「親友みたい、すっごく仲が良いんですよ」 金澤志奈の初優勝を支えた母
<ソニー 日本女子プロ選手権 最終日◇14日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>
女子プロゴルファーNo.1決定戦で悲願のツアー初優勝を果たした金澤志奈。幼少期に抱いた夢は「お花屋さん」だった。それは金澤が1歳半のとき、母・雅枝さんが生花店「花色人」を経営し始め、働いている姿を見ていたからだろう。
父の影響で8歳のときにゴルフを始めた。そして中学3年生の頃、日本ツアー1勝の金愛淑(キム・エイスク)に師事してから、夢は「プロゴルファー」に変わった。2017年にプロテストに一発合格を果たし、「体の成長もゴルフの成長も奥手でマイペース」な娘はツアープロの道を歩み始めた。母は仕事の合間を縫ってできるだけツアーに帯同し、サポートをし続けている。
親子の関係を、娘は「親友みたい。すっごく仲が良いんですよ。いまが一番反抗期かもしれないけれど(笑)」と説明する。「私はゴルフに詳しくないので、お母さん目線でしか見られないけれど、本人からは『それがいい』と言われます」と母。今週は地元・茨城での開催で、車で30分の実家から通ったが、「いつも通り、ご飯をつくって、身の回りのお世話をして、“おやすみ”、“おはよう”っていう感じです。本人の気にかかることは全て排除してやろう、といつもやっています」と思いを話す。
1打差の3位で迎える最終日の前夜は、「娘が学生の頃、私が仕事でご飯をつくれないときにお願いしていた居酒屋のママに勝負メシを作ってもらいました」。鮭入りの混ぜご飯、チャーシュー、レンコンとさつまいもの甘辛揚げなど…。「すごい豪華」な献立をガッツリ食べて、ラスト18ホールに備えたという。
「いいゴルフができているけれど、もうちょっと上がいたね、という感じの2位、3位が続いていたから、本人はくじけていなかった。精神的にもバランスを崩さず、強い子です」と、娘の勝利にしみじみ。地元ということもあって集まったファンには知り合いも多く、『ママおめでとう!』という言葉もたくさん飛び交った。
そして娘も、「(目の前で優勝を見せられて)本当によかった。たくさん迷惑をかけてきたので、こうやって結果で恩返しすることができてよかった」と、支えてくれている母に心から感謝した。同じく茨城県笠間市出身の畑岡奈紗や星野陸也らが優勝するたびに、花色人は祝花のオーダーを受けてきたが、今回は、たくさんの祝福が金澤家に贈られることになる。(文・笠井あかり)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。