇りに思うことはない」とチームの戦いを称賛した。
ライダーカップ史上、最大の逆転劇は4ポイント、1999年に米国、2012年に欧州が逆転劇を演じている。この日は「もしかして米国チームが勝てるのでは...」と思わせる勢いを大いに発揮した。
初戦で米国チームのキャメロン・ヤングが最終18番で3mのクラッチパットを沈めジャスティン・ローズ(イングランド)を1アップで下すと、マッチ2のジャスティン・トーマスも18番でバーディを奪いトミー・フリートウッド(イングランド)に勝利。「17番でキャム(ヤング)がバーディを決めた大歓声を聞いた。そのパワーは間違いなく伝わってきた」(トーマス)。その勢いは米国チームにどんどんと広がった。
マッチ3のブライソン・デシャンボーはマシュー・フィッツパトリック(イングランド)に7ホールで5ダウンと大量リードを許したが、8番でバーディを奪うと流れを大きく変えて5つのバーディ、引き分けに持ち込み、0.5ポイントを獲得した。「我々は簡単に負けるような連中じゃない。このチームの一員で良かった。だけど1ポイントを取れていたら...」とデシャンボーは悔しさも滲ませた。
最大の注目は世界ランキング1位、2位のスコッティ・シェフラーとローリー・マキロイ(北アイルランド)の頂上対決。シェフラーは前日まで4戦に出場し0勝4敗と敗戦を続けていたが、14番でマキロイがボギーにすると1アップ。最後までそれを守り、逃げ切った。
「昨日の午後、4試合すべてを落としてしまった痛みを言葉にすることができなかった。だけどこの日はチームの素晴らしさを見せることが出来た。本当に良かった」とようやく笑みがこぼれた。
ホームで敗れたキーガン・ブラッドリー主将は2年前のローマ大会に続きアウェイのNYでも勝利した欧州チームのルーク・ドナルド主将を称賛。「ホームとアウェイのライダーカップを制したルークはレジェンドだ。普段は静かだが、ぼくの目には彼が史上最高のライダーカップキャプテンに映っている。欧州チームは驚くべき偉業を達成した。一方で僕はホームのキャプテンとしていくつかミスをしてしまった。コースの設定は、雨が降ってこんなにグリーンが柔らかくなることは望んでいなかった。この結果については僕が責任を取らなければならない」と静かに語った。(文・武川玲子=米国在住)
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