コースメンテナンスの裏にゴルフ場作業員の死亡事故……プレーヤーも他人事にならず、カートの運転には最大限の注意を!
時折耳にするアマチュアゴルファーによる乗用カート運転中の事故。そして、コース管理に従事している方々の痛ましい死亡事故も比較的頻繁に起こっていると、四六時中ゴルフ漬けのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典は語る。
新聞の片隅やネットニュースに、まあまあの頻度でゴルフコースでの事故の報道があります。“ゴルフ場で高所作業車で樹木を伐採していた作業員が高圧線に触れて感電死”とか、“ゴルフ場作業員が芝刈り機の下敷きになって意識不明で搬送”とか。
ゴルフコースは、常に手入れをしていないと、あっという間に野原になってしまいます。野原までならなくとも、手入れをサボれば、コースをプレーする人が不快を感じる大失敗に直結してしまうのです。いわゆるコースメンテナンスは、ゴルフ場の魅力を維持する最低限で、最大のサービスです。
管理スタッフは、効率を上げるために、分担作業をします。決まった時間内に必要な作業を終えるため、日の出と共にタイトなスケジュールで働いています。多くのコース内の事故は、一人での作業中に起きています。最も多い重機の下敷きになるケースは、斜面で重機が転倒して下敷きになるか、故障した重機を移動しようとして前に出ているときに重機が動いてひかれるか、というパターンなのだそうです。
今年の5月には、神奈川県のゴルフ場で、ショベルカーとトラックが積載作業中に横転し、作業員2人が死亡するという事故の報道がありました。現場は下り坂で、トラックが動き出したことが事故の引き金とみられているということのようです。高齢作業員が巻き込まれた痛ましい事故で、二度と起きてほしくないと切に願います。このような積載中の重機事故は過去にもたびたび発生しており、防止へ向けての対策が急務と言えるでしょう。
一般プレーヤーも運転するタイプの乗用カートで下敷きになる事故が発生していて、酷い場合は死亡事故になっています。コース内の事故原因を参考にして、斜面には入らないことや、カートの調子が悪くなったときに余計なことはせずに連絡して待つことを徹底しましょう。ゴルフは、どんなときでも安全第一です。一か八かの冒険は、自分のボールを打つときだけで十分です。
プレー中にメンテナンス作業をしているスタッフに遭遇することがあります。時々、まるで、奴隷に対応するような無礼な態度で作業を邪魔する人がいますが、言語道断です。
先程も書きましたが、メンテナンスがあってのゴルフコースなのです。自分たちのために、作業してくれているスタッフを下に見て、暴言を吐いたりするのは、ゴルフ以前に人として失格です。
「ありがとうございます」「お疲れ様です」と会釈しながら挨拶して、作業を待ったり、安全を確認してからプレーするのが正解です。そういう余裕が、ゴルフ力をアップさせる知性になるのです。簡単ですし、誰にでもできることなのでオススメです。
逆に、こんなこともできない人は、無知か、壊れていると思われて、軽蔑されてしまうでしょう。美しく、プレーがしやすいように整備されたゴルフコースが嫌いなゴルファーはいません。良いコンディションにこだわるのであれば、コースを管理してくれている縁の下の力持ちに感謝することとセットにするべきではないでしょうか。
繰り返しになりますが、ゴルファーを支えるゴルフ力の大部分は知性でできているのです。(文・篠原嗣典)
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験しゴルフと恋愛のために生きると決意。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」。
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