葭葉ルミがさらりと“衝撃告白”「ツアーは今年いっぱいかもと…」 そこから引きあげたクラブの存在
<ブリヂストンレディス 2日目◇23日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6642ヤード・パー72>
32歳の葭葉ルミが「70」のラウンドでスコアを伸ばし、トータル6アンダーのトップ10圏内で決勝ラウンドに進みそうだ。かつてのシード常連も直近4シーズンはシード落ち。「伸ばし合いについていけなくなった」と今季限りのツアー撤退を考えていたが、ここまでキャリアハイの好成績。引退どころか、2016年「ニッポンハムレディス」以来のツアー2勝目も見えてきた。
2週前の国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」で優勝争いを演じ、単独3位に食い込んだ葭葉は現在メルセデス・ランキング16位。賞金ランキングでも22位につけている。優勝した16年の賞金ランキングが26位とあって、ここまでは自己ベストの成績と言っていい。
本人は開幕から“異変”に気づいていたようで「ダイキンオーキッドレディスで15位だったんですけど、あの試合では今まで予選を通っただけみたいな成績しかなかったので、『あれっキャリアハイじゃん』ってなりました(笑)」。昨年までと大きく変わったのは精神面。「意気込み過ぎずにゴルフを楽しむことを目標にしています。ツアーは今年いっぱいかもしれないなと思っていたので、いい意味で肩の力が抜けて、ショットもパットも安定していますね」。開幕前には引退が頭をよぎっていたことをサラリと明かした。
もうひとつ大きいのは「もう一生このセッティングでいいんじゃないかと思ってます」と絶大な信頼を寄せるクラブとの出会いだ。1Wは契約メーカー・本間の「TW767プロトタイプ」。開幕後につかまりのいいモデルにチェンジした。「振らなくても飛ぶし、振ったらさらに飛びます。低いドロー、フェード、ストレートと打ち分けられるのが楽しいです」。今大会前までのドライビングディスタンスは254.98ヤードの5位と、持ち味に強みも増している。
さらにお気に入りはアイアンだ。昨季終盤から使用する「TW767Px」はポケットキャビティとしては小ぶりなモデル。「小さいけどミスがミスにならないし、球が上がって、飛距離も出るんですよ。本当におばあちゃんになっても使ってるんじゃないかと思います(笑)」。今季の好調をこれらのクラブが支えている。
2日目は1番パー4の2打目をグリーン奥の池に入れ、ダブルボギー発進となったが「まだ出だしなので取り返すチャンスはあるなと思って焦りませんでした」。そんな思惑通り、6、7番の連続バーディで挽回すると、後半には13番から3連続バーディ。なかでも14番パー4のチップインが大きかった。
決勝ラウンドに向けて葭葉は「もちろん勝ちたいんですけど、あまり意識せずに、これまでと同じ気持ちでやった方が伸ばせるのかなと思っています」。意気込み過ぎないスタイルは継続。肩の力を抜いて8年319日ぶりの優勝を目指す。(文・田中宏治)
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