47歳の所属プロ・近藤智弘が好発進 19年ぶりの初V舞台で「久しぶりにドキドキ」
<日本プロゴルフ選手権 初日◇22日◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース(岐阜県)◇7337ヤード・パー72>
2006年覇者の47歳・近藤智弘が、19年ぶりに同じ舞台に帰ってきた。開催前日には「いい思い出。初優勝だからね。(日本プロは)同じ会場で行うわけではないから…」と感極まる姿を見せていた。
その優勝をきっかけに三甲ゴルフ倶楽部の所属になった。「プレッシャーはある」と話していたが、初日は1イーグル・4バーディ・2ボギーの「68」をマーク。4アンダー・9位タイで2日目に進んだ。
三甲株式会社の会長・後藤甲平氏に見守られながら、朝一のティオフ。「プレッシャーが半端じゃなかった(笑)。久しぶりにドキドキした」。うれしさもありながら、所属先の会長の前で打つショットは47歳のベテランにとってもかなり緊張した。
そんなスタートで滑り出したこの日は、「全体的にショットがまあまあ良かった」とグリーンを外したのは4回だけ。要因は、前日まで取り組んだスイングの調整だった。「(スイングで)思うところがあって、チェックしながら(練習を)やっていた。試合でやるのは難しいけれど手応えはあったので、少し怖いけどやっていこう」と実践。パーオン率は77.778%で全体2位を記録し、成果を発揮した。
さらに好調なショット力で、14番パー5では88ヤードからピン奥3メートルに落とし、バックスピンでショット・イン・イーグルを奪った。「うまく寄りそうだな」というイメージが最高の結果に。「いいショットだったし、入るのもおまけみたいなものだけど、いい感じで打てたのですごく良かった」と笑みをこぼした。
初優勝を挙げたのは28歳のとき。それから19年が経ち、47歳になった。当時と今の違いをこう語る。「同じことをやっているけど、置かれている状況も違うし、(体の)コンディションも違う。全てが変わってきている」。
時代の変化は、選手のレベルやコースセッティングにも現れている。総距離は7003ヤードから7337ヤードに伸びた。334ヤード増えただけでなく、改修も施され、「もともと難しいコースが、さらに難しくなっている」と印象を口にする。
男子ツアーの競争力も年々高まり、若手の台頭が著しいなか、「すべてが落ちている」とやや自嘲気味に自身を語る。昨年はケガもあり、出られる試合も少なかった。しかし今年のオフは、3年ぶりにトレーニングを行うなど「調子が良い」。そして待ちに待った今大会。「簡単にはいかないけど、応援してくれる人も多い。何とか頑張りたい」と、大会2勝目への想いもある。
そんな近藤の組には、多くのギャラリーが帯同した。クラブ契約を結ぶブリヂストンのロゴ入りの日傘をさすファンの姿が目を引いた。「いつも応援に来てくれる皆さんに、日傘をお渡ししているんです。いっぱい来てくれるので。今回は名古屋の人も多いね」と心配りを見せる。その温かさと配慮に“ベテランの品格”が感じられた。
まだ大会は初日が終わったばかり。残り3日間へ気持ちは冷静だ。「何が起こるか分からないから、気を引き締めてやっていく」。メジャーの厳しさを経験しているからこそ、結果だけにこだわらない姿勢で挑んでいく。(文・高木彩音)
<ゴルフ情報ALBA Net>
記事提供元:ゴルフ情報ALBA Net
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。