西村優菜の不本意な“夏休み” 今季日本2試合目に懸ける思いは「少しでも発見があれば…」
<大東建託・いい部屋ネットレディス 事前情報◇23日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡)◇6503ヤード・パー72>
米ツアーから一時帰国し、主催者推薦で出場する西村優菜が悩める胸の内を明かした。
「徐々に良くはなっているけど、大きなミスが出ると怖くて振れなくなる。なかなかスコアにつながらないですね。やっぱりヨーロッパに行きたかったという思いがある。日本に帰ってきて、プラスになることを探すのは最初は難しかった。今週はコース内で何か発見があればいいなと思います」
米ツアー3年目となる今季はここまで15試合に出場し、トップ10入りはなし。10試合で予選落ちを喫し、ポイントランキング(PR)は142位にとどまっている。シード選手でありながら、PRなどに基づいて出場資格が決まる2週前の「エビアン選手権」、来週の「AIG女子オープン」(全英)など、メジャー2試合を含む欧州シリーズ3試合の出場はかなわなかった。
次戦の米ツアーは8月14日開幕の「スタンダード・ポートランドクラシック」。3月の「Vポイント✕SMBCレディス」以来となる今季2試合目の日本ツアー出場は、不本意な“夏休み”を少しでも有意義に過ごすためのものとなる。
6月末の「ダウ選手権」後に帰国した。「次の試合まで1カ月半もある。もったいなく過ごすより、いい1カ月半にしたいと思えるようになりました。最初は(米下部ツアーの)エプソンに出ようと思ったけど、それも出られない状況で、推薦をいただいたこの大会に出させていただくことにしました」。失意の帰国ではあったが、気持ちは少しずつ前を向き始めている。
初めて回るコースでの一戦。バーディ合戦となった昨年大会は、川崎春花がトータル28アンダーのツアー記録で制した。今年も優勝争いに絡むには、バーディ量産が不可欠となる。「グリーンはかなりやわらかいので、ピンデッドに打っていく感じですね。でも、ショット勝負になるので、不安は少しあります。メンタルの部分も大きいんでしょうね」。帰国後はジュニア時代から指導を受けている中島敏雅プロのアカデミーなどで練習を重ね、光明も見いだしている。
「月曜からの3日間でも、いろいろ発見があった。そこをプラスにとらえてやっていきたい」
日本ツアーでは通算6勝。コロナ禍で統合された2020—21年シーズンでは、ツアー2位の551バーディを記録して4勝を挙げた。2022年にはダブルボギーがわずか10個という安定感を武器に2勝をマーク。飛距離は出ないが、曲がらないショットでトッププロの地位を築いてきただけに、「大きく右に行くミスが多くて、頭の中が“グジャ~”となる」という現状はなかなか受け入れがたいものがあるが、心は折れていない。
8月4日は25歳になる。今週は24歳最後のラウンド。帰国後も黙々とゴルフと向き合い、息抜きをする暇もなかったという。「結局、ゴルフをしていました。ゴルフがやっぱり好きなんでしょうね」。
8月の渡米後は、まず“準シード”ともいえるPR100位以内を目指す戦いが待っている。輝きを取り戻すための発見に注力する今大会。夏休みは喜んで返上する。(文・臼杵孝志)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。