“日本未発売モデル”も投入 不振脱出へ尾関彩美悠がUT総入れ替えの“荒療治”「うまくハマった」
<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 初日◇15日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6625ヤード・パー72>
「毎日つらくて…。ひとつずつよくなるように試行錯誤をしての今です」
初日を4アンダー・7位タイで終えたツアー通算1勝の尾関彩美悠は、苦しいシーズンを送っている現在について、そんな本音を漏らした。ここまでフル出場を続けてきたが、20試合で予選落ちは12試合(棄権1試合)を数える。トップ10入りは1度もなく、メルセデス・ランキングは101位。この状態が続けば、どうしても気分は滅入ってしまう。
その原因はショットにある。61.1111%で86位のパーオン率は、66.6152%(51位)だった昨季よりも5%以上も数字を落としている。「(3試合前の)明治安田レディスでドライバーが曲がったので、次の週にシャフトを替えたらよくなった。ただ、次はUTが荒れてきて…」。どこかが解消すれば、また別の部分に問題が…、というなかで“ひとつずつ”課題に向き合っている。
そして今週は、そのUTにメスを入れた。尾関は3~6番まで4本のUTを入れているが、まずはそのヘッドを契約するスリクソンの『ZXi ハイブリッド』に変更した。これまでは同社の『ZX Mk II』がエースだったが、それを4本総替えするという荒療治だ。
さらに、ヘッドだけでなくシャフトも変更。こちらも今週からUSTマミヤの『リコイルダート』に差し替えた。ダンロップの担当者によると、尾関は「ヘッドとシャフトの組み合わせに対する感覚が鋭い」といい、最良の組み合わせにすることこそ大きな意味を持つ。このリコイルダートは60グラム台(65)の軽量モデルなのだが、これは日本未発売のもの。USTマミヤの担当者が、尾関に合うものを探すなかで、これに目をつけ米国から取り寄せた。
これまでウッド、UT、アイアンは別のシャフトを使用してきたが、今回は昨年から挿しているアイアンと同じシャフトにすることで、「振り感がスムーズになった」という工夫も施した。これには「UTがうまくハマりました」と納得の表情。実際に17番パー3で奪ったバーディは、6番UTで2メートルにつけ、それを決めたものだった。
さらにメンタル面でも、先輩からのアドバイスで前を向くことができている。「あまりコミュニケーションを取るのが得意ではない」と苦笑いを浮かべるが、明治安田レディスで2日間一緒にプレーした工藤遥加に苦しい胸の内を相談すると、熱心な助言が返ってきた。
さらに、今週の水曜日には選手、キャディ、関係者が集うバーべーキューにも呼んでもらい「リフレッシュできました」。軽井沢でも練習ラウンドをともにするなど、頼れるお姉さんになっている。
「(工藤は)すごいポジティブで、それは大事だなと思いました。私も根はポジティブだけど、これだけうまくいかないと落ち込む。今週はいけるかなと思ってもダメなことが続いて、心が萎えている時にアドバイスをもらえました」。その言葉のひとつ、ひとつがいいイメージにつながってくる。
初日は序盤の前半4番でバンカーから寄せきれず、3パットのダブルボギーも叩いたが、「バーディで気持ちを切り替えながら」と、前を向いて歩みを進めた。すると後半の11番で12メートルを決め、さらに12番で1メートル、13番で1.5メートルのチャンスをものにし、16、17番でも連続バーディを奪う猛攻につながった。
「悪かったところを修正して」。首位とはわずかに2打差。不振脱出どころか、2022年9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」以来となるツアー2勝目も狙える位置だ。(文・間宮輝憲)
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