最終日に9バーディで大逆転V 高野愛姫は手元をストンと落として高精度ショットを連発していた【優勝者のスイング】
「ヨネックスレディス」で20歳の高野愛姫が初優勝を飾った。4打差の6位からスタートした最終日は、8番から4連続バーディを奪うなど、9バーディ・1ボギーの「64」をマーク。終わってみれば、2位に4打差をつける圧勝だった。勝負どころでバーディラッシュを見せた高野のスイングは、プロコーチの南秀樹にはどう映ったのか。
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167センチの長身を生かしたスイングだと思います。ややフラットなトップ位置だと、小柄な女子選手はダウンスイングの軌道もフラットになることが多いですが、クラブの引き付けが上手く、また身長が高いことも相まってクラブが立って下りています。
また、左右の体重移動をほとんど使わず、その場で肩や腰を入れ替えているのも特徴的。スイング軸がとても綺麗です。ダウンスイングのお尻、フォローでの左足の力感が良く、インパクトからフォローにかけては、早めに左サイドを回転させているので、詰まり感もありません。動きの中で、左ヒザは伸びているのに、頭の位置がほとんど変わらず、前傾キープできているのも素晴らしい点。将来性を感じさせます。
高野さんのように、ダウンスイングで手元をストンと真下に下ろせば、クラブが立つので、軌道が安定。タメも生まれるので飛距離にもつながります。左ワキを軽く締めると腕の力みが取れる。左ヒジや左の小指の外側が下を向くようにすれば、手元を真下に下ろしやすくなるはずです。
一方で、左ワキが開けば腕に力が入って、手元が体から離れやすかったり、左へ突っ込んだり、ミスの原因となってしまいます。また、ダウンスイングで右ヒジを絞り過ぎると、左腕が浮いて左ワキも開きやすくなる。練習では、左ワキにタオルやグローブなどを挟んで、ワキの締まりを意識してみてください。
■高野愛姫
たかの・あいひ/2004年生まれ、東京都出身。23年のプロテストに合格し、24年シーズンはステップ・アップ・ツアーを主戦場に戦った。今季はQTランキング23位でレギュラーツアーの出場権を獲得。「ヨネックスレディス」で最終日に「64」を叩き出し、逆転での初優勝を果たした。 Jトラスト銀行インドネシア所属。
■解説:南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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