Z世代の9割が「案件動画」を認知! 購入の決め手は“誠実さ”と“信頼感”だった【サークルアップ調べ】
コスメや洋服、医療施術など、何かにお金を出す前、口コミ評価を見るのは当たり前の時代。昨今はZ世代を中心に、インフルエンサーの発信する「案件動画」がきっかけとなって、商品やサービスを購入する消費者が増えている。どのような案件動画がきっかけとなっているのか。Z世代に特化したクイックリサーチサービス「サークルアップ」は2025年4月、現役大学生の男女296人に、案件動画がどのように受け取られているのか、調査した。
Z世代にとって案件動画は当たり前の存在に。しがし、案件動画が逆効果の場合も?
まず、実際に見たことがある案件動画のジャンルを調査した。「コスメ」「スキンケア」「衣服」「脱毛、歯列矯正、美容施術、整形など」「施設」「食品」「その他」の7項目で絞って聞いたところ、「よく見る」「たまに見る」の合計が最も多いのが「コスメ」で75%だった。次に「スキンケア」(70%)、「食品」(57%)、「脱毛、歯列矯正、美容施術、整形など」(55%)、「衣服」(52%)。5項目で半数以上が「案件動画を見たことがある」と答えた。Z世代にとって、案件動画は当たり前の存在といえるようだ。

実際に、案件動画が消費行動を促す効果はどれくらいなのか。案件動画を見た後、商品またはサービスを購入したことがあるかを調査したところ、結果はジャンルによってバラつきが生まれた。半数以上が「案件動画を見たことがある」と答えた5項目の中で、「コスメ」(30%)、「スキンケア」(24%)、「食品」「衣服」(23%)の4項目は、「案件動画を見たことがある」割合に対して、半数弱が「購入したことがある」と答えた。唯一、「脱毛、歯列矯正、美容施術、整形など」に関しては、わずか4%の結果にとどまった。この違いは何なのか。

案件をしているブランド、商品、サービスに対して、どのような印象を受けるかを追加調査したところ、「脱毛、歯列矯正、美容施術、整形など」に対して、「どちらかといいうと悪印象」「悪印象」が48%、「好印象」「どちらかというと好印象」がわずか9%という結果に。「コスメ」「スキンケア」「食品」「衣服」の結果と比較すると、悪印象の割合が20%以上違った。「脱毛、歯列矯正、美容施術、整形など」については、案件動画によって印象が下がっているということがわかった。
その理由を掘り下げると、「少し胡散臭く感じる」「知らない人が案件ということを黙って褒め続けている」「どのインフルエンサーも自分が施術を受けたように見せて、同じ動画を使っていた」という意見があがった。実際の使用感が、映像でリアルに見られるものではない「脱毛、歯列矯正、美容施術、整形など」は、金額が大きいことも多いため、視聴者も懐疑的になりやすいのかもしれない。
好印象な案件動画と、信頼できるインフルエンサーの特徴は?

好印象な案件動画とはどのような動画なのか?調査の結果、「良いところだけでなく、悪いところも説明している」「案件であるとはっきり述べている」「案件っぽくない」「実際に普段から使用している」という、大きく分けて4つのポイントがあげられた。
さらに、視聴者から案件動画に信頼を置かれているインフルエンサーは誰なのかについても調査した。1位となったのは、SNSの総フォロワー数240万人(2025年5月時点)を抱える男性美容インフルエンサー、「2人目のエガチャン」(29票)。「来る案件全て受ける訳ではないから」「マイナスなところも発信してくれるから」という意見があげられ、本当に良いものの案件のみを紹介し、かつ正直な意見を述べるところに信頼が集まっているようだ。
続いて2位は、YouTubeのチャンネル登録者数1,920万人(2025年5月時点)を誇るYouTuberの「HIKAKIN」(15票)。3位は、美容系YouTuberの「nanacoななこ」(10票)がランクイン。美容系や旅・グルメ系のインフルエンサーに票が集まる中、2位の「HIKAKIN」は「真面目で誠実だから」「登録者数が多いから」という意見が多く見られた。チャンネル登録者数の多さや経歴、人望による評価の高さが理由となった。「nanacoななこ」についても、化粧品に対する知識や研究心が高く、好感度の高さにつながっていた。
過度にいいことばかりを並べず、率直な感想を伝える「誠実さ」と「リアルさ」が、案件動画においては重要といえそうだ。情報過多のこの時代、良質な情報を選びとるために、信頼できるインフルエンサーの存在も注視したいところだ。
出典:【株式会社RECCOO】
※サムネイル画像(Image:Zulfugar Graphics / Shutterstock.com)
記事提供元:スマホライフPLUS
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