⼤阪芸術⼤学〈産学協同プロジェクト〉発のオムニバス「メイソウ家族」
⼤阪芸術⼤学の映像学科が実施している、学⽣たちが映像業界のプロとタッグを組んでドラマや映画を作る〈産学協同プロジェクト〉。その11作⽬となる映画「メイソウ家族」が、8⽉29⽇(⾦)よりヒューマントラストシネマ渋⾕、テアトル梅⽥ほか全国で順次公開される。メインビジュアルと特報映像が到着した。
大学に所蔵されていた学生作のシナリオを、在学生たちがアレンジし、『YUI』『MONOS』『UMI』の3編オムニバスに仕立てた本作。第1話『YUI』は向き合わなくなった4人家族の崩壊と思いがけない修復の糸口を描いたホームドラマ、第2話『MONOS』は正体不明の生物を車で轢いて死なせてしまったカップルの顛末を追う近未来ドラマ、第3話『UMI』は失声症の中学生と個別授業を受け持つ教師との交流を描いた学園ドラマで、3編が交わっていく。
『YUI』と『UMI』の監督は、同大学の卒業⽣・現教員であり近年は「658km、陽⼦の旅」で注目された熊切和嘉。『MONOS』の監督は「青いうた〜のど自慢 青春編〜」などの金田敬。製作統括は学科長であり「海難1890」の監督である田中光敏が担当。学生たちは演出、撮影、照明、美術など各セクションを受け持った。
〈コメント〉
熊切和嘉監督
学生時代、大阪芸大周辺で毎日のように自主映画を撮っていました。あぜ道と町工場の続く灰色の風景でしたが、映画を志す我々にとってそこは夢の工場、言わば撮影所みたいなものでした。そんなあの地で30年ぶりに映画が撮れることに感慨を覚え、学生時代に撮り残した「想い」みたいなものをやっと撮りきれたような気がしています。自分にとって原点に立ち返ることができた作品ですし、何より現役の学生たちが映画を発見していく瞬間に立ち会えたことをとても光栄に思います。ぜひ劇場でご覧ください。
金田敬監督
極寒の夜に雨降らしとMONOSの操演。そんな撮影時の三重苦の中、びしょ濡れになった学生たちの背中から濛々と湯気が上がっている。作品に対する自分の熱量を見られた気がしたのか、恥ずかしそうにお互いを笑い合いハニかんでいた。「一生懸命は当たり前!努力なんてしてませんよとさり気なく観客に届いてこそ価値があるんや」そう学生たちを叱咤激励している天邪鬼な監督の背中からも湯気が……。恥ずかしいやら誇らしいやらの撮影期間だった。
田中光敏(製作統括)
メイソウ家族三部作は、学生が書いた脚本を基に、学生と先生が一丸となって作り上げた、エンターテイメント作品です。現場での学生たち、そして先生達やプロの俳優陣が、まさしく一つの作品を一緒に作る映画のプロの目になっていた事が、とても印象的でした。笑えて、ドキドキして、泣ける作品です。是非ご覧下さい。
「メイソウ家族」
出演:『YUI』戸田菜穂、永野宗典、三浦理奈、高村佳偉人/『MONOS』三浦理奈、秋庭悠佑/『UMI』西岡奏、木村了
特別出演:久保田磨希、タージン、島田珠代、真凛、板東さえか、谷村美月
監督:『YUI』『UMI』熊切和嘉/『MONOS』金田敬
脚本:『YUI』三田村裕真/『MONOS』阪上彰馬/『UMI』幸田遼太朗
脚色:『YUI』菊田涼乃/『MONOS』村岡楓太/『UMI』長瀬南海
撮影監督:佐々木原保志
編集:藤田和延
音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
製作総指揮:塚本邦彦
製作統括:田中光敏
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉
協賛:大成建設株式会社、日本電設工業株式会社
企画:大阪芸術大学 芸術学部 映像学科
製作・著作:大阪芸術大学
配給:日活
©︎大阪芸術大学
公式サイト:https://www.osaka-geidai.ac.jp/topics/meisoukazoku
記事提供元:キネマ旬報WEB
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