アスリートと睡眠を考える。ヤクルトのクラブハウスで見たものとは?【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第176回
アスリートと睡眠について語った山本キャスター
先日、レギュラー番組の収録でヤクルトのクラブハウスへ取材に行った時のことです。私たちが使わせていただいている部屋の近くに、たくさんの荷物が置かれていることに気づきました。
どうやら選手たちの私物のようで、遠征先に送るのか、あるいは遠征先から送られてきたのでしょう。もちろん、どなたのものかはわかりませんが、その中に大きな袋がいくつかありました。中身はおそらく、マットレスや寝具だったんじゃないかと思います。
これも推論ですが、それらは選手が遠征先のホテルに送ったものだったんじゃないかと。大谷翔平選手のマットレスのCMでもおなじみになりましたが、アスリートが睡眠を重視していることがより広く知られるようになりました。中でもベッドは、非常に睡眠の質を左右します。遠征先のホテルのベッドが体に合わないかもしれない、あるいは、慣れているマットレスがいいといった理由で、寝具を持ち込んでいるのではないでしょうか。
ちなみに、番組でご一緒している五十嵐亮太さんによると、チームメイトでは遠征先に枕を送る選手が多かったそう。最近は、上質でコンパクトなマットレスが普及したことで、枕だけでなく寝具一式をまるっと送るスタイルに変化したのでしょう。ちなみに五十嵐さんは、ゲーム機を持っていって、よく高津臣吾監督と一緒にやっていたそうです(笑)。
プロ野球は毎日のように試合があります。遠征の場合は、ナイターが終わってから食事をして寝る時間もだいぶ遅くなるでしょうし、翌日も試合があるとしたらしっかりと寝ておきたいですよね。
でも、枕やベッドが変わると寝られないことがありますよね。また、寝具が合わないと、目が覚めた時に体がバキバキになっているかもしれません。そして、それは間違いなく試合でのパフォーマンスに影響します。
試合で力を発揮できなければ、それが評価につながる。つまりアスリートにとって、いい睡眠ができるかどうかは死活問題なのです。
番組の取材時に発見しました。山本の名入り提灯! 見つけていただけるとうれしいです。
メジャーの場合は試合数も多く、アメリカ国内でも時差があったり、日本のプロ野球のように月曜が休みと決まっていたりするわけではないので、長い連戦が組まれることがあります。移動時間も長いため、イチローさんは睡眠薬を服用して、睡眠のルーティンを崩さないようにしていたそうです。
さて、先ほどもお話した五十嵐さんは、主に中継ぎとして活躍しました。野球選手の多くは夏場になると、夏バテで食欲が落ち、体重が減るそうです。しかし中継ぎには、ごはんを食べ続けられるタフさが必要なんだとか。どんな時でも、たくさん食べて、よく寝られるのが中継ぎの必須条件と五十嵐さんは言います。
先日、中継ぎとして活躍中のヤクルトのルーキー、荘司宏太投手にインタビューをさせていただいたのですが、普段からよく食べるとのことで、焼肉とチーズケーキが大の好物だそう。コンディション不良で体が動かせない時などは、太ってしまうのが困ると話していました(笑)。
ヤクルトの若手では長岡秀樹選手が、インタビュー時に睡眠にこだわっていることを教えてくれました。まだ23歳。若いうちから睡眠の質にまで意識が向くなんて、将来が楽しみです。現在はケガで離脱中ですが、たくさん寝てコンディションを万全にして、復帰してくれる日を心から楽しみにしています。
プロ野球選手にとって睡眠は大事な準備であり、もっとも効果的な"投資"なのかも。私たちもプロ選手に見習い、しっかりと睡眠と向き合い、活力を持って暑い夏を乗り切りましょう。
それではまた。
構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作
記事提供元:週プレNEWS
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