「BlackBerryのようなスマホ」はいまも買える?物理キーボード搭載機種と入手方法
BlackBerryに代表される「物理キーボード搭載のスマホ」に、今でも憧れや懐かしさを感じる方は少なくないでしょう。
一方、近年のスマホは「大画面化」の傾向が続いており、物理キーボードはおろかホームボタンも廃する流れが長く続いています。しかし、2025年に入り、物理キーボード搭載スマホ市場に新たな動きが見られています。
この記事では、2025年8月時点で購入可能な物理キーボード搭載スマホについて、それぞれの特徴、長所、そして注意点を詳しく解説します。

物理キーボード搭載スマホの購入候補例
物理キーボード搭載スマホの市場は、もはや大手メーカーが競い合う場所ではありません。しかし、その代わりに情熱的な小規模メーカーやスタートアップが、特定のニーズに応える製品を開発しています。
Minimal Phone:電子ペーパーディスプレイが特徴

クラウドファンディングを経て2025年6月頃から出荷が始まった「Minimal Phone」は、電子ペーパーのディスプレイにQWERTY配列の物理キーボードが搭載されたスマホ。また、E Inkディスプレイは低消費電力で、1時間のフル充電で最大4日間の使用が可能です。
最大の特徴はやはり電子ペーパーディスプレイ。カラー対応はしていませんが、だからこそ目に優しく、たとえば「1日の終わりにスマホを見たいけど目に悪いから迷っている」という人にもおすすめ。
一方で、電子ペーパー独特の遅延があるため、ゲームなどには向きません。「必要最低限の機能だけ欲しい」という方におすすめです。購入価格は、日本円で8万7,800円です。
Titan Slim:BlackBerryを彷彿とさせるデザイン

「Titan Slim」は2022年に発表された物理キーボード付きスマホ。ディスプレイは4.2インチと小さめのため、物理キーボードを使って片手でのタイピングをしたい場合にも丁度いいサイズ感。
やや古い端末で、Antutuベンチマークではおおむね22万点程度(※ハイエンドスマホでは低くとも100万点~。150万点を超えるスマホも近年は多いです)。とはいえサブ端末としてブラウジングやLINE、メールを行うといった用途であれば2024年現在でも十分に利用可能です。
BlackBerryのファンの方にとっては、キーボードのサイズ感がBlackBerryと比較的近いのも嬉しい点ではないでしょうか。
日本で購入する場合、Unihertzの公式サイト(※2025年8月時点)での販売価格は約58,800円(399.99ドル)です。
Unihertz Titan 2:BlackBerryファン注目の最新モデル
2025年6月に発表された最新の物理キーボード搭載スマホが「Unihertz Titan 2」です。BlackBerry Passportを彷彿とさせる4.5インチの正方形ディスプレイ(1440×1440、120Hz)の下にQWERTY配列のキーボードを配置した構成となっています。

最大の特徴は、最新のOSやチップセットを採用し、従来の物理キーボード搭載スマホから大幅な性能向上を実現している点です。Android 15やMediaTek Dimensity 7300 SoC、12GB LPDDR5 RAM、512GB UFS 3.1ストレージを搭載しています
カメラ性能も充実しており、50MPメイン、8MP望遠(3.4倍)、32MPフロントカメラを搭載。背面には2インチのサブディスプレイ(410×502)も備え、通知やウィジェット表示が可能です。
物理キーボードはBlackBerryライクなトラックパッド機能を搭載し、キーの上をなぞることでスクロールやカーソル移動が可能。各キーには長押し・短押しの2種類のショートカットを割り当てることができます。
Kickstarterでクラウドファンディングを行っていましたが、2025年7月で終了。購入価格は399.99ドル(約5万8,800円)から。クラウドファンディング版の出荷は2025年10月予定ですが、正式発売日は未定です。
iPhoneで物理キーボードを使うなら、専用ケースも
物理キーボードがついているスマホのOSはいずれもAndroidです。iPhoneで物理キーボードを使いたい場合は、物理キーボードがついているケースを利用するのもおすすめ。

たとえば2024年1月に発表された「Clicks Keyboard for iPhone」は、ケース内部に出っ張っているUSB-Cポートに本体を挿して装着すれば、ケース表面の物理キーボードを使用可能になるケース。
iPhone 14シリーズ、iPhone 15シリーズに加え、2024年12月からはiPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Maxに対応したモデルも日本国内で正式販売されています。
日本での販売価格は、iPhone 16 Pro用が23,870円、iPhone 16 Pro Max用が27,280円となっています。iPhone 16シリーズ対応モデルでは、MagSafeやUSB-Cデータ転送にも対応するなど、機能も強化されています。
BlackBerry:復刻プロジェクトが始動
ちなみに冒頭でも名前を出した、物理キーボード搭載スマホの代表格「BlackBerry」はスマートフォン市場からほぼ姿を消している状態でしたが、2025年7月に中国企業が復刻プロジェクトをスタート。これは、BlackBerry Q20の既存の外装を活用し、中身だけを入れ替えるDIYキットの発売です。動作しない端末を持っている方向けの復刻プロジェクトです。

なお、本体を持っていない方向けの製品版プランもあります。価格はDIYキットは300ドル(約4万4,200円)で、製品版は420ドル(約61,800円)となります。
BlackBerryの隆盛と衰退はカナダで映画化もされ、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品されるなど話題にもなりました。一方で2024年現在、スマホとしてのBlackBerryには特に本格的な復活や新製品発売の動きは見られません。5G対応での本格的なブランド復活は、噂が立ち上っては消えているのが現状です。
物理キーボード搭載スマホには根強い愛好家が多く、5G対応のBlackBerryが登場すれば市場が活性化することは間違いないでしょう。そのため、復活を期待する声は今後も高まると考えられます。
記事提供元:スマホライフPLUS
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