未勝利のプラチナ世代がイーグル締め 藤田かれんは「右に倒れる」動き修正で飛距離アップ
<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇8日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>
ツアー未勝利で2000年生まれの“プラチナ世代”藤田かれんが、今季メジャー初戦でボギーなしの1イーグル・2バーディ。昨年に続く2度目の出場で、今大会初となるアンダーパー「68」を記録した。4アンダーで3位タイという好成績に表情も明るい。
この日のハイライトは最終18番。グリーン左前には池があり、フェアウェイも狭いため“3打目勝負”で狙う選手が多いホールだ。しかし、藤田はエッジまで238ヤードの位置から、果敢に2オン狙いを仕掛けた。「ピンポジションを見ていたら最初は刻む予定だったけど、乗る可能性が高いと考え、思い切って狙っていきました。乗ったらラッキーぐらいで」。3番ウッドで放った2打目はフォローの風にも乗り、狙い通りにグリーンオン。5メートルから1パットで沈めイーグルを奪うと、ギャラリーから歓声と拍手が舞い起こった。
その背景には「今年は“飛距離が大きく伸びた”ことがアドバンテージになっている」という要因がある。今オフは「トレーニング、スイングを少し変えた」ことを明かす。それにより昨年まで230~235ヤードだったドライバーのキャリーは、「240ヤード」まで伸びたという。「可動域を増やしたり、柔軟性を高めたり」とフィジカル面強化と、冬場も「寒い中で振る練習」を徹底。ヘッドスピードも42m/sから43m/sにアップした。これにより、当初は縦距離やクラブ選択など「合わせるのが難しかった」こともあったというが、しっかりと結果につながっている。
スイング面については、「軸がブレることが多く、ダウンスイングで体が右に傾く悪い癖がある」ところを修正。これによりクラブを下ろすときに右肩が下がりすぎてしまい、インサイドからクラブが入り“あおり”打ちになりやすかった。だが、「軸ブレしないように」と、バックスイングでは右足の内側を意識して軸を保ち、切り返しからは左足を軸にして回転するようにした。左軸の意識を取り入れ、“右倒れ”を修正。これにより「打点もすごく良くなったので、アイアンのミート率も上がった。フェアウェイキープもすごく良かったので、楽にできましたね」と、ゴルフが変っている。
今年はQTランキング34位でシーズンをスタート。リランキングの対象ということもあり、しっかりポイントを積み重ねて後半戦の出場権も確保しないといけない立場だ。7試合出場し4度の予選落ちはあるが、「アクサレディス」で6位になっていることもあり、現在64.31ポイントの14位につけている。30位付近が夏場にフル出場することを可能にするラインと見込まれているなか、昨年の第1回リランキングで30位になった60ポイントを超えているため、すでに“安全圏”といえる。
そのため今は“初優勝”に向けて集中ができる。「メリハリよくできたら、きょうみたいないい成績が出るかなと思います」。アドバンテージを生かし、堂々とメジャーの舞台を戦っていく。(文・高木彩音)
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