戦後80年記念、大阪のシネ・ヌーヴォで日本の戦争映画史を紐解く特集上映が今夏開催
戦後80年となる2025年の今夏、大阪のミニシアター〈シネ・ヌーヴォ〉において、これまで製作された数多くの日本の戦争映画の中から、40作品を8つのジャンルに分けた『決定版! 日本の戦争映画史』が7月26日(土)より上映される。
40本に及ぶ上映作品は8つのジャンル(戦意昂揚映画/広島・長崎/“特攻隊員の生還者”須崎勝彌脚本作品/破滅への道「二・二六事件」/東宝特撮戦争映画/巨匠たちの戦争/多彩な戦争映画の数々/創られ続ける戦争映画の数々)に分けられた多彩な作品がラインナップ。それぞれの作品に通底する戦争反対の思いを、戦後80年の今だからこそ、受け取る良い機会としてはいかがだろうか。
また、キネマ旬報社では、7月29日(火)にキネマ旬報ムック『戦後80年 戦争の記憶をつなぐ映画たち』(キネマ旬報社)を発売。
日中戦争、太平洋戦争から敗戦後の日本まで、「前線」「真珠湾攻撃」「南方戦線」「沖縄戦」「軍隊内部」「戦時下の日常」「空襲」「原爆」「敗戦」「引揚げ」「戦災孤児」「軍事裁判」などそれぞれの歴史を描いた映画130本以上を種類別に解説する「戦争と映画と歴史」、山田洋次監督、香川京子さん、吉永小百合さん、塚本晋也監督、片渕須直監督らのインタビュー「映画と戦争をめぐる映画人のことば」に加えて、「戦意高揚と民主化と戦争責任」、「時代別戦争映画論」、座談会「映画は戦争の何を描くのか」などを掲載。収録した伊丹万作監督による「戦争責任者の問題」は1946年に発表された貴重な論文で、まさに現在、必読の問題提起である。
特集上映とあわせて、「戦争」を考えるきっかけになること間違いなし。ぜひお買い求めください。
キネマ旬報ムック『戦後80年 戦争の記憶をつなぐ映画たち』
B5判/208頁/1,980円(税込)
■購入は、全国の書店、映画館、KINEJUN ONLINE SHOPにて
「戦後80年記念 決定版! 日本の戦争映画史」
期間:2025年7月26日(土)〜9月12日(金)
会場:シネ・ヌーヴォ(大阪・九条)
主催:シネ・ヌーヴォ、日本映画大回顧展上映実行委員会、
協力:配給会社各社
【上映作品】
〈戦意昂揚映画〉
「五人の斥候兵」/「ハワイ・マレー沖海戦」/「マレー戦記・進撃の記録」/「サヨンの鐘」/「陸軍」/「桃太郎 海の神兵」
〈広島・長崎〉
「ひろしま」/「TOMORROW 明日」/「黒い雨」/「父と暮らせば」
〈“特攻隊の生還者”須崎勝彌脚本作品〉
「あゝ零戦」/「太平洋奇跡の作戦 キスカ」/「南十字星」
〈破滅への道「二・二六事件」〉
「二・二六事件 脱出」/「激動の昭和史 軍閥」/「動乱」第1部:海峡を渡る愛 第2部:雪降り止まず
〈東宝特撮戦争映画〉
「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」/「日本海大海戦」/「連合艦隊」
〈巨匠たちの戦争〉
「戦争と平和」/「風の中の牝雞」/「また逢う日まで」/「壁あつき部屋」/「あゝ声なき友」/「ひめゆりの塔」
「東京裁判」/「八月の狂詩曲(ラプソディー)」
〈多彩な戦争映画の数々〉
「人間魚雷出撃す」/「二等兵物語 女と兵隊・蚕と兵隊」/「硫黄島」/「零戦黒雲一家」/「戦場にながれる歌」/「春婦伝」/「サンダカン八番娼館 望郷」
〈創られ続ける戦争映画の数々〉
「ゆきゆきて、神軍」/「スパイ・ゾルゲ」/「火垂るの墓」(実写版)/「野火」/「海辺の映画館 キネマの玉手箱」

■特別上映
「Yokosuka1953」
トークショー開催
・7/26(土) 永田喜嗣さん(戦争映画研究家『戦争映画を解読せよ!』著者)
・7/31(木)・8/1(金) 春日太一さん(映画史研究家)
・8/2(土) 西村正男さん(関西学院大学社会学部教授)
・8/30(土) 渋谷哲也さん(ドイツ映画研究)
・9/6(土) 日向寺太郎監督(『火垂るの墓』監督)
記事提供元:キネマ旬報WEB
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