10季連続シード、日米共催大会出場へ奮闘中 青木瀬令奈が今季ベスト4位「このゴルフなら優勝争いできる」
<ゴルフ5レディス 最終日◇7日◇ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)◇6505ヤード・パー72>
青木瀬令奈らしい2連続バーディでの締めくくりで、7バーディ・2ボギーの「67」をマーク。今季自己ベストの4位タイに食い込んだ。
17番パー3はグリーン左手前に“日本一あごの高いバンカー”があり、ピンはその上に切られていた。青木は6番ユーティリティで50センチにつけた。「フォローの風だと思っていたのですが、先に打った(金澤)志奈ちゃんがエッジぎりぎりで、意外とフォローがないかも」と風を読み切り、バンカーを恐れずに振り切った。
最終18番パー4では、グリーン奥の段を上がったところにピンが切られていた。フェアウェイからの青木の2打目は、残り172ヤード。ツマ先上がりで左足下がりの複合傾斜のライだった。「ツマ先上がりで(ボールが)つかまる要素、左足下がりで右に行く要素もあって、風が右からで左にいく要素もあった」。グリーンの右には池、左にはバンカーと重圧がかかる場面。ライと風の状況をジャッジして導き出した「7番ウッドでカット」という繊細なショットは、ピンそば2メートルにつき、バーディで締めくくった。
最後のバーディパットを打つ際は、「これを入れると入れないで(メルセデス・ランキング)ポイントはどれぐらい違うのだろう。ひょっとしたらエリエールで泣くか、笑うかになるな、と思って打ちました」。時間をかけてラインを読み、下りのスライスラインをきっちり流し込んだ。
青木の言葉にある「エリエール」とは、シード権争いが決着する「大王製紙エリエールレディス」のこと。2015年から9季連続シードを保持するベテランだが、「(シードのことは)ずっと考えています」。ランキングはシード圏内の47位だが、まだ安泰とはいえない。
昨年11月、足の親指のツケ根にある種子骨を骨折。「半年ぐらい動かなければ骨はつく」そうだが、現役である以上、長期の休みは取れない。治療やケアだけでなくシューズやシューズのインソールも最適なモノを選んで使用し、徐々に状態は良くなってきた。
足の痛みが強かった序盤戦は、ドライバーの飛距離はキャリーで200ヤードに満たないほど。なかなか結果を残せていなかったが、今大会では最後にバーディを沈めたことで、今季ベストの4位フィニッシュ。「このぐらいの順位に入らないと、ポイントをまとめて稼げない。もともとケガでスタートしていて、なんとか(シード)圏内まで戻してきました。欲をいえば、(日米共催の)TOTOも出たいですし、優勝して(最終戦の)リコーカップにも出たい。ファンのみんなを連れていくのが毎年の目標なので」と力強く語る。
「TOTOジャパンクラシック」の出場権は、10月の「富士通レディス」終了時点のMR上位35名に付与。残り6試合でさらなるポイント加算が求められる。「体調が良くなってきている分、ショットは上向きです。この2日間はショットでのバーディが多かった。パットがもう少し入ってくれたら、おもしろかったけど」と悔しさも見せるが、「こういうゴルフができれば、優勝争いの回数はもっと増やせると思います」と終盤戦に向けて自信をつかんだ。
まるでウェッジのような精度で、ウッドやユーティリティを操る32歳。上がり2ホールのショットは、好調時を彷彿(ほうふつ)とさせる。10季連続のシードだけでなく、TOTOや最終戦の出場権獲得も現実味を帯びてきた。(文・小高拓)
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