渋谷駅が再開発で変わる!ハチ公前はどうなる? 東西南北をつなぐ歩行者道や駅前広場も整備! 全体完成は当初予定から7年先送りに

巨大ターミナル駅であり、トレンドの発信地として世界から注目を集める渋谷駅。駅周辺では現在、東急とJR東日本、東京メトロの3社により、100年に一度と言われる大規模再開発プロジェクト「渋谷駅街区計画」が進められています。
5月には「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)」の工事に着工。2030年度には渋谷駅周辺の歩行者ネットワークの整備が完了し、翌2031年度には首都圏最大級の商業施設が完成予定。2034年度の全体完成を目指すとしています。
なぜ、渋谷駅周辺で再開発がおこなわれているの?

渋谷駅は昭和初期から乗り入れ路線が徐々に増加し、周囲には商業施設が増えていきました。その都度、乗り換えのための動線や、駅と商業施設をつなぐ通路を設けているうちに駅の構造が複雑になり、乗り換えやエリア間の移動がしづらいといった問題が生じるように。JR山手線から埼京線のホームへ移動する際など、時間がかかって苦労した経験がある人もいるでしょう。また、建物の老朽化や、安全面・防災面の強化といった課題もありました。
【参考】JR渋谷駅はこう変わってきた 駅改良で乗り換えをスムーズに JR東日本が土木学会賞を受賞(東京都渋谷区) https://tetsudo-ch.com/12965974.html
それらの問題を解決するため、2010年頃から再開発がスタート。埼京線や銀座線ホームの移設をはじめとする渋谷駅の改良を進めるとともに、新しい商業施設も続々と誕生しました。2012年には「渋谷ヒカリエ」が、2018年には「渋谷ストリーム」が、2019年には「渋谷フクラス」や「渋谷スクランブルスクエア」の東棟が開業。2020年には「MIYASHITA PARK」がグランドオープン。2023年に「渋谷サクラステージ」、2024年に「渋谷アクシュ」が開業したのは記憶に新しいところです。
全体の完成は2027年度から2034年度へ7年先送りに
再開発計画を進めるなか、インバウンド旅行者の増加など状況の変化に合わせて施工計画の見直しを行いながら、時代に合った街づくりができるように工事を進めてきました。また、防災面や安全面を強化するための計画変更もおこなってきました。
その結果、2027年度の完成を目指してきた「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)」は当初予定していた2027年度から2031年度に開発スケジュール・計画を変更し、4年遅れになることが明らかになりました。
2年後の2033年度に中央棟4階のコンテンツ体感施設「4階パビリオン(仮称)」と縦移動のための導線「アーバン・コア」が完成し、その後「ハチ公広場」など周辺5つの広場が整備されて、全体完成は2034年度と、当初から7年先送りされる予定です。
渋谷駅再開発の今後のスケジュールは?
現在、渋谷駅周辺では、駅の改良工事や商業施設の建設、東西を結ぶ歩行者デッキの新設や5つの駅前広場の整備などが同時並行で進められています。具体的にいつ、何ができるのか見ていきましょう。
2030年度に渋谷駅の東西南北がつながる歩行者ネットワークが完成予定
2030年度には、銀座線渋谷駅のホーム直上に空中回廊として通行可能な「4階東口スカイウェイ(仮称)」を、渋谷スクランブルスクエア西棟の西側に、約3,000平米の歩行者デッキ「西口3階上空施設(仮称)」の一部が整備されます。JRハチ公改札前とJR南改札前に東西を結ぶ自由通路も整備され、渋谷駅の東西南北を地上およびデッキ階で結ぶ多層な歩行者ネットワークが誕生する予定です。
「西口3階上空施設(仮称)」は、高知駅や旭川駅、高山駅などを手がけ、渋谷駅周辺の再開発計画に長年関わってきた内藤廣建築設計事務所がデザインします。
「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期」完成は4年遅れの2031年度を予定

今回着工の発表があった「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)」は、2031年度に完成を予定しています。商業フロアの売場面積が最大約6,000平米となり、首都圏最大級の商業施設となる見込みです。
また、中央棟の10階には各国大使館などと連携したグローバルな文化交流体験を提供する施設「10階パビリオン(仮称)」が整備されます。プリツカー賞受賞など世界で活躍し、JR日立駅などを手がけているSANAAがデザインし、世界中から注目を集める渋谷の新たなランドマークとなることが期待されています。
ハチ公広場や東口地上広場など、全体の完成は2034年度の予定

2033年度には、中央棟4階に最先端技術を活用したコンテンツを体感できる施設「4階パビリオン(仮称)」や、中央棟4階とハチ公広場を上下につなぐ縦軸移動空間「アーバン・コア」が完成します。デザインは、渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)のデザインやJR高輪ゲートウェイ駅の設計などでおなじみ、隈研吾建築都市設計事務所が手がけます。
そして、2034年度までに「ハチ公広場」「東口地上広場」「中央棟4階広場(JR線路上空)(仮称)」「西口3階上空施設(仮称)」「中央棟10階広場(仮称)」合わせて約2万平米の新たな広場も完成予定。非常時の一時避難場所としての機能も備えた、憩いと潤いのある空間が整備されます。
渋谷の街がどのように変貌を遂げるのか、今後の進捗に注目しましょう。
(画像:東急・JR東日本・東京メトロ)
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記事提供元:鉄道チャンネル
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