自己最高・3位の古川龍之介 ラウンド後の日課は1メートルのパット「インパクトで緩まなくなる」
<リシャール・ミル チャリティトーナメント 最終日◇3日◇能登カントリークラブ(石川県)◇7142ヤード・パー72>
国内男子ツアー「リシャール・ミルチャリティ」で福島県勢初のツアー優勝を目指した24歳・古川龍之介。首位と1打差の2位から出た最終日は「69」で回り、3打差のトータル21アンダー・3位で4日間を終えた。悲願達成とはいかなかったが自己最高の順位で初シードに大きく前進した。
初日「65」、2日目「64」と予選ラウンドは連日、ツアーでの自己ベストスコアを更新して首位タイで折り返した。決勝ラウンドに入ると「ショットが崩れたのでうまくいかなかった」と予選のようなショットが打てずに初タイトルは逃した。「最後(18番)のバーディのおかげで単独3位。自分にとっては大きい。いい1週間だったけど悔しい優勝争いでした」。今季レギュラーツアー本格参戦1年目の古川は、初めての優勝争いで順位を大きく落としてもおかしくないなか、いい位置でプレーできた経験は今後の糧になる。
今年6月の「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で自己ベストフィニッシュとなった6位タイを更新する結果だ。賞金646万円を加算して今季の獲得賞金は1271万円と、昨季のシード権のボーダーライン974万円余りを大きく上回った。
4日間を振り返ると「フィーリングがすごくよかった」と平均パット数1.6226はフィールド4位。パッティングが躍進の要因となった。「距離感が勝手に合っている感じでした。ショートゲームがスコアにつながるんだなと、すごく勉強になりました」と自身のみならず福島県勢初優勝へ向けても大きな収穫を得た。
大会は連日30度以上の灼熱の中で行われ、ラウンド後は体力消耗を避けて練習をしない選手も多くいた。古川もショットが不調になった3日目以外はほとんど打撃練習場には行かなかった。ただ、ホールアウト後には欠かさず練習グリーンへ向かった。
日差しを浴びて長時間ボールを転がすわけではなく、1メートルの距離を数分打つのみ。「インパクトが緩まない練習です。あれぐらいの距離はラインよりもインパクトの方が大事かなと思ってやっています」。ラウンド前は距離感を養うロングパットやライン読み、ショートパットとひと通りこなすが、ラウンド後はショートパットが中心になる。
真っすぐなラインだけでなく、フック、スライスと軽く曲がるラインも数カ所行う。「軽く曲がるラインはカップを大きく外さなくても、(ほぼ真っすぐ狙いで)インパクトがしっかりしていれば入ります。カップの奥側に当たるように打っています」。
軽く曲がるラインは緩むとカップ際で曲がって入らないことはよくあるが、1メートルを緩まずに打てればカップインの確率は上がる。インパクトで緩まない感覚を保つ“省エネ”練習の成果はサンデーバックナインで3つ伸ばせたことにつながっていた。
「優勝はやっぱり難しいんだなと思ったので、普段から上の人たちも意識して練習しているだろうし、本当に勝ちたいです」。決意を持って次のチャンスで初優勝をつかみたい。(文・小高拓)
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