最終18番イーグルで逆転V “ギッタンバッコン”が神谷そらの圧倒的飛距離を生み出していた! 【優勝者のスイング】
「Sky RKBレディスクラシック」で、神谷そらがツアー通算3勝目を飾った。一時はトップと4打差を付けられながら、3連続バーディで1打差に迫ると、最終18番ホールではイーグルを奪取。「劇的な勝利だった」と振り返るのはプロコーチの南秀樹だ。
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「15番からの連続バーディは圧巻。15番はショット、16、17番はパット。最終18番のイーグルもパットで奪ったイーグル。2オンさせた飛距離のアドバンテージも生かしつつ、パットも決め持ち味を発揮しましたね」と、南秀樹は分析する。
スイングは大きなトップから腰を切って、思い切り良く振り抜いている。迷いなく振り切るので飛距離が出る反面、調子が落ちると曲がりも大きくなる傾向があったが、「以前に比べてスタンスが狭く、トップもコンパクトめになっています」と、安定性を求めたスイングに変化しているという。
特徴的なトップを作るために、バックスイングでは左ヒザがやや内側に入り、腰も回っている。そのため大きくはないが、バックスイングで左、ダウンスイングで右に乗る“ギッタンバッコン”の動きが入っていると指摘。「ギッタンバッコンは決して推奨する動きではありませんが、私をはじめ、年齢を重ね体が固くなったというゴルファーは、取り入れても良い場合があります」と、悪いことばかりではないと話を続ける。
「若くて柔軟性がある人がギッタンバッコンになると、バックスイングで体がのけぞり左足体重となって、その反動でダウンスイングでは右足に乗って右サイドが下がってしまう。クラブが下から入るので、出球のコントロールが難しくなってしまう。しかし、体が固くなると、バックスイングで体はのけぞりません。つまりギッタンできないので、バッコンもしないのです」。アドレスでは左右5対5の体重配分で構え、トップでもその配分をキープ。その際、多少右腰が伸びても「軸がブレないのでミートしやすくなります」という。
切り返しは左腰を後ろに引くように動かしたい。「左腰を後ろに引くと同時に、左ヒザを伸ばすと、右腰が前に出るので、スムーズにターンできます。頭が右に動く、バッコンの動きが入れば、体とクラブの引っ張り合いが生まれるので、ヘッドスピードアップも期待できます」。体を回しても深いトップが作れない、右から左への体重移動が難しいなら、一度試してみてほしい。
■神谷そら
かみや・そら/2003年生まれ。岐阜県出身。ルーキーイヤーに初優勝を挙げると、国内メジャー「日本女子プロゴルフ選手権」で2勝目を達成。昨年のドライビングディスタンスは262.71ヤードで3位。今年は257.70ヤードで首位につけている(5月19日時点)。郵船ロジスティクス所属。
■南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導し、他には木村彩子を教えるなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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