【次世代エースストライカーの主張②】福田師王「(板倉)滉君と一緒に、 W杯の大舞台に立つことが僕の目標」
福田師王 2004年4月8日生まれ、鹿児島県出身。2022年、神村学園高等部3年時に全国高校選手権で得点王に輝く。2023年、Jリーグ10クラブのオファーを断り、独1部ボルシアMGへ加入。U-19、U-23(セカンド)を経て、24年にトップ昇格。今年1月には独1部での初ゴールも記録。世代別代表にも招集され、2023年のU-20W杯にも出場した
"高校No.1ストライカー"として2022年の高校選手権で大ブレイク。その後、Jリーグ10クラブからのオファーを断りドイツへ。日本代表DF・板倉 滉も絶賛する天才FW・福田師王(ふくだ・しおう)が思い描く夢とは――。【次世代エースストライカーの主張②】
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■意識しているのはあの日本代表FW――神村学園高等部時代は、〝怪物〟として高校選手権でも大活躍。Jリーグ10クラブから声がかかったにもかかわらず、なぜドイツのボルシアMGを選んだんですか?
福田 いきなりトップチームに入ってプレーするのではなく、セカンドチームから着実に成長させてくれると感じたからです。
――Jリーグのクラブにも練習参加したんですよね? 高校ではNo.1でも、やっぱりプロのレベルは違ったと。
福田 はい。技術やスピード、フィジカルが段違いでしたね。これでは入ったとしてもすぐに試合に出られる保証はないなって。だったら、しっかりステップアップできるシステムを持つボルシアMGがいいだろうと。それに、早い段階で声をかけてくれたのも決め手のひとつでした。
――高3でヨーロッパの数クラブに練習参加した際には、現在のチームメイトである板倉 滉選手や、吉田麻也選手と食事をして、いろいろと話を聞いたそうですね。
福田 はい。紹介してもらいました。実はその前に堂安 律選手にもお会いしていて。皆さんからのアドバイスはすごく参考になりましたね。
――23年1月にボルシアMGに加入、U-19に始まりその後はU-23(セカンド)チームへ。実際に飛び込んでみて、どうでした?
福田 それこそスパイクだけ持って寮生活に入った感じだったんですけど、楽しかったですね。試合ではバンバン点を決められたし。言葉は全然できなかったけど、チームメイトがみんな優しく声をかけてくれて。
――じゃ、セカンドに上がってからも、割と順風満帆で?
福田 いや、セカンドに上がったら、だんだんと結果を出せなくなって。キツかったですね。けど、そこでもやっぱりチームメイトがメッセージアプリで励ましの連絡をくれたんですよ。「あなたが必要だから顔を上げて頑張り続けてほしい」と。
――その後、独4部リーグで活躍、24年1月に念願のトップチームへ。でも、そこからまた出場機会にはなかなか恵まれず苦闘の日々。どうやって自分を鼓舞しましたか?
福田 クラブで活躍して、日本代表に選ばれたい、滉君と一緒にプレーしたい。その思いだけでした。試合に出られないときこそ、貴重な準備期間だとポジティブにとらえるようにしていました。それと滉君が「師王、絶対(機会は)あるからな。常に準備しておけよ」と。支えになりました。
――例えば最終節のヴォルフスブルク戦(5月17日)。板倉選手が球を持つと、福田選手は瞬時に動き出していましたが、普段からふたりの間では一発を狙うための策があったんでしょうか?
福田 はい、「師王が出たら俺が(パスを)一本出すから、仕留めてこいよ」と。滉君のゴールへの嗅覚もすごく勉強になります。特にコーナーキックからのヘディングとか。自分も決めてみたいです。
――ちなみに同じFWで意識している選手は誰ですか?
福田 チームメイトでドイツ代表のティム(・クラインディーンスト)です。ボールの収め方や前線からの守備は盗みたい。それと、日本代表では上田綺世選手ですね。フィジカルがヤバいです。
――福田選手も肉体面でいえば、去年に比べて体がデカくなりましたよね?
福田 はい、体重は3kg増えましたね。いい感じに体が仕上がってきています。
24-25シーズン、福田はブンデスリーガ6試合に出場。合計出場時間は約55分と、限られたチャンスながら持ち前の決定力を発揮し、自身初となるブンデスリーガでの得点を記録するなど、大きな爪痕を残した
――24-25年シーズンは一度も先発出場がなく、すべて途中出場。限られた時間の中で、それでも第17節・ヴォルフスブルク戦では自身のブンデスリーガ初となるゴールを89分に決めました。そんな厳しい条件を乗り越え、これから先、自分自身をどう高めていきたいですか?
福田 自分の持ち味である動き出しやシュートをさらに磨き上げたいですね。トレーニングの段階から決定力の違いを見せつければ、もっとボールは入ってくるのかなと。あと、さらに低い位置でボールを受けて、ずっとボールに関わり続ければ、ゴールへのチャンスは生まれるはずです。
――クラブで結果を出し続ければ、いよいよ日本代表への招集、W杯出場も見えてきますよね。今の福田選手にとっての原動力は何ですか?
福田 やっぱり夢があることですね。「W杯は違うぞ。国を背負って戦う素晴らしさは出てみないとわからないよ」という滉君の言葉が忘れられなくて。一緒にW杯の舞台に立ちたいです。
構成・文/高橋史門 撮影/Taisei Iwamoto
記事提供元:週プレNEWS
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