「功績は偉大」 S・ノリスがジャンボ尾崎に並ぶ『61』 “逆手”グリップのアプローチ大活躍?
<日本プロゴルフ選手権 2日目◇23日◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース(岐阜県)◇7337ヤード・パー72>
昨年の国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズ JTカップ」でツアー通算7勝目を飾った43歳のショーン・ノリス(南アフリカ)が、再び日本の舞台で圧巻のプレーを見せた。
4アンダー・9位タイで迎えた2日目にボギーなしの11バーディを奪い「61」のビッグスコアをマーク。トータル15アンダーまで伸ばし、単独首位に浮上した。「全体的にきょうのプレーは満足している。自分にいいチャンスを与えられた。いいところにつけられて、簡単なパットを残せた」と好調の要因を語った。
この日のパット数はわずか18回。自身のツアー最少記録を更新し、国内男子ツアーの最少パット数タイ記録となった。加えて、18ホールでの11バーディは自身最多タイ。ショートゲームの冴えが際立ったラウンドとなった。なかでも象徴的だったのは最終9番ホール。15ヤードの3打目をチップインバーディで締めくくり、「最後のチップインは特別だった」と笑顔を見せた。
この日、ノリスはパターで使われることが多いクロスハンドグリップでアプローチを行っていた。これは左手が下にくる握り方で、「右手が強い」クセを補い、「左手リード」がしやすくなる利点がある。2年前から練習で試し、「去年の中旬くらいにクロスハンドでチップしたらいい感触だった。そこからやりはじめた」と、試合でも採用している。
「より安定して、ヒンジしない。(左手が主導になることで)コントロールが上がる」と話した。このスタイルは短い距離に限らず、「最大50ヤードのキャリー」まで使用。後半2番パー4では約60ヤードのアプローチでもこのグリップで対応し、惜しくも寄り切らなかったが、その後の10メートルのパットを沈めてバーディ。ショートゲームが輝いた一日となった。
今回マークした「61」は、1991年にジャンボ尾崎が記録した大会最少ストロークタイ。ノリスは「ジャンボ尾崎さんの記録に並べたのは光栄。ジャンボさんの功績は偉大で、それに並ぶのは誰でもうれしい。将来、ジャンボさんが成し遂げてきたことに続けたらいいな」と敬意を込めた。
さらに、この大会で優勝すれば、2017年「日本プロゴルフツアー選手権」、21年「日本オープン」、24年の「ゴルフ日本シリーズ JTカップ」に続く、日本タイトル4冠制覇。片山晋呉以来18年ぶり、史上7人目の快挙になる。さらに、日本タイトル連勝は1973年以降で12人目となる。
午後組がプレー中ではあるものの、後続に6打差をつけており、週末へ向けて絶好のポジションにいる。この大量リードを生かし、史上7人目の偉業達成へと突き進む。(文・高木彩音)
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